「Loveless」や「石と薔薇」が全英トップ10に入るのに要した月日は?
どうも。
全英チャート、一つ言ってなかったことがあります。
それは
マイ・ブラディ・ヴァレンタインのシューゲーザーの名作「Loveless」が、新装再発されまして、そのタイミングで全英初登場7位を記録しました。
これ、彼らにとって記念すべきことです。なぜなら、
今回で初めて、全英トップ10アーティストになった!
このアルバムにまつわる数々の伝説を聴いてきている立場からすると、本当に意外ではあるのですが、事実です。
このアルバムが全英トップ10に入るのに何年を要したか。それは実に
30年!
いや〜、すごいことですよ。30年ものあいだ、発売された当初以上に聴かれていた、ということですからね。「Loveless」、チャートにこそは入ってきてはいませんでしたけど、音楽を志すタイプの人なら誰しもが通ってる作品ですからね。
これまでの最高位は24位だったんですけど、もうこれからは7位です。
他の国でも、これたとえばオーストラリアでもトップ10に入ったり、ドイツでもトップ30に今回入ってますね。おもしろいことに2012年の再発のときには日本で18位、そして、あまり欧米ものがチャートに入る印象のない韓国でさえトップ50に入ってるんですよ!韓国、シューゲイザーのインディのバンド、結構盛んなんですけど、こういう影響があるんですね。しかも、なんでこう、アジアで影響力があるのか。そこは不思議なところでもあります。
そして今回の再発に伴い
その一つ前の「Isn't Anything」、こちらも22位に入って、同じく最高位更新です。
また、2013年にネット上リリースになった「mbv」も今回リリースになったので44位に初登場しています。
こういう現象がほかに起こった有名な例としては
ストーン・ローゼズのファースト・アルバム「石と薔薇」の存在があります。
これの今日のの公式の全英最高位は5位ですが、これも長らく別の最高位で知られていました。
1989年からしばらく、このアルバムの最高位は19位でした。「UKロックのシーンを変えた」とまで言われたアルバムということを考えると意外なまでに低くありません?
それが2004年に更新されました。このときに再発盤がリリースされたのですが、そのときに9位を記録。ここまでに要した月日が
15年!
さらに2009年の再発盤で、それがさらに上がって5位。これも実に20年がかりで全英最高位を更新した、というわけです。
まあ、これ、言い換えるならば、いかにこの当時のUKインディ・ロックの一般人気が不思議なくらい低かったか、ということでもあります。マッドチェスターもシューゲーザーも、熱心な人にはかなりの熱狂は当時からあったんですよ。ただ、それが頂点に達する前にグランジの世界的ブームが起こったことで途絶え、さらに空前のブリットポップ旋風が巻き起こってしまった。
実際の話
こういう認識の人、多いんですよ(笑)。これは僕の入ってるfacebookのインターナショナルなインディ・ロックのファンページで見つけたんですけど、「十分な人気が得られなかった」と恨み節のシューゲーザー・ファンのまあ、多いことね。その思いがあるから、今日まで語りつがれ、今に至るパワーがある、ということなんだと思いますけどね。
いずれにせよ、「本当に語り継がれる名盤」というものが、こういう形であぶり出され、「カルチャー」として残っていくのはとても素晴らしく、大事なことだと思います。
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