「光る君へ」への長い道のり ~『第19回 「放たれた矢」振り返り』(その2)(ネタバレ)~[2770文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第19回『放たれた矢』 の振り返り、その2です。
※以下より、第19回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第19回をご視聴ください🙇。
■[第19回『放たれた矢』 振り返り]その2
道長〔柄本佑〕、公任〔町田啓太〕、斉信〔金田哲〕、行成〔渡辺大知〕らが揃った宴の席で公任が出世レースからリタイア宣言。
公任「偉くなるのは大変だな・・・。次の除目は俺のことは忘れておいてくれ。俺は今のままずっと参議でよい」
酒を飲む公任。
公任「父が関白であった頃は、俺も関白にならねばならぬと思っておったが、今はもうどうでもよい。漢詩や和歌や読書や管弦を楽しみながら、この先は生きてゆきたい」
斉信「いきなり枯れてしまって、体の具合でも悪いのか?」
公任「陣定で見ていても、道長は見事なものだ。道長と競い合う気にはなれない」
道長「フッ・・・。見事って・・・。まだ始まったばかりだ・・・」
公任「それより、適切な除目を行うには、おのおのが抱えている事情を知った方がよいと思うのだ」
道長「事情・・・。貴族たちの裏の顔か?」
公任「そうだ。それには行成を使えばよい」
行成「え?私が・・・」
公任「行成は字が上手い。女子たちは皆、行成の字を欲しがる。ゆえに、行成は意外にも、女子たちと密なつながりを持っておる。女たちの男どものとの むつ言から、あいつらの知られたくない話を仕入れるのだ」
道長、感心した顔で頷く。
行成「私で力になれるなら、やりまする」
斉信「俺もそろそろ、参議にしてほしいな~」
道長「あ~・・・、すまぬ。今回は、ない。8月の除目では、源俊賢〔本田大輔〕を参議にするつもりだ。」
公任「同じ蔵人頭なのに、なぜ斉信ではなく、俊賢なのだ?」
道長「俊賢は、亡き源 高明殿の息子だ。されど、目指すもののためには、その誇りを捨て去ることができる。今の俺にはなくてはならない男だと思っている。(斉信を見て)斉信のことはその先に必ず考えるゆえ、この度は許してくれ」
内裏ー。
行成「昨日までにつかんだことでございます」
行成の書状を見る道長。
道長「早いな」
行成「右大臣様の御ためですゆえ」
道長「ハハ・・・。藤原朝経は酒乱なのか」
行成「そのようにございます。お読みになったら、すぐ焼き捨ててください」
道長「いや、一度読んだだけでは覚えられぬ。そなたのような優れた才はないゆえ」
行成「されど、これが残るのは危のうございます。お心に留まったことだけご自身で記録をお作りください」
道長「それは日記のことか?」
行成「はい。私は毎朝、前日に起きたことを書き記します。そのことで覚える力も鍛えられまする」
道長「ん~・・・」
ナレーション:「除目は年に2回あり、秋の除目は大臣を除く中央官人の任命、春の除目は主に受領など地方官人の任命であった。この秋の除目で、実資〔秋山 竜次〕が権中納言に、俊賢が参議になった。そして、行成が蔵人頭となった」
その俊賢が、参内しないままでいる伊周〔三浦翔平〕と隆家〔竜星 涼〕のいる二条第を訪ねた。
俊賢「内大臣様、中納言様には、ごきげん麗しく、心よりお喜び申し上げます」
隆家「ごきげん麗しいわけがなかろうが。何だ?お前は」
俊賢「源俊賢にございます」
隆家「そんなことは分かっておる!」
伊周「右大臣殿に言われて様子を探りに来おったか」
俊賢「とんでもないことにございます」
伊周「お前の妹は右大臣殿の妻であろう」
俊賢「さようでございますが、私は源の再興のために右大臣様に近づいておりますだけで、道長様に忠義立てしているわけではございませぬ。内大臣様の方がお若く、ご聡明でいずれは高みに昇られましょう。今宵はさきざきのために、まずは種をまいておこうと参じましてございます」
隆家「ずうずうしい奴だな、お前」
俊賢「帝も内大臣のことを案じておらえました。
伊周を見る俊賢。
俊賢「内大臣様に対抗する力がなければ、内裏も陣定の偏りなく動かぬと帝はお考えなのではありますまいか?」
伊周「帝がそう仰せになったのか?」
俊賢「そのようにお見受けいたしました。つい先ごろまで蔵人頭として、帝のおそば近くにお仕えしておりましたので、私の目に狂いはございませぬ」
頭を下げる俊賢。
俊賢「どうかご参内くださいませ。内大臣様、中納言様のおわさぬ陣定なぞ、あってはならぬと存じます」
顔を見合わせる伊周と隆家。
内裏ー。
道長に報告する俊賢。
俊賢「これで、内大臣様がご参内くだされば、右大臣様が内大臣様をないがしろにしておられるという、噂は立ちますまい」
道長「よくやってくれた。内大臣が出て来てくれることを祈ろう」
俊賢「必ず参内されましょう。駄目であれば、第二の手を打ちます」
陣定に着座した道長はじめ公卿たち。
そこに、伊周と隆家が来る。上座と下座で視線を交わし合う道長と俊賢。
伊周と隆家が着座する。
道長「では、これより、陣定を始めまする。帝より、若狭に宋人70名余りが来着した件について定めよとの命があった」
なんと・・・。70名・・・。何事でありましょう・・・。
公卿たちはざわつくのだった。
ということで、長くなりましたので、『第19回 「放たれた矢」の振り返り』その2は、その3へ続かせていただきます(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。
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