「光る君へ」への長い道のり ~『第36回 「待ち望まれた日」振り返り』(その3)(ネタバレ)~[3026文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第36回『待ち望まれた日』 の振り返り、その3です。
※以下より、第36回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第36回をご視聴ください🙇。
■[第36回『待ち望まれた日』 振り返り]その3
内裏、道長〔柄本佑〕の執務部屋。
行成〔渡辺大知〕「この者らが中宮様ご出産を記録する者たちにございます」
道長「うむ。よしなに頼む」
官人たち「ははっ(頭を下げる)」
ナレーション:「帝の子の出産時には、漢文による公式記録をつけるのが通例であった」
土御門邸、まひろ〔吉高由里子〕のつぼね。道長がやって来る。
道長「藤式部。頼みがある」
まひろ「は‥‥」
道長「中宮様のご出産の記録を作ってもらいたい」
まひろ「公の記録など、私には‥‥」
道長「中宮様のおそばにいて、中宮様のお心をよく分っているお前にも書いてもらいたい。中宮様の晴れの場、後に続く娘たちにも役立つように残したいのだ」
まひろ「承知つかまつりました」
道長「(安堵のため息)はあ‥‥うん」
立ち去る道長。
屋敷の廊下をゆく伊周〔三浦翔平〕。暗い部屋に消える。
土御門殿ー。彰子と女房たち。
彰子〔見上 愛〕「私も死ぬのであろうか」
宰相の君「は?」
彰子「亡き皇后様も最後のお産で身まかられた」
大きなお腹に手を当てる彰子。
まひろがやって来る。
まひろ「お呼びでございますか?」
彰子「ほかの者は下がれ」
一礼し、座を立つ女房たち。気まずいまひろ。女房たちが去るのを見届け、彰子に近づく。
まひろ「ご気分が悪くていらっしゃいますか?」
彰子「分からぬ‥‥」
まひろ「お方様をおよびいたしましょう」
彰子「い、いらぬ。母上に心配はかけたくない。そなたがおればよい」
まひろ「恐れながら、中宮様のお気持ち、よくわかります。私にも娘がおりますが、お産の前は、不安でなりませんでした」
彰子「そなたもそうであったのか‥‥」
まひろ「帝のお喜びになるお顔を、思い浮かべてくださいませ。きっと不安は遠のきましょう」
彰子の頬が緩む。
まひろのつぼねー。まひろの記録。
まひろ「(心の声)真夜中からお屋敷が騒がしくなり始める。日がな一日、中宮様はとても不安げに、起きたり伏せったりして、お過ごしになられた」
彰子「ふう‥‥」
まひろ「(心の声)祈とう僧だちは、中宮様に取りついている、もののけどもを寄坐に駆り移そうと限りなく大声で祈り立てている。南には高貴な僧正や僧都が重なり合うように座り、不動明王の生きたお姿をも呼び出してみせんばかりに、頼んだり、恨んだり‥‥」
物音。霊媒師のうるさい!という声。
まひろ「(心の声)皆、声がかれ果てているのが、とても尊く聞こえる」
霊媒師の笑い声。
「恐ろしく強いな、もののけが‥‥」
読経。
暗い部屋で呪詛を行う伊周。
読経。暴れる霊媒師。祈る道長。几帳の奥で苦しむ彰子。つきそう倫子〔黒木華〕。
倫子「うるさいこと」
手を合わせて祈るまひとたち女房。
宮の宣旨「お清めを」
まひろ「(心の声)頭には邪気払いの米が、雪のように降りかかり、しぼんでしまった衣装がどんなに見苦しかったことか。あとになると、おかしくてならない」
読経。
百舌彦が顕光〔宮川 一朗太〕、道綱〔上地雄輔〕を案内してやって来る。
百舌彦「中宮様、ただいまお大事の最中ゆえ、こちらで」
顕光「(暴れる霊媒師を見て)これはちょっと‥‥帰ろうかな」
道綱「私は‥‥やります」
顕光「えっ」
庭に座って、祈とうに加わる道綱。
読経する。
伊周の呪詛する声。
霊媒師「道長!」
道長「どうか‥‥どうかお鎮まりくださいませ!どうか‥‥どうかお鎮まりくださいませ!」
霊媒師の悲鳴。気を失って崩れ落ちる。
産声。几帳の奥から倫子。
倫子「皇子様にございます」
どよめき。ひれ伏す一同。
頼道〔大野遥斗〕「皇子様‥‥」
縁に出る頼道。
頼道「皇子様だ!」
庭で祈る道綱たちが屋敷に向い一礼する。
道長「皇子であったか‥‥。皇子‥‥」
たたずむ道長。涙を浮かべそっと見つめるまひろ。
倫子と向き合った穆子〔石野真子〕。
穆子「よかった。亡き殿もどんなにか、お喜びでしょう」
うなづく倫子。
赤子の寝顔を見つめている彰子。
倫子「美しい皇子様ですこと。お手柄ですわ」
彰子「私の今日は、藤式部の導きによるものです。礼は藤式部に」
倫子「もうさんざん申しましたわよ」
呪詛の札が散らばった部屋。へたり込む伊周。
ということで、長くなりましたので、『第36回「待ち望まれた日」』の振り返り』その3は、その4へ続かせていただきます(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。
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