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映画「ジュディ 虹の彼方に」感想 伝説のディーヴァ最期の迷走に対する、レネーの絶妙な説得力!

どうも。

では、今日もオスカー絡みの映画レヴュー、行きましょう。これです!

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伝説の名シンガー、ジュディ・ガーランドの、あまり詳しくは知られていなかった晩年をえがいた「ジュディ 虹の彼方に」。こちらのレヴュー、行きましょう。この映画で主演のレネー・ゼルウィガーはオスカーの主演女優賞の本命視をされているんですけど、果たしてどんな映画なんでしょうか。

早速、あらすじから見てみましょう。

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話は、ジュディが「オズの魔法使い」で人気子役女優になる、1930年代後半の彼女の思い出が時折挿入される形で進みます。ここでのジュディは、人気もあるし金もあるのですが、スターであるがために、とにかく「ああしろ」「こうしろ」のがんじがらめの規則の中に生き、人間らしい生活をしてきていませんでした。

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そしてときは1968年。当時46歳になっていたジュディ・ガーランド(レネー・ゼルウィガー)はニューヨークで息子と娘との宿泊を、以前の未払いで断られます。仕方なく彼女は、3人めの夫のシドニーのもとにもどることになります。

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彼女はときおりハリウッドに行ってはすでに若手スターになりかけていた、2番めの夫、ヴィンセント・ミネリとの娘、ライザの元に行きますが、そこでジュディは、自分より一回り年下の男性ミュージシャン、ミッキー・ディーンズと恋に落ちます。

そんな折、ジュディにはロンドンでのディナー・ショーのオファーを受け、子どもたちをシドニーにあずけて渡英することになります。

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しかし、そこでのジュディはとにかく不安定でした。数年前に受けた喉の手術の影響もあり、ステージ恐怖症のような状態だったし、この当時には抑えられなくなっていたドラッグの影響で、いいときは絶好調。だけど、悪いときは、客と喧嘩をするは、ステージで倒れるは、の連続。ステージ・マネージャーやバンマスとの仲も悪化。ついには、ステージでの穴開き防止用に、予備の出演者ロニー・ドネガンを待機させられる状況に追い込まれていました。

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気分が晴れないジュディの気持をもり立てるのはロンドンのファンのゲイ・カップル、そして、ハリウッドからはるばるやってきたミッキーのみ。そして、波瀾のステージは続き・・。

・・と、ここまでにしておきましょう。

これはですね

人生で混乱し、ステージでの迷走も囁かれた、1968年当時のジュディの様子をえがいたものです。彼女はこの翌年にドラッグのオーヴァードーズで死亡します。

これが非常に興味深かったのは

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近年、歴史的なディーヴァ2人、ホイットニー・ヒューストンとエイミー・ワインハウス。この2人の、波瀾に満ちた、悲しい人生の最期をえがいたドキュメンタリーが公開されて話題になってましたからね。その記憶がまだ新鮮なうちに、そうしたディーヴァの悲しい人生の末路の、ある意味、先駆的な存在であったジュディのそれを描いたですからね。

そしてこれが

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ジュディが、何の美化もされず、むしろトラブルメイカーぶりがしっかり示されて描かれています!

これ、少し驚いたんですけどね。もう少し、彼女に同情的な描かれ方をするかと思ったんですけど、これじゃ下手すると、ただの気まぐれでわがままな人です。

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そこに弁護の手を差し伸べるとするなら、売れっ子子役だった時代に、大人たちから受けた仕打ち。これがフラッシュバックで入るんですけど、それだけですね。こういうところは、マイケル・ジャクソンを語る際によく使われる手段でもあります。

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あと、興味深かったのは、ジュディと言えば、「かなり早い段階でのゲイ・アイコン」として有名なんですが、そうしたゲイのファンたちとの交友が描かれていたこと。このあたりは、この映画がイギリス制作であったこともあり、逃さず描かれてますね。そして、5度結婚した、浮世離れした恋多き女性だった側面も描かれ、良い母親でありたいと願いながら、できなかったところも描かれており、私生活のフォローはうまいと思いましたね。

そんなジュディを

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レネー・ゼルウィガーが、かなりの説得力をもって演じています!

彼女自身もですね。言っては悪いですが、長らく「落ち目」のイメージ、あったじゃないですか。90sや2000sの前半はあんなに人気があったのに、ここ10年くらいはさっぱりでしたからね。落ち目の上に、整形疑惑。まあ、これは実際にやってしまったとは思うんですけど、これがうまくいかなかったこととかも、その理由になりましたよね。

ただ、そんな彼女だからこそ、この役、ぴったりだったんです!

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今回、風貌自体はそんなに似せてないんですよね。レネーに特徴的な細い目はそのままいかしてますしね。ただ、もう、彼女自身の境遇をジュディの生き様に投影させたような妙にリアルな演技、これがあれば十分でしたね!

この演技に加えて

今回、歌も全部、レネー自身が歌ってますからね。

レネーと言えば

「シカゴ」のロキシー役での見事な歌唱力でも有名ですからね。本領発揮、といったところでした。

この演技を持って、彼女

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今年のオスカーの主演女優賞の大本命です。いまのところ、メインの前哨戦、ほぼ全部勝ってますからね。間違いないと思います。

これは本当に、レネーの熱演見るだけでも十分な価値があるんですけど、やっぱりジュディ・ガーランドといえば、20世紀を代表する大ディーヴァのひとり。少しでも彼女に興味のある人は見て損はないと思います。


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