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ハープーン、アントノフ、キャリー。現在の音楽界で最も重要なプロデューサーはこの3人!

どうも。

今、解禁されたばかりの

マイリー・サイラスのニュー・アルバム「Endless Summer Vacation」を聞いてるんですけど、これ、いいですよ!前作ほどロックを打ち出しているわけではないんですけど、歌唱力が飛躍的にあがってます。前作でも声の圧力はかなり強くなってたんですけど、より押し引き強くなって、バラードでのフォルテになる瞬間の凄みに関しては、アイドルだったこと、思わず忘れますね。

あと、サウンド的には

去年、大いに話題になりましたハリー・スタイルズの「Harrys House」。これに非常に感覚が近いです。まあ、デジタルとかエレクトロを全く使わないわけではないんですけど、基本がバンドの生演奏で、オーガニックなサウンドが主体ですね。これまでアイドルとかセレブの音楽っていったらバックトラック使ったダンス・ポップで当たり前だったんですけど、そこを、元がロック志向のハリーとマイリーが変えてますよね。すごいことだと思います。

この2枚、手がけているプロデューサーが同じです。それが


キッド・ハープーンですね。イギリス人の彼はもとがシンガーソングライターでもデビューしてたようなロック系の人で、これ以前にフローレンス&ザ・マシーンの共作者として知られていました。

ハリーをソロ・デビューのときから手がけて成功させたことですごく名声が高まってる中、ハリーがキングならマイリーがクイーンとばかりにケミストリーを起こそうとしてる最中ですね。

ハープーンの最近の仕事なら

マギー・ロジャースの去年の脱皮作「Surrender」もオススメです。フォーク&エレクトロなありがちな感じだったところから、テイム・インパーラ的なスケールの大きなサイケ感と、彼女自身のパワフルな歌声とともにサウンドが大きく進化してます。去年の裏傑作のひとつでした。

 ハープーンがいるおかげで、メインストリームのポップが大きくロックに接近してますね。去年のハリーのアルバムもバカ売れでしたけど、マイリーも先行シングルの「Flower」、この2ヶ月ずっと1位だったわけですしね。アルバムもかなり売れるでしょう。

 今、ハープーン、覇権とってる感じですけど、今、音楽シーンを代表するプロデューサーって、3人いると僕は思っていてですね。

もうひとりが


ジャック・アントノフですよね。彼の場合は、もっぱら女性アーティストが主体ですけど



やっぱ、2017年のLordeの「Melodrama」、2019年にラナ・デル・レイの「Norman Fucking Rockwell」と、その年の年間ベストクラスのアルバムを手がけたあと、昨年にテイラー・スウィフトの「Midnights」でガツンと当てました。彼も、アートでインディっぽかった感性を女の子の側からポップに近づけて変えた点では貢献大きいですよね。

彼はこのほかにも

クレイロやフローレンス&ザ・マシーンと好作品を出し、去年はついに男性アーティストに進出してThe 1975の共同プロデュース。さらに今月末には待望のラナ・デル・レイの新作も手がけてます。

それからさらにひとりあげるとしたら


ダン・キャリーでしょうね。彼はまだポップにそんなに近づいている感じでなくて、UKロック上で重要なプロデューサーの位置付けではありますが、見逃せない人です。

彼はBlack Midiとかスキッドといった、サウス・ロンドンのポストパンクシーンのイメージが強く、そっちで語られがちですけど、やっぱり最大の功績は

やはりフォンテーンズDCをデビュー当時から手がけていることですよ。去年のサードアルバム「Skinty Fia」は世界のどのメディアでも年間トップ10クラスの絶賛ぶりで、ヨーロッパ圏ではもうどこの国でもトップ10の人気。もう、アメリカと日本を残すのみの大きさになってます。

それから

Wet Legを世界的にあてたことが大きかったですね。去年のグラミーで2部門受賞したことや、ハリー・スタイルズのワールド・ツアーの前座をしたことがかなり大きく、彼女たちをきっかけとしてポップにも近づいてますね。

それから

UKヒップホップ界にも手を広げてスロウタイのプロデュースまで手がけました。


この「UGLY」って先週出たばかりのアルバムですけど、素晴らしいんですよ、これが!もう、遠慮なしの思いっ切りなポストパンクで(笑)。これにつられて、もとから小さなスケールに収まらないラッパーだったスロウタイのこれまで出てなかった潜在能力まで引き出されて。これぞ本当のケミストリーですよ。マニアックにも思えた音楽性がここまで波及しうるの、画期的ですね。

ハープーン、アントノフ、キャリー。大げさな話でなしに、この3人の作品聞いてるだけで、今の世界の音楽シーン、だいぶ見えると言っても過言じゃないですね。

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