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METAFIVEアルバム発売中止に伴い、もう一度冷静に考えて欲しいこと

どうも。

本当は別のことを書く予定だったのですが、ちょっとこれは問題だと思えることが浮上したので、こちらを書かせてください。

それは

はい。小山田圭吾氏がメンバーのひとりでもあるMETAFIVEが8月に予定していたニュー・アルバムの発売を「中止」しました。

 注目していただきたいのは「延期」でなく「中止」であることです。さすがにこれは、僕もあまりにも納得がいきません。

 今の社会的なバッシング状況の中で「延期」は仕方がないとは僕も思います。購入すること自体が社会悪ともとらえられかねない状況ですからね。タイミング的によくないと思います。

 しかし、「中止」というのはどうなのでしょう。まず、多くの人が反論として真っ先にあげるであろう「他のメンバーには全く関係のないことなのに、なぜ連帯責任を」というのももちろんあります。これだけでも十分に行き過ぎです。

 ただ、僕はこの、実質「処分」と解釈していいような気がします。これがなぜ問題なのか。ちょっと言及しようと思います。

 日本だと、たとえば薬物逮捕があったときでさえ発売中止処分とかにしますよね。あれ、国際感覚でいえば非常におかしなことです。「人に罪はあっても作品に罪はない」の感覚があるためです。

 実際に

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ポップ・ミュージックにおける最大級の犯罪者であります、左からフィル・スペクター、Rケリー、メタル・バンドのアイスド・アースのギタリストでありますジョン・シェイファー。いずれも殺人、連続強姦、大統領認証の瞬間での議事堂襲撃というかなりの重罪ですが、この人たちの作品が発売中止になったり、サブスクから削除されたなどという話は聞いた事がありません。

 これに比べて小山田氏はどうなのでしょう。そもそも裁判で有罪どころか刑事起訴さえされていませんよね。加えて、虐待行為は当然悪いし僕も全くもって肯定しないのですが、問題になった2つの雑誌を読む限り、虐待行為に及んだのは未成年、しかも中学生までの話ですよね。しかも30年以上も前の。こうした事実が忘れ去られ、あたかも写真の人たちと同様に扱われるというのはどうなのでしょう。

発売中止、あるいはその後、関連作品がいっさい発売中止やサブスク削除なんて処分になれば、上記の人たちよりも処分が悪化する可能性さえ、今の状況ならあります。

・・・と、ここまでの反論は僕でなくても多くの人がするかと思いますが、僕にはまだまだ納得がいかないことが、この件ではあまりにも多すぎます。

それは今回の小山田氏の件が、世界のどのポリコレ炎上案件の中でもきわめて前例のない、不可解な炎上だからです。

どういうことかと申しますと、「ポリコレとしての追及手順」があまりにもこれ、変なんです。

というのはですね、僕、音楽語ることのほかに、ブラジルのニュースの翻訳とかしていて、裁判案件なんかもかなりやってて、その経験上から言わさせてもらいます。

 まず、今日、「ポリコレで炎上」といった場合に、追及を行う人が根拠とするのは「録音」「録画」「問題となった本人がSNS上で自分で書いた発言」「訴訟を起こした人の訴え」、このうちのどれかなんですが、小山田氏の件の場合、これにあてはまるものがひとつもないんですよね。

 今のポリコレでの訴えというのは、昨日の投稿でのダ・ベイビーのLBGT差別発言のように、しっかりとした証拠をもって行うのが普通なんですね。あれなんかはなんの編集もしようのない、まぎれもない証拠です。

 ところが小山田氏の場合、根拠となるのが「雑誌で本人が言ったとされる言葉」でしかないんです。録音も録画もない。しかも、本人が直接書き記した言葉ではない、他人が書いた言葉。ということは「正確さがあやふや」なんです。

 それに加えて、これ奇妙なのは、「虐待を受けた被害者、小山田氏とともに加害をした人たち、その光景を見ていた人たち、あるいはそういう噂があったことを学校内で聞いていた人たち」、こういうものの存在が全く見えてこないことなんですよね。

 だって考えてもみてください。これ仮に、虐待を受けた人が小山田氏を訴えたいとします。その場合、普通、警察が調べるのは、今僕が「存在が見えてこない」と言っていた人たちなんですよね。だって、そうでしょう。「存在が確認されない行為」について調べようがないんですから。だったら、被害者、加害者、傍観者に聞くしかない。

 これ、取り調べだけじゃなく、テレビのニュースなんかでもそうですよ。まず、そういう実態が存在したのか、普通、「当事者」からあたるものなんです。「それを報じたマスメディア」ではなく、ですね。僕がよく見てるブラジルの報道番組のパターンから考えれば、これが普通の感覚です。

 断っておきますが、「だから虐待がなかった」などとは僕も全く思っておりません。本人が「やった」とずっと認め続けている限り、それは必ず存在すると思っています。疑問の声を客観的に挟むと、すぐに「オール・オア・ナッシング」でもあるかのような単細胞な反応をする人がいるものですが、先に釘を刺しておきます。この部分で反論投稿しても削除するだけです。


 そうした、「当事者不在」のまま、虐待疑惑が進行していることに関しても僕はかなり不思議な感覚を抱いているのですが、では続いて、多くの方々が虐待疑惑の根拠にした「雑誌」、これについて語っていきましょう。

 僕は先日

この投稿で、クイックジャパン95年3号で「原文を読むとかなり印象が変わる」と書きました。実際問題、それが良い方向にも悪い方向にも「変わった」という意見が、これ、圧倒的でした。とりわけ「沢田くん(仮)とは友人の関係だった」「村田くん(仮)をぐるぐる巻きにしてオナニーをさせていたのが小山田氏ではなく、留年した先輩だった」。これが判明しただけでも、そうとう印象が変わったと語る人を実際に多くみましたからね。

それくらい

「まとめサイト」的な、切り取られた状態のものを、一般の人々だけでなく、マスコミまで信じ切って報道していた


 このことがすごくショックだったんですよね。だって、上に書いた、今日の「ポリコレ追及に必要な証拠」の要素を何も満たしていない上に、その「元となる証拠源」とされた「雑誌」まで「省略されたまとめサイトの情報」だったわけですからね。

 本当にこれはしばらく落ち込みましたよ。「報道として、なんてレベルが低いんだ」と。

 では、今度は「雑誌の信ぴょう性」について語りましょう。

五輪の音楽の担当を受けた際の小山田氏、そして女性自身の取材を受けた事務所社長、この2人ともに「事実と違う事が書いてある」と言ってますよね。

 これに対して、特に小山田氏の声明に対し「この期に及んで人のせいにするのか」と、反論を認めないかのような怒りの反応をたくさん見ましたが、正直、この読者反応は不適切です。

 だって、この世の中、どんな裁判でも「被告側の証言を認めない裁判」などというものは存在しません。どんな人にとっても言い分というものは存在する。それを認めないという行為はそもそも民主主義的だとは言えません。

 で、僕もこれ、クイックジャパンとロッキン・オン・ジャパンを読み比べたときにですね、強い疑問があるんですね。

 それは

果たして、ウンコは本当に食べさせたのか

ということです。

 不思議なのは、クイックジャパンの文責担当の方が、「ROJでのうんこを食べさせた記事」に興味を抱いて取材を申し込んだはずなのに、いじめを語る小山田氏から、ここだとそのエピソードが出てこないんです。おかしいと思いません?だって、取材の動機になったことですよ。読者としては、そここそが優先的に知りたかったはずのことなのに、なぜ、それが書かれてないんでしょう。しかも、そのほかのたいがいひどいことは書かれているのに。

 また、この文責者はこれを書いた当時に24歳のかけだしです。となると、文責をさらに編集長が担うわけですけど、「おい、うんこはどうしたんだ?」ということに、なぜならずに、そこがフェイドアウトしてるのか。

 考えられることとしては「その話は最初からなかった」、あるいは「小山田氏がもっと酷い話を隠してて、その企画でその人に会いたくなかったからしなかった」、この2つしか考えられません。

 ただ、ロッキンオン・ジャパンにも気になる点がありまして。それは

小山田

小沢

小山田氏が例の「うんこ発言」をした次号で「あのインタビューは後悔している」と語っていて。この時点ですでに不満のいったんが垣間見れる点で気になります。それに加えて、それ以前に小沢健二氏が「事実にないことを書かれた」と誌面で訴えたりしてるんですよね。

 前者では「うんことかバックドロップは別にいい」とも書いてあるんですが、これが何を意味するのか。「そこはまさか文章に入れるとは思わなかった」なのか「それは盛りすぎだけど、まあいいか」なのか。

 あと後者で気になるのは、ROJは「事前に原稿チェックさせない」方針を貫いているという話をいろんなところで聞くにもかかわらず、こういう苦情をミュージシャンから起こされたことがあった、ということです。

  個人的にあまりメディアを疑ったりはしたくないですが、一応、気にはなるので。

こういう話だと

MIAが2010年に「事実と違うことを書かれた」としてニューヨーク・タイムスを訴える構えを見せたんですけど、このとき、編集側が完全に録音をチェックして「書き間違った部分がある」と書いたものの、それはMIAが主張した箇所と全く違っていた、つまり、録音証拠で言ったことは全部事実だったことを証明してMIA撃沈という話があったんですけど、ROJ側にそこまでできる感じがあるのかは気になるところではあります。

 まあ、とは言え、「小山田氏本人がレコーディングの合間、中断して協力までした」とされるクイックジャパンでもですね、「いじめた側といじめられた側の心理分析」という難しい企画を駆け出しのライターにやらせてしまったこと、小山田氏の発言でも村田くん(仮)にやったことはオナニーさせた人の主語が違ってもアウトかなとは思うんですけどね。僕はいじめそのものに、するもされるも関与した記憶はないので、読んで「嫌なヤツ」とは思うのですがQJでの証言だけを読む分にはサイコパスまでだとは思わなかった、というのが実感ですね。

 あと、仮にサイコパスなら、たとえばここ20年くらいで「嫌なエピソード」くらいは浮上しそうなものなのに、そういう情報が流れてきてないのも気にはなるところです。「業界内で孤立していた」とか「政治的な発言が不快だ」とか「息子の言動に問題がある」とか、そういう類の。そういうのが、僕の個人的な情報摂取によるものなのかもしれないけど、聞いたことないですね。息子さんのトランプに関してのコラムなども読みましたけど、少なくとも弱者をいじめる側の人ではないことは個人的に確認させてもらったりもしています。「家族は関係ない」とかって思うでしょ?ブラジルの大統領なんて子供含めてみんな最低のヤツで有名だったりするので、意外に関係あると思ってます。

 そんな感じでしょうか。もう、ちょっとしばらくはこの話、書かないでおきたいですけどね。

 最後にひとことだけ。僕は普段、ポリコレ追及、どっちかというと、する方です。でも、それにはしかるべき手順があり、それは絶対忘れてはならない。その主義です。小山田氏に関しては、1996年に仕事をやって3度だけ会った事があり、そのときの印象は悪くないものの、だからといって特別ファンだった経験はないです。そのことも読む際の参考にしていただけると幸いです。









  










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