「光る君へ」への長い道のり ~『第18回 「岐路」振り返り』(その4)(ネタバレ)~[2441文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第18回『岐路』 の振り返り、その4です。
※以下より、第18回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第18回をご視聴ください🙇。
■[第18回『岐路』 振り返り]その4
登華殿ー。伊周〔三浦翔平〕が定子〔高畑充希〕と女房たちの前に姿を現す。
伊周「どけ。・・・どけ!」
出ていく女房たち。
定子「お静かになさいませ」
定子に近づく伊周。
伊周「帝の御寵愛は偽りであったのだな」
定子「そうやもしれませぬ」
伊周「年下の帝のお心なぞ、どのようにでもできるという顔をしておきながら、何もできていないではないか」
定子「関白ではなく、内覧宣旨のみをお与えになったのが、帝の私へのお心遣いかと思いました」
伊周「ハハハハハハ・・・。私は内覧を取り上げられた上に内大臣のままだ!そんなお心遣い、何の意味もない。こうなったらもう、中宮様のお役目は皇子を産むだけだ。皇子を、産め」
控えていたききょう〔ファーストサマーウイカ〕が伊周を冷たい目で睨む。
伊周「皇子を・・・皇子を産め。早く皇子を産め~!」
表情を変えない定子。
伊周「素腹の中宮などと言われておるのを知っておいでか。悔しかったら皇子を産んでみろ。皇子を産め。早く皇子を・・・。早く皇子を産め!」
定子の瞳がかすかに揺れる。
為時〔岸谷五朗〕の屋敷ー。
訪ねて来たさわ〔野村麻純〕が言う。
さわ「お別れです」
まひろ「え?」
さわ「父が肥前守を拝命したので、一緒に行かねばなりません。せっかくまひろ様と仲直りできましたのに・・・」
まひろ「お父上が国司になられるのなら、おめでたいではありませんか」
さわ「肥前は遠い国・・・。もしかしてもうお目にかかれないやも知れません」
目に涙を浮かべるさわ。
まひろ「これでよければ・・・(さわに手拭を渡す)でも、国司の任期は4年でしょ?もう会えないなんてころはないと思いますけれど・・・」
泣き続けるさわ。そこに惟規〔高杉真宙〕が帰って来る。
惟規「あれ?何、泣いてんの?」
さわ「あ・・・。惟規様」
惟規「何だよ」
まひろ「さわさんのお父上が肥前の国司になられるそうで、一緒にいかれるんですって」
惟規「俺にも当分会えないから泣いてたんだ」
さわ「昔は私、惟規様をお慕いしておりましたけれど、今はもうやめました」
惟規「は?」
さわ「よき思い出でございます」
まひろ「人の心は・・・うつろうものなのよ。ねえ」
さわ「でもお別れは寂しゅうございます(泣き声)」
まひろ「さわさん、お会いできますよ」
ナレーション:「そしてひとつき後。一条天皇は道長を右大臣に任じた。道長は内大臣の伊周を越えて、公卿のトップの座に就いたのである」
土御門邸に倫子〔黒木華〕と穆子〔石野真子〕。
穆子「女院様をこのお屋敷で引き受けたのが大当たりだったわね」
倫子「私も一度は『え~・・・』と思いましたけれど、何が幸いするか分かりませんわね(笑い声)」
穆子「帝があえて関白になさらなかったのは、女院様と中宮様のお気持ち、それぞれおはかりになったからかしら」
倫子「恐らく。帝もご苦労なことにございますね」
穆子「関白も左大臣もいないのですから、内覧で、なおかつ右大臣のお役目を頂いたのだったら、これはもう、政権の頂きに立ったのと同じ。でかしたわね、倫子」
倫子「自分は上に立つことが苦手であると、殿はいつもおっしゃってましたのに、これからご苦労が増すことになると思うと、心配でございます」
穆子「父上もあの世から、お守りくださいましょう」
倫子「まだ『不承知、不承知』とおっしゃってるかもしれませんけれど(笑い声)」
高松殿ー。俊賢〔本田大輔〕と明子〔瀧内公美〕。
俊賢「右大臣様は、関白の職はいらぬと仰せになったそうだ。驚かぬのか?」
明子「関白でも右大臣でも、我が殿に変わりはございませぬ」
俊賢「関白になってしまっては、意のままに動けぬ。存分に働ける場にとどまりたいと、仰せになったそうだ。ただ者ではない」
明子「この前まで道長様なぞ、眼中になかったくせに」
俊賢「ああ。これほどの心意気の方とは思わなかった。されど、これからは右大臣様一本でいく」
明子「情けない兄上」
俊賢「俺のことを道長様に褒めておけよ」
明子「褒めるところがございませんけれど」
土御門邸の縁に道長。空にかすんだ月。
立ち上がり月を見る道長はまひろの言葉を思い出していた。
回想「道長様は偉い人になって、直秀のような理不尽な殺され方をする人が出ないような、よりよき政をする使命があるのよ」
「誰よりもいとおしい道長様が政によって、この国を変えていく様を死ぬまで見つめ続けます」
ひとり廃屋にたたずむまひろー。
そこに道長も現れる。ふたりの目と目が静かに交わる。
まひろ「(心の声)昔の己に会いにきたのね」
見つめ合うふたり。道長の方に歩くまひろ。重なる影。
まひろ「(心の声)でも今、語る言葉は何もない」
影がすれ違う。ふたりの背中が遠ざかる。言葉を発することなく、その場を去っていくのだった。
次回、どうする花山院(´-`)。
久しぶりの登場やのに、矢を射られるんかい( º言º)
以上で『第18回 「岐路」の振り返り』は終了です(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。
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