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全オリジナル・アルバム FromワーストToベスト(第25回) オジー・オズボーン/ブラック・サバス(在籍時のみ) その1 20位から11位

どうも。

今日は久々にアルバムの「From ワーストTo ベスト」、やりましょう。

お題のアーティストはこの人です!

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ニュー・アルバム「Ordinary Man」を発表したばかりの’プリンス・オブ・ダークネス’ことオジー・オズボーンですね。彼のソロだけでなく、ブラック・サバス在籍時も含めたオールタイムのアルバム・ランキングで行きましょう。

僕はこう見えても、オジーってソロも含め、嫌いだった時期がありません。ライブもソロで2回、サバスで1回見てます。サバスはやっぱりグランジつながりで、ルーツとしてかなりの数聞いてますね。ただ、僕の場合、メタルヘッドではないので、一般のメタルファンが行うランキングとはやや趣が異なるので、そこはご注意ください。

あと、ブラック・サバスで以前、この企画やろうとして準備したことがあるんですけど、そのときに上位がオジーのときばかりになっちゃったんですね。それで一回オクラにさせて、オジーが次のアルバム出すまで待っての企画でもあります。

では早速、ワーストから行きましょう。

21.The Ultimate Sin/Ozzy Osbourne (1986 UK#8 US#6)

ワースト1は「アルティメット・シン」。これはリアルタイムでのヒット・アルバムなんですが、オジー自身が大嫌いなことで有名で、僕も同様の意見です。これ、「ポップだからよくない」と一般に言われがちなんですが、それよりはむしろ「テンポ」が変なんですよ。なんか、この当時アメリカで大流行だったヘアメタルの影響下にある「タン、タン、タン、タン」って4部音符叩きつけたみたいなリズムで、死語で言うと「イェー、ノってるかい?」みたいな曲調なんですよね。これって、基本、早いリズム取れないオジーには全く合わないリズムなんですよね。オジーはBPM遅めのうねるナンバーがやっぱりベスト。ジェイクEリーがこのアルバムまでのギタリストとしてのつきあいだったのも、やむないかなといったところです。ただ、ヒットした「暗闇にドッキリ」は邦題効果もあって記憶に残りますけど。

20.Never Say Die/Black Sabbath (1978)

ワースト2はサバスでの、長い間、「オジーでのラスト・アルバム」とされていたものです。内容はこの前作に似た、新しいモードを模索中のサバスという感じで悪くはないのですが、いかんせん、これ、当時、ドラッグとアルコールの中毒がひどくレコーディングどころじゃなかったところを、本人の意思不在のまま進行したアルバム、ということで、ファンとしてはやっぱり印象はよくありません。他のサバスのアルバムの中で印象に残るものもありませんしね。

19.Black Rain/Ozzy Osbourne (2007 UK#8 US#3)

18位は2007年のアルバム「Black Rain」。この時期は、ちょっと倦怠期だったのかな、と思わされますね。世間一般的に「ソロのオジーらしさ」をなぞっただけの作品、という印象で、新しいことがなされてません。この時期に本当はサバスのリユニオンのほうがやりたかったのかな。なんかオジーのj本気があまり感じられないアルバムなんですよね、個人的に。

18.Down To Earth/Ozzy Osbourne (2001 UK#19 US#4)

続いて、その前作にあたる「Down To Earth」ですね。MTVのリアリティ・ショー「オズボーンズ」が放送されていた時期の最新作がこれですね。この当時、ニュー・メタルのブームなんですが、これの前作がさんざん「オジーがグランジに走った」風な言われ方をされがちなんですが、それをいうならむしろこっちですね。ザック・ワイルドがすごくリフ中心になり、彼特有の「ギヨヨヨヨーンッ!」っていうギターの歪みを抑制して作った印象がむしろこっちの方に感じます。オジーとザックの場合、ギター・サウンドはもとからダウン・チューニングで影響を与えた方なんだから、無理にそっちに合わせる必要、なかったんですけどね。

17.Under Covers/Ozzy Osbourne (2005 UK#67 US#134)

続いては2005年発表のカバー・アルバム。これ、メタルファンの間では評判は良くないんですけど、どのアーティストでもルーツ知るのが好きな僕としては嬉しい企画だし、むしろメタル外の60sのUKロックが目白押しなのが個人的にはかなりツボです。ムーディ・ブルースがまだブリティッシュ・ビートのバンドだった頃の「Go Now」とか、アーサー・ブラウンの「Fire」とか、モット・ザ・フープルの「すべての若き野郎ども」でボウイとのリンクがつながったり。さらにいえば、かねてから大ファンのジョン・レノンの曲がかなり多めに入ったり。あのトレードマークの丸いサングラス。あれは間違いなくジョン・レノンに由来してますからね。そういう発見や確認がある意味でこれ、好きなんですよ。

16.Scream/Ozzy Osbourne (2010 UK#12  IS#4)

16位は2010年の「Scream」。これは、ザック・ワイルドのヘヴィなリフは使いながらも、メロディとか曲のパターンから鑑みるに、「本当は脱メタルしたいんじゃないの、オジー?」ということが感じられ、新しいことやろうとしてるのかな、と思わせる一作です。このあとにサバスのリユニオンやって、その次が冒険作となった最新作でしょ?もう、あらかじめ、その後につながる要素はここにあったんじゃないかと思わせる作品です。

15.Diary Of A Madman/Ozzy Osbourne (1981 UK#14 US#16)

これがおそらく、「ありえないくらい低い!」と思われる方が多いんじゃないでしょうか。ソロ第2弾の「Diary Of A Madman」。これはですね、「ランディ・ローズがギター弾いてるのに、こんな順位、ありえないだろ?」という人が多いところだと思うんですけど、これ、いくらランディがギター弾いたところで、曲が良くないんですよね。歴史的傑作となった前作から1年くらいでリリースしてるでしょ。だからこれ、「ツアー用にもう少し曲がほしいから」の勢いで作った、新曲というよりは「ファーストのあまりトラック」というか未発表曲集みたいに聞こえるんですよねえ。事実、ここからの曲、オジー自身がその後のツアーでここからの曲を積極的に選んでなく、披露しないで終わったツアーのほうがむしろ多いですからね。ジャケ写とか、アルバム名やランディが与える印象ほどにはいいアルバムではないと思います。

14.Technical Ecstasy/Black Sabbath (1976 UK#13 US#51)

これは「サバスでの問題作」と言われたアルバムですね。サバスのトレードマークのヘヴィなうねりから脱して、軽快なリズムで作ったアルバムですね。制作時期から考えて、パンクロックはまだ聞いているはずはないと思うんですが、軽く短尺な曲が多くなっていることから、無意識にそっちの方に近くなってますね。トニー・アイオミはフォリナー意識してたらしいというのは、記述で残っているんですけどね。ただ、「サバスらしくない」アルバムとは言え、その方向性のアルバムとしては曲は悪くないです。「Dirty Woman」みたいに、リユニオン・ツアーでもプレイしてる曲があるくらいなんで。あとビル・ウォードの歌うバラード「It's Alright」みたいな予想外の好ナンバーもあるなど、結構発見もあります。あとオジー、「このときに脱退を考えてた」というんですけど、これと次作は「ソロへの布石」として聴いたほうがいいかもしれません。

13.No Rest For The Wicked/Ozzy Osbourne (1988 UK#23 US#13)

13位は「No Rest For The Wicked」。これは「アルティメット・シン」での路線から立て直して、本来のオジーらしい路線に戻したアルバムですね。前作って思うにこれ、シャロンの「今はアメリカでメタルブームが来そうなのよ。若い人にアピールしなくちゃ、オジー」のディレクションによるものだったのかなあ、などとも思うんですが、オジーよほど嫌いだったのか、ここでのテコ入れはかなりのものです。そのひとつが、まだ当時21歳だったザック・ワイルドの加入。ここでオジーらしいダウン・チューニング・サウンドが戻ってきます。加えてサバス時代の盟友ギーザー・バトラーが加入したのも大きかったですね。彼の場合、ベーシストとしてよりも、むしろ作詞家で。本当の黒魔術体験者の彼の書く、ホラー、オカルト用語多様の歌詞はオジーのロックそのものにリアリティ与えますからね。もう少し上でも良かったと思わせる好アルバムです。

12.Sabbath Bloody Sabbath/Black Sabbath (1973)

12位は「Sabbath Bloody Sabbath」。これも「低い」と思われる方、いるかもしれません。タイトル曲が有名ですしね。でも、その印象の割にアルバム全体で聴くと、他に強力な曲が見つからない作品でもあるんですよね。これの前作「Vol.4」からサバスは、「硬質なヘヴィ・リフ路線」にプラスアルファしたサウンドの拡張を目指していて、それはオーケストラやシンセの導入だったりもするんですけど、その成果が出たのは本作ではなく、むしろこの次作ではないのかな、と思っているので、そっちの方を順位、上にしてます。

11.Ozzmosis/Ozzy Osbourne (1995 UK#22 US#4)

そして11位。僕はこの位置に「過小評価」と思えるアルバムを置くのが常なのですが、それでいうとそれに当たるのが、1995年発表のこの「オズモシス」ですね。これ、レッチリやサウンドガーデンてがけたマイケル・バインホーンがプロデュースなので、「オジーがグランジやオルタナに走った」という早合点をしてる人、いまだにいるんですけど、グランジにつながるヘヴィ・リフの創始者はサバスでありオジーなんだからそれに別に違和感はないし、むしろ、グランジが当たり前になった中で、音像をそこにあわせながら、普段どおりのメタル実践した意味ですごくよくやったアルバムだと思うんですけどね、これ。「Perry Mason」なんて、こないだサンパウロのロック系ラジオ曲で流れてましたけど、全然古くなってなく、グランジそのものの代表曲と並んで聴いてもかっこよかったし。ザック・ワイルド、この当時のダウン・チューニングのメタル・ギタリストとしてはパンテラのダイムバック・ダレルと双璧だったと思いますよ。彼参加の最初の3作は評価されてしかるべきだと思います。

あと、引退宣言していったん家族との生活に入った後ゆえの「Aimee」って曲はほほえましくて好きですね。まだ、当時ティーンにもならない娘に対して「どうして機嫌が悪いんだい。悪いことしたなら、謝るよ」というオジーが可愛すぎて好きです(笑)。

では、明日はトップ10、行きましょう。


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