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今、この歴史コミックが面白い~竜馬がゆく~

言わずと知れた、司馬遼太郎氏の出世作であり代表作のひとつ、「竜馬がゆく」。
初めて読んだのは学生時代で、最初は展開の遅さを覚えつつも、巻を重ねるごとに、司馬氏が描く竜馬の突出した人物の大きさに魅了されていった記憶があります。

その「竜馬がゆく」が週刊文春でコミック連載され始めた時は、少々不安に思いました。司馬さんの小説の面白さは、映像化できないところにあると思うからです。
人物も風景も決して書きこまずかといって要点は押さえる独特の表現や文体、ストーリー展開と離れて挟み込まれる余談等々。
ゆえに司馬氏が原作の映像化は、原作に忠実に映像化しようと試みると、原作ほどの面白さを得ることが困難になります。

コミック化かぁ、どうかなぁと思ったのですが、これがまた実に面白い。

原作の骨格・キャラクターの雰囲気を残しながらも、現代の読者に飽きられないようにスピード感ある物語展開と独自の脚色を取り入れてそれが成功しています。

現在発売中の週刊文春では桂小五郎編に入っていて、竜馬を不審者と勘違いした桂小五郎が竜馬と刀を交えるところから入ります。

この決闘シーンもいいですが、そのあと、小五郎が竜馬を認める会話の流れもオリジナルですが、原作の竜馬像を損なうことのないものとなっています。

令和の時代にこのような「竜馬がゆく」を読めるとは思っていませんでした。

まずは発売中の週刊文春を読んでみて、面白いと思ったら、コミックを(まだ2巻までしかでてませんが)。

願わくば、原作の最後まで連載が続きますように🙏。


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