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ポゼスの遊山録ータイ編④ー



前回からの続き

いよいよバンコク市内で活動開始!

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多少レートが悪くても空港でいくらかは両替をせよ。今回の旅で得た教訓の一つである。


タイ初日、この日の主たる目的は撮影ロケハンと翌日のアユタヤ行きの切符購入である。ロケハンと言えば聞こえはいいが、要は散歩をするだけだ。道中、使えそうな景色があったら、メモしておこうという位のロケハンだが、気心知れたメンバーと外国の町を歩くというだけでも十分楽しい。

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早朝、寺院の近くをハイテンションな日本人三人組は歌いながらぶらぶらと歩いて行った。

雲はきらきらと朝日をまとっていた。バンコクの朝焼けは旅行中どの日も美しかった。

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ホテルに着いた時はまだ暗かった空もすっかり明けて、南国の日差しが肌にじりじりとなじんでいく。何も食べていなかったので、そろそろ朝飯にしたかったが、丁度よい店がなかなか見つからない。どローカルな屋台は時々あるが、タイに来て一発目、明日からは長い撮影が控えている。食べ物で外したくない。

リーダーは「よし!地下鉄でファランポーン駅に行こう」と言った。

ダイオキシンボーイと本気マジ太は「ラジャ!」と言った。

ファランポーン駅というのは、アユタヤに繋がるタイ国鉄のターミナル駅で、そこに行けば明日の切符が購入できる。そしてきっとターミナル近くにはいい具合に衛生管理された観光客向けレストランがあるだろうと考えたのだ。

リーダーは「マジ太、3人分の切符を買ってくるのだ」と言った。

マジ太は「ラジャ!」と言って、地下鉄の券売機まで駆けていき、そこにいた女性警官になぜか止められて手荷物検査を受けた。

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タイ国鉄 ファランポーン駅には東洋西洋いろんな国の観光客が溢れていた。南国の開放的な旅を体現するがごときリゾートウェアがあちこちに歩いており、ポゼス3人は「ムヒヒ」と言いながら明日のアユタヤ行き切符を買った。

最上等の車内エアコン付き特急券(それでも日本円で1000円ほど)を買ったので残金がわずかになった。これはいけない。朝食の前に両替をせねば。駅を離れ、両替屋へ向かった。

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観光ガイドには『空港の両替所はレートが悪いので、最小限のお金だけを両替して大きなお金は市内で両替しよう』とあった。

ドンムアン空港で落ち合ったマジ太が、数千円両替したでと言ったので、ダイオキシンボーイと私はほんならええわと思い、両替せずに来た。のが間違いであった。

もうすぐ営業開始時刻になる両替屋の前で我々がたむろしていると親切なタイの人が身振り手振りの英語で話しかけてくれた。

「ヤァ! ナニシテル?」

日本語まじりの英語を話す3人組
「イクスチェンジ!」
「キョウハ シュクジツ。ヒルニ ナラナイト アカナイヨ」
「マジカ」
「ダカラ イクスチェンジガ アクマデ カンコウスル イイヨ。オーイ」

タイ人、道端で煙草を吸っているトゥクトゥクの運転手を招集する。
トゥクトゥク、威勢よく走ってくる。

「コイツラ カンコウ シタインダッテ。アンナイ シテヤッテ。(断じてそんなことは言っていない)ソレジャ。」

タイ人、上手へハケる。
日本人3人、突然の展開に困惑した表情。

「サア ニホンジン。ドコヘイク?」
「オーノー。ワレワレ カネナイ。ノラナイ。」
「ワカッタ。500バーツデイイヨ(高い)。」
「ノーノー。オカネナイ。ソレジャ」
日本人3人、上手へハケる。

ハケた先にさっきの親切(?)なタイ人が立っている。
タイ人、驚いた顔で近寄ってくる。

「オマエタチ ナゼ トゥクトゥク ノラナイ?」
「アリガトウ。デモ オレタチ オカネナイ」
「オー…」
「ソレヨリ オイシクテ ヤスイ レストラン アルカナ?」
「スターバックス ハ マダ シマッテイルヨ」
「〇△◆※…」
「◇$@◎…」


特にオチはない。ト書き風にまとめるとこんなことがあった。

会話の前半はチュートリアルだったのか、よくコミュニケーションができたが、最後の方は何だか相手の話が全然分からなくなった。

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ダイオキシンボーイと本気マジ太も調子を合わせて「オーイエス」と頷いていたが、そのタイ人が去ったあと3人とも顔を見合わせ「わからん」と言った。

しかし現地の人と会話をして「コップンカー」と言えただけでも、なんだか旅らしい充足感があった。

午前9時、タイ旅行はまだ始まったばかりである。

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Mt.Pontaro

結局、朝はこざっぱりとしたカフェ的な場所で、一番値段の安いおかゆ状のナニカを食べた。「うむ…まあ」という料理だった。

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