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美術館巡り:ミロ&リチ、そしてメトロポリタン②

2軒目
「上野リチ ウィーンからきたデザイン・ファンタジー展」
三菱一号館美術館

身の回りにあるもののデザインをしてみたいな、という気持ちがある。
たとえばこんな景色を見たとき、この美しさを生地とか、何に使うかわからない箱とかに描いて残せたりしないかな、とか思う。
絵にして飾りたいというより、自分の日常にデザインとして取り入れたい。身につけたい。

そう!デザイン。

ミロはアート。
自分の中から溢れ出るものを絵にしたような感じ。
理解されるかどうかなんてあんまり関係ない。
でも、わかってくれる人がいたらうれしいでしょう?

リチはデザイン。
買ったり使ったりする相手への意識がある。
媚びへつらうのではなく
「こんな生地すてきじゃない?」
「この刺繍のバッグ、シンプルなドレスでも光って見えるよ」
「このキャンディボックスにお菓子入ってると、毎日楽しくなるよね」
って言われてる感じ。

ウィーンから来た女性が京都でテキスタイルを発表する…って、いま聞いても、すてきに違いなくきこえる。

展示は、リチさんが所属していた「ウィーン工房」時代のものから始まる。
リチさん以外の作品もあり、その時代のウィーン工房のデザインテイストがわかる。

京都に住んでからは、夫の上野伊三郎さんとともに個人宅やお店のインテリアを手掛けたりもしている。
そして、彼女が活躍していた時代は戦時中も含まれている。
展示にも書かれていたけど、戦時下で外国人女性がデザイナーとして存在できたことが奇跡なのかもしれない。
そこで、こんなに色鮮やかでカワイイものたちが生まれていたなんて、それこそファンタジー。

戦後は、京都市立美術大学(今の京都市立芸術大学)の先生を12年。
ここでは、オリジナリティに対する追求が厳しい先生だったようだけど、人を育てることがリチさんにとっては「アート」であり最も「クリエイティブ」だったかも、とか思うのは邪推かな。

撮影スポット、ちゃんとしてます。

カワイイ!
さらに枠の外もカワイイ!
その上には建物の構造がガラス越しに見えたりする


ちなみにミロ&リチ、同じ1893年生まれなんだね。

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