[読書感想]やだなーは日常を変える? ~『やだなー本』~(1308文字)

■今回 読んだ本

■誰が書いたの

明円 卓(みょうえん ゆぐる)氏。
電通時代は、「意識高すぎ!高杉くんシリーズ」「三太郎シリーズ」など数々のCMプランニングやコピーライティングを手掛ける。
2020年に電通を退職後、株式会社kakeruを創業し、株式会社JANAIの代表取締役。
公式サイトに隠された秘密を解いた人しか入れないコーヒー店『JANAI COFFEE』をプロデュース。

■どんな本なの

♪こんなこといいな できたらいいな とドラえもんの主題歌は、ポジティブな願いで始まり、そして、『しゅくだいとうばん しけんにおつかい あんなこと こんなこと たいへんだけど』と、続いてネガティブなことが続きます。
それらを解決してくれる未来のアイテムを、いいなぁー、欲しいなぁーと誰もが思ったことでしょう。

『こんなことができたら楽しいな』や『こんな嫌なことを解決できたらいいのに』が、発明や改善へと続くアイデアの源なのでしょう。
この本は、タイトルのとおり、『やだなー』と思う事を、いくつかのカテゴリーにまとめて、これでもかとあげていて、あるあるある~と頷くことが多くあります。

ということはですね、その『やだなー』を解決するアイデア、もしかするとちょっとだけ日々の暮らしをよくすることにつながるのかもしれません。

この本は、そのとっかかりを教えてくれる本だと思います。

ではどんな『やだなー』があげられているのでしょうか?
その一例をあげてみます。

○ラーメンの中にドボンするレンゲ
○何か歯に挟まってるとき、舌で頑張ってとろうとしている時間
○パックジュースのストローが陥没すること
○ふと時計をみたら4:44だったとき
○シャンプーとコンデショナーのなくなるタイミングが同じ時じゃないこと
○家族でドラマを観ていると突如はじまるエッチなシーン
○椅子に座ったときに感じる前の人の余熱
○PDFにした瞬間、見つかる誤字
○画面共有中のちょいエロ広告
○おでこで検温されること

あー、あるあるあるぅ~ヽ(≧▽≦)ノ。

本書には実に300個のやだなーが書かれています。
(でも本当は・・・おっと、ネタバレになるのでいえませんが)

これを見ただけで、やだなーを解決できそうなアイデアが、頭の中にもやもやっと雲のように浮かんできませんか?
そうです。やだなーはアイデアの宝庫なのです。

しかし、明円 卓氏はこう書いています。

多くの場合はシンプルに課題を解決してしまうところで手をとめてしまうのですが、この発想法は「やだなー」を土台にどこまでジャンプできるかが大切

『やだなー本』 著:明円 卓

「やだなー」が『ホップ』なら、それを素直に解決するアイデアは『ステップ』、だけどそのさらに上を行く大胆な発想・奇想は『ジャンプ』になるのでしょう。

本書には「やだなー」の答えが安易に書いてはありません。

ボクたちの日常には、「やだなー」と思いたくなるほど「やだなー」で満ち溢れていること、そしてそれは、日々の生活のクオリティを上げるアイデアの宝庫であることを気づかせてくれる本なのです。

ちなみに、この本は図書館で借りたので、そろそろ返却しに外出しないといけません。
・・・やだなー (* ̄  ̄)

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