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物語が可能にすること(映画のネタバレ有)
(2023.6.9)
『湯を沸かすほどの熱い愛』を久しぶりに見返した。かなり泣いた。だがラストで涙が引っ込んだ。「こんな話だっけ?」
以下、簡単なあらすじである。
結局双葉は亡くなり、銭湯で彼女の葬式を執り行う。そして、家族みんなで銭湯に浸かっているシーンとなる。亜澄と、一浩の連れ子である鮎子は、「あったかいね」と言い合う。その後、カメラは葬式の際に双葉の周りに散りばめられていた花びらを
友人から手紙をもらった
長い春休みが終わって大学2年生になり、やっと授業が始まった。
1限の授業を終え、東京駅の丸善に寄って本を買い、駅のホームで久しぶりに祖母に電話をし、電車に乗った。早速トートバックから、丸善で買った又吉の新作エッセイ集を取り出す。読みにくい感じがするので、まず帯を取り本に挟む。カバーを外して装丁を眺めてみたりする。
読み始めて数分、なんだかうとうとし始めた。当たり前だと思う。6時に起きて、
複雑なものは複雑なままで
要約の問題を解くとき、人に何かを説明するとき、レポートの結論を書くとき、他人をみるとき。私たちはわかりやすいように一つにまとめる。できるだけわかりやすいように言い換える。
去年の12月中旬、監督玉田真也、脚本アサダアツシの「そばかす」という映画をみた。恋愛に興味もないししたいとも思わないという主人公の話だ。
いわゆるその主人公は、アロマンティック・アセクシュアルというセクシュアリティを持つ
むずフェミ 女について
まず、この前でっかい楽器を持った友達と新宿を歩いてて絡まれたときの話をしよう。私もその友達も性別は女。絡んできた人は男。その後、その子が、「あの場に男がいたらまた違ったかもね」みたいなこと言ってて、カッチーンときた(古っ)。その子にじゃなくて、その絡んできた人に対してね。その人は、まあ変なやつっていうのは確定だし、男の人に対してもそうやってるのかもしれないけど。なんで私はムキムキゴリタトゥー200
もっとみるブラックコーヒーを飲めるようになりたい
去年の冬、ブラックコーヒーを飲めるようになりたいと思って練習していた時期があった。きっかけは鎌倉にある"みにこむ"という喫茶店に行ったときのはなし…。みにこむは私の母が小さい頃からあるお店で、入口にはレオナルドダヴィンチがコーヒーを飲んでる絵が飾られていた。そのお店の伝票の後ろにコーヒーの種類が色々書いてあったのを見て、「ああ私そういえばコーヒー飲めないな」って思ったのがきっかけだった。
母に
又吉が結構好きだっていう話
又吉が結構好き、っていうのを最近いろんな人に話している。
2022年の2月、受験が終わった後に通う頻度が増えた地元の図書館でハードカバー版の「人間」の表紙に惹かれて借りたのが全ての始まりだった。タイトルはシンプルなのに、表紙がなんだか少し不気味だった。
しかし、一緒に借りた橋本治の「人はなぜ『美しい』がわかるのか」の、いわゆる橋本節に足を引っ張られ、貸出期間内に読み終えることができなかっ
タトゥーをいれようよ
結構前から見ているタトゥースタジオのyoutubeチャンネルがあって、そのチャンネルがすごくいい。スタジオに置いてあるものもこだわりがすごくあって、タトゥーアーティスト・スタッフのそれぞれの好きなものをお互いに尊重しあいながらそれを共有する感じ。とにかく見ていて楽しいし、出てくる登場人物全てがかっこいい。
大学生になって、東京の方に毎日出るようになって、活動範囲も増えた。帰りにそのスタジオに所属