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内部監査; ISO9001 & IATF16949 / 欧州二天一流 伍之巻

《 欧州二天一流とは、欧州発祥ISOの脇差を左手に、欧米発祥IATFの大刀を右手で構える品質手法の流派である。》


伍之巻【第一者監査員の構え】


“第一者”に、唐突な構えと感じる方がいるかもしれませんが、内部監査員の事である。
ちなみに、この投稿を目に留めて頂いた方は、文末のレイアウト検査との比較だけが、興味を引く内容かもしれません。


監査やISO関係を生業にされている方々は、下記にて監査を分類されるでしょう。
◇第一者監査
 社内など、当事者による監査、但し、外部に依頼する事も許容される
◇第二者監査
 顧客や下請けなど、利害関係者による監査
◇第三者監査
 利害関係では無いISO無など、第三者による監査


内部監査=当事者監査なので、監査員スキルが高ければ、内情をしっている事から、3種類の監査では1番厳しい監査となる。

されど、第三者とか、当事者との響きから、1番あてにならない監査員と感じる人が多いのでは?
理由の1つは、監査のプロは第三者監査や、顧客(第二者)との監査ノウハウからの印象だろう。
されど、第三者監査員も顧客監査員も監査ノウハウは高くも、監査先の内情は解らない。

されど、日常業務を持ちながらの第一者監査員が、高い監査スキルを身に付ける事は稀だろう。仮に高い監査スキルを持てたとしても、そのスキル発動が出来ない事も既知。
そんな内部監査に関わる方々の既知は、このシリーズ壱之巻冒頭の下記に通じる。

”人としての情けを断ちて、神に逢うては神を斬り、仏に逢うては仏を斬る。然る後、初めて極意を得ん。”
現実の内部監査では、ここに無理が生じる。
つまりは、ISO19011の難しさ。

・人としての情け、この部分に、忖度が入りまくり、断てない。

・神に逢うては、この部分に、監査員より上位職が当ると、断てない。

・仏に逢うては、この部分に、同僚などが当てはまり、断てない。

つまりは、第一人者監査員が断つべき事を断てない。
監査スキルが高くても、第一者監査員では、極意を得られん。
だから、監査の目的より、外部利用も許容されるのだろう。

孫子曰く、
”彼を知り、己を知れば、百戦して殆(あや)うからず”  である。
監査先の内情を知らない第二者監査員や、第三者監査員には、本来はアウェイでの監査である。それが商売の観点から、優位な立場での監査に変わる。

とは言え、ISO監査員なども、監査先の客先相手では、品質マネジメントのハズが、客先ゆえにマネジメント自体には、不適合が出せない現実がある。

と思い来や、数年に1回程、凄い外部監査員にお会いする。前述より、その大半は、第二者監査員の方である。
品質経験豊富な方が、高い監査員スキルを身に付けると、その洞察力が増す為、内情を推察され、手が付けられず、ひれ伏するしかない。

さて、内部監査と題に記しながら、外部監査員対処の奥義を下記。
 
【奥義♯1 転注】
妙なISOやIATF認証機関の監査員相手の場合には、逆ギレしたフリで転注する。
妙な顧客監査員で、更に、売上げや収益の低い顧客の場合には、逆ギレを装い反感を持って頂き転注して貰う。
ひれ伏するしかない本物相手には、奥義♯2で、ほめ殺し。
 
【奥義♯2 ほめ殺し】
この監査員は凄いぞ!監査スキルに、要素技術や経験まで豊富で、見透かされている!
更には真面目で手がつけられないと感じだ場合は、指摘される予定の内容に引き込んだり、言いたい事の先回りで、不足はあるけど精進中ですなど、時間を稼ぐ。

改竄データなど、TV NEWSのネタを見つける監査では無い。
認証先の品質不祥事発生後に、監査はサンプリングだったからと、認証登録を外す行為をする第三者認証機関が、内部監査員の先生です。そこを肝に銘じて、内部監査をすべし?!

内部監査とは、サバゲーであり、実戦ではない事を念頭に!


【秘奥義 レイアウト検査と製品監査】

IATF16949の内部監査要求には、製品監査が含まれるが、これをレイアウト検査と混同されている方を、たまに見かける。

IATF16949規格の説明が、このシリーズだから、ここからが実は本題!?

規格や解説書を見ても、レイアウト検査はQC工程表(CP)に記載すべき寸法検査であり、製品監査は内部監査だから要求自体が違う。こんな説明になっている。

確かに、IATF16949規格の文章からでは、そんな説明になるだろう。

もし、内部監査計画で、製品監査は年1回CPに記載し監査する。こんな方向性でルールの詳細化をしたら、どうだろうか?

何で内部監査をするのかは、IATF16949規格には書いてない。
でも、目的から考えると下記。
QC工程表(CP)とは、工程設計のアウトプットであり、日常管理項目を明確化する標準だ。そこに、レイアウト検査を追加しなければならない。レイアウト検査=図面全箇所寸法測定だから、頻繁には出来ないが、全くしない管理では変化点が有ればOUTである。

さて、製品監査である。
上記でピン来た方、その通り!

内部監査の基本は、客観性の確保である。
つまりは、日常管理に客観的な妥当性確認をするのが、内部監査の目的である。だから、日常管理でのウッカリ計測ミスなどの有無確認となる。


レイアウト検査は、年
1回で設定しても日常管理。
製品監査は、日常管理への客観的な確認だから、同じには成り得ない。

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