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【歴史のすみっこ話】漢字、危機一髪[1131文字]

007映画で好きな作品をひとつあげろと言えば、やはりショーン・コネリー演じるジェームズ・ボンドシリーズの第二作目。
ロバート・ショーとのオリエント急行での格闘が印象的な『ロシアより愛をこめて』をチョイスしたいです。
昭和な感性ですか、そうですか😭。

さて、『ロシアより愛をこめて』ですが、映画公開時は007/危機一発』のタイトルでした。

『007/危機一発』
のタイトルを考案したのが、当時ユナイト映画の宣伝部にいた水野晴郎氏というのは有名なエピソードですね。

ちなみに本来ならば、危機一髪とすべきところを、危機一発としたのは、あえて、字を変えたとか水野晴郎氏は言ってるようですが、案外、マジで間違えたのではなかろうか?とボクはひそかに思っています🤔。

この映画がヒットしたからでしょうか。『危機一髪』を間違えて、『危機一発』と書く人が増えたとか増えなかったとか😆。

さて、本題の、『漢字、危機一髪』ですが。

話はざっと遡ること156年前ー、1867年1月(慶応2年12月)のこと。

時の将軍・徳川慶喜に、建白書を差し出したのは、後に『日本近代郵便の父』と呼ばれることになる前島密(まえじま ひそか)

いよいよ徳川幕府も終わろうかと言う瀬戸際の時代。前島密が、慶喜に差し出した建白書とは何か?。

それは、『漢字御廃止之儀』の建白書だったのです!(えーっ!)
 
この建白書は以下の文から始まっていました。

「国家の大本は国民の教育にして其教育は士民を論せす国民に普からしめ之を普からしめんには成る可く簡易なる文字文章を用ひさる可らす」

(国家のおおもとは国民の教育ということにあって、その教育は、士族や平民の区別なく、国民にゆきわたることが大事で、教育をゆきわたらせるためには、なるべく簡単な文字、文章を使うしかない)

『常用漢字の歴史 教育、国家、日本語』 著:今野 真二 より引用


つまるところ、西洋の、例えば英語は、A~Zのアルファベットの表音文字で、単語が構成されているわけですね。

翻ってみると、日本でも、日本で造られた仮名[ひらがな・カタカナ]という表音文字があります。

なので漢字という、数も多く、覚えるのが大変で、複数の読み方がある表意文字を使わずに、仮名字によって教育を行うべきでしょう、というのが前島密の言いたいことだと思います。

それをストレートに言うと、建白書にある『漢字御廃止之儀』ということになるわけで・・・って、なにそれ?。

話は聞かせてもらった。漢字は廃止する! 
 
なんだってー!😱


そんな感じです。漢字だけに!


さぁ、新しい明治と言う時代が始まろうとする夜明け前。
前島密の建白書によって、漢字が危機一髪のピンチを迎えます。
 
どうする、漢字。

いや、別にどうもしませんけれどもね😏

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