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現代の植民地総督府か? ; 航海日誌No26

 記; QC星人
航海日誌; 西暦2022年07月16日


駐在は、本国から派遣された植民地総督府の役人か?

それとも、現地スタッフの同僚か?


駐在員の交代により、ルールに厳格な現地のQC-GM
(品質管理部長)が、製造技術部門に異動となった。
後任駐在員とは言え、同じ現法への2度目の駐在であり、前回の駐在時には、本国へのプレゼン、品質情報、スタッフ昇進手当など色んな事をされていた。

口が三つで、品質と考える人間が、自分のし易い品質保証(QA)スタイルを取るには、真面目すぎる現地部長は、異動させるしかなかったのだろう。
現地スタッフとは言え、図面規格など是非でしか判断しない部長だから、取り込むネタの提示は難しい。

そんな異動させられる本人から、Lineが来た。
組織変更への人事協議の中で、年内で退職し、田舎に帰って農業をすると、社長に話をしたとの事。
業務を含めた内容だった為、それをLineとは、彼らしく無いと、内心思った。
だが、大変なのだろうと考え、指摘するのは控えた。

Lineの内容は、異動先の製造技術部門は、どんな業務内容で、何人必要か?との相談だった。
思わず、経験も無い新組織に配属され、更に自分で組織を立ち上げるのか?との質問返しをしてしまった。

だが、直ぐ退職なんだから気にするな!とか、私にも製造技術の経験は無いから、とは返信出来なかった。
責任感が強く、真面目なのは知っている。南国のイメージはない。そもそも彼の田舎は、霜の降りる朝もあるし、はく息が白くなる時もある。

何にしても、彼の責任感を全うさせたく、翌日の出社後、会社で確認してメールで返信すると回答した。

品質管理と品質保証で片方の部署だけがあり、1つの部署で双方の業務をする会社がある。
この現法では、生産技術部門名で、製造技術の業務もしていた。簡単には生産技術が工程設計、製造技術が設備維持。

だから、基になるはずの生産技術には、現地GM(部長)もいるし、駐在員もいる。彼らに相談したのか?と質問した処、確認する気は無いとの回答が来た。
人員の話題であり、駐在員協議で異動させられた為、私に相談したとの事だった。

同じ日本人としては返す言葉が無かった。
先ずは、所属工場の製造技術部門の課長に相談した。次に、社外に出せるように情報を、加工し回答した。何せ、同じグループ会社とは言え、別会社である。

帰任後も、他国の人間から本来業務外でも、あてにされた事は、駐在時に良い関係を築けたと、肯定された気持ちになった。
されど、同時に一部の駐在員は、まるで昔の植民地総督府の役人のようだ、との印象も深めた。

図面以外を基準に出荷する事を、社益と考え、是非の基準を道理とせず、上の考え次第とする忖度発想とは、異なる価値観だ。
品質で社会貢献するから、社益となる品質業務だ。
報道される品質不祥事の傾向は、上に物を申せ無い状況で起き、会社にダメージを与えている。これでは社益にならないし、公益にもならないが、そんな現実は多いだろう。

個人の損得か?それとも、所属会社や組織の将来か?
この考え方の相違である。

考え方は、人それぞれだし、是非基準も、人それぞれだ
だか、私個人は、植民地総督府の役人が如き対応には、日本人として、強い恥ずかしさを感じる。

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