[読書感想]スマホの次に来るもの ~『ボイステック革命 GAFAも狙う新市場争奪戦』~(2217文字)
■今回 読んだ本
■ところで、誰が書いたの?
緒方 憲太郎氏。
知ってる人は知ってる(当たり前ですね)、音声プラットフォーム「Voicy」の代表取締役CEOです。
■それで、どんな本なの?
出版が2021年6月なので、2020年~2021年時点での音声市場の現状と(日本での)今後の可能性・課題についてわかりやすくかかれています。
■結局、そこにどんな気づき・学びがあったの?
書名にあるボイステック革命ですが、本書では『音声(Voice)とテクノロジー(technology)による大きな変革』・『この革命は、情報と人のあり方を思い切り変える、スマートフォン登場以来の大きな変化』と定義されます。
緒方氏は、2016年に音声プラットフォーム『Voicy]』を起業。
2年間はさっぱりでしたが、2018年頃から『音声コンテンツを発信したい人』・『音声コンテンツを聴いて楽しみたい人』が増えてきたそうです。
印刷に始まり、ラジオ・テレビ・パソコン・PDA・スマホ等の情報デバイスを使って、誰もが情報コンテンツの発信や受信ができる時代になりました。
緒方氏は人とスマホを代表とする情報の接点(=インターフェース)の進化をこう捉えます。
情報を得るために必要とするコスパやタイパが少ないボイステックが、スマホの次に来るものと、緒方氏は思われているようです。
ChatGPTが話題になっているのも、「楽に情報を得たい」という欲求に加え、「楽にコンテンツを作りたい」という欲求も満たしている(質はさておき)のも要因のひとつなのかも知れませんね🤔。
本書では日本を含む世界の音声市場の分析がされています。
(日本に比べると、アメリカや中国の音声市場は格段に大きいようです)
ですが、そこは飛ばして音声コンテンツ発信が、テキストや動画コンテンツの発信よりも優位性があることについて、書かせていただきます😆。
ハードルの低さで言えば、テキストによる情報発信が一番低いとボクは思うのですが、作成に要する時間と工数に緒方氏は注目します。
確かに「Voicy」を聴いていると、ひとつのチャプターの長さは10分程度で、パーソナリティーの中には、台本を書かずに喋る方も多そうですね。
ただコンテンツのクォリティ低下を招く危険性も、同時にあるとボクは考えます。
コンテンツ作成のタイパ・コスパと、コンテンツクォリティとの関係は、きわめて微妙なのではないかと🤔。
緒方氏は2019年を音声市場(Voicyを例に) の第2のターニングポイントと見ています。
この時点で、働く女性(ワーママ)の音声コンテンツ発信や受信をするケースが増加したそうです。
また「Voicy」パーソナリティのキングコング・西野さんにも、本では触れられています。
「Voicy」の西野さんのコンテンツを聴いて、西野さんが主宰するオンラインサロンに入られる方も多いそうです。
音声による情報発信は、その人がどんな人で、どんなことを考えているか、より詳しく知ることができる(と思う)ことの現れなのでしょう。
本書はビジネス書である性格上、音声ビジネスに関する記述が主です。
音声コンテンツを発信す・受信することで、パーソナルベースで何が変わるのか。
音声での繋がりは、テキストでの繋がりに比べ、どのような変化が生まれるのか。
その点について、残念ながら本書では深く掘り下げられていません。
コロナ禍の2021年時点で、それらについて語るのは早すぎたのか、またはコロナ禍の状況が特殊でありすぎたのかもしれません🤔。
IT業界は3年ひと昔ぐらいのスピード感があるので、今日から見れば、予想通りのもの、予想を超えたもの、予想通りにいかなかったものなどがあるように思えます。
基本的な考えは変わらないでしょうが、2023年現在の状況から、ボイステックが、ボクたちのパーソナルな生活に対して、どのような革命をもたらしたのか、または将来なにをもたらすのかについて、緒方さんに、新たな視点で本を書いて欲しいところです😆。
あと本書の中にQRコードがあり、それでスマホから平野文さんの朗読を聴くことができる仕掛けは面白いですね。
じゃ、次の本いってみよ~ (* ̄  ̄)ノ
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