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「二本立ての刑事司法」

わたしは、精神の成熟度を、年齢という外的基準で一括に扱うことには疑問がある。わたしは、立法論として、現在の刑事裁判システムが、現行の少年司法システムから学ぶべきことは多々あると考えている。

刑事裁判システムが不要となることはないだろう。しかし、少年司法システムのように、いわば福祉モデル成年法制と、刑事裁判システムの並存に基づく、刑事司法の運用が可能であり、今後求められていくのではないか。

要保護性の違いに応じた処遇という点で、重大で深刻な犯罪者と、未熟性と可塑性を示す犯罪者の区別的対応が必要である。前者に対する毅然とした対応と、後者に対する保護処分が議論されるべきではないだろうか。

成人の犯罪者に対しては、原則として刑事処分をもって臨み、保護処分を例外的なものとする場合でも、要保護性の違いに応じて、刑罰の多様化が、将来に向けた再社会化という観点から、少なくとも可能な範囲で、議論されてよいだろう。

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