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現在の日本の子供たちがなぜ洋画、洋楽に触れにくくなっているかの要因について

どうも。

ワクチン3回目接種の副作用が出て、土曜は38度の熱で1日寝てました。今は腕と腰の痛みはあるんですけど、熱は平熱に戻りました。

この副作用でお休みにしようかとも思ったのですが、ちょっとこのところ、分析系の記事を書けていなかったなと思ったので、ちょっと書いてみようと思います。

これ、すでにツイッターで書いたことではあるんですけど、ここでもやろうかと思います。

2日前、ツイッター上でこういう資料を見つけました。

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はい。日本の動画サブスクでの人気作品を集めたものですけど、笑っちゃうくらいに日本のものばかりで占められています。

サブスクっていうのは、国際的なサービスであることがほとんどで、いわば海外カルチャーに触れる絶好の機会です。これがここまで生かされてないというのは悲しいものがありますね。

 ただ、これを見ていて、「もしや」と思ったことがあったので、それについて書きたいと思います。それは

日本と、他の国の子供、一体どこでカルチャー認識にズレが生じてしまうのか

ということです。

僕はこれこそが、今の日本に於ける洋楽、洋画離れの根本的原因があると踏んでいます。ここが改善されない限り、この傾向に歯どめかけるのは無理だろうとも思っています。

では、語っていきます。

①国産の子供向けコンテンツがあまりにも充実しすぎている

一つは、まず、これだし、結局のところ、これが及ぼしている影響が強いんですよね。

日本は、漫画やアニメの国際的な供給国として有名ですよね。僕の住んでるブラジルでも、何らかの形で放送や映画の公開もあって、ファンもかなりの数、いるものです。

そういう状況である故、子供向けのアニメ、日本だと全部国産で当たり前ですよね。それは僕が子供だった1970年代でさえそうでしたから、誰も疑問の余地を挟むこともないでしょう。

ただ、これ、他の国の子供からしてみたら、国産のコンテンツなんて皆無なんですよ。日本、もしくはアメリカのアニメからの輸入がほとんどです。

ブラジルの国産のアニメなんて、もう極めて限られてます。一つ伝統的に人気のものはあるんですけど、せいぜいそれだけであとは輸入ものばかり。というか、他の国だとそれが当たり前なんです。

だから結果として、他の国の子供たちは小さな頃から外国文化に触れざるをえないんですよね。ここでまず最初に、「国の外の文化への興味」が生まれるんですけど、日本だとこの過程で自国文化のものしか触れないからそこが弱ってしまうんですね。

 この文章書くにあたって、ネットフリックスに入ってる「鬼滅の刃」「ヒロアカ」「ジョジョ」「ONE PIECE」「NARUTO」もチラリと見てみました。ぶっちゃけ、作品そのものに何の罪もありません。それどころか、「こんなにも充実した作品がいっぱいあったら、自然とこっちの方、見ちゃうよな」とも思いました。

 この少年ジャンプの漫画を当たり前のように享受している子供達にとって、例えばアメリカのアニメを見る必要性がない。そうも思います。

が!

それこそが落とし穴になってるんですよね。

というのも、ブラジルの子供もそうなんですけど、他の国の子供はディズニー、ピクサー、ドリームワークス、イルミネーションのアニメ、当たり前のように見てるから。

 もう、一般層のアニメのシェアで言ったら、こっちの方が圧倒的です。日本のアニメも、例えば「鬼滅」「ヒロアカ」も近所の映画館でやってましたけど、公開期間がディズニーのそれと比べたら半分の長さもない期間なんですよね。どんなに人気があっても、日本のアニメだとオルタナティヴ・チョイスというか、熱心なファンは目立つけど一般層に大きく浸透しているものではないんですね。たとえて言うならBTSが大ブレイクする前のKポップみたいな状況です。それが決定的なブレイクのないまま、もう何年も続いている。そんな感じでしょうか。

 では、「日本のアニメとディズニーを中心としたアメリカのアニメ、何が決定的に違うか」、今度はそれについて語りましょう。

②アメリカのアニメはミュージカル要素が非常に濃厚で、洋楽の入り口になる

僕がディズニーとかイルミネーションのアニメを子供にお勧めしたいのは、ズバリこの要素があるからなんですよね。

これはさすがに日本の皆さんにもお馴染みですよね。

でも、それだけじゃないんですよ。

「モアナ」も「ミラベル」もビルボードの総合チャートでアルバムがトップ行くくらいの人気作になるんです。これ、聴いてるの、ほとんど就学前の子供から小学生なんですよね。ここで日本の子供との大きな差が、まず生じてしまうんです。

それだけじゃないですよ。

こんな風に、昔のヒットポップスから、最近のヒット曲まで、混ぜるの絶妙にうまいんですよ。これがすごく、子供達にとっての音楽教育として機能してるんです。

だからうちの子供でも、70〜80年代のヒット曲、ここからすごく学んでます。僕は10歳で洋楽聴き始めたんですけど、うちの9歳の上の子、母親のカーステと、こういうアメリカのアニメから洋楽の知識、ものすごく得てますからね。僕の10歳の時なんて比べ物にならないくらい物知りです。

 ところが、これが日本のアニメになると、さっき名前を挙げたもの、いろいろ見た結果、残念ながら音楽の使い方がよくない。オープニングかエンディングにさらっとかかるだけ。しかも、本来の意味での「子供向け」の曲になってない、ごくごく普通のJポップでしょ。こうしたアニメから、広いファン層に向けた音楽カルチャーが生まれるとは正直思えないし、仮にそれが生まれたとしても、国際的な感覚はこの時点で全く身につかない。自分が9歳と5歳の子育てしてるから、こここそが一番もどかしいんですよね。特に自分から教え込まなくても、アニメ見てるうちに自然と国際的に通用するポップ・ソング覚えてくれる環境があるのと、ないのとではあまりにも違うから。

③邦画のシェアの拡大


 幼い時に国産のコンテンツばかりで育つことになる日本の子供たちですけど、「ならば思春期の時分で関心を外に広げれば」と思うじゃないですか。ところが、この時期も日本は、昔に比べたら関心を国の外に向けさせるのが苦しくなってます。

それは邦画のシェアが日本でかなり大きくなってるから。

 僕の中学生の80年代頃だと、映画ってもうほとんど「洋画しかない」くらいの状況で、邦画そのものが死んでたんですね。大げさな話じゃなく「映画館行くのに邦画なんてわざわざ見ないだろ」みたいな、極端な状況、実際ありましたからね。だから自然と、この時点で外国の映画に興味を持ちやすかったんです。

 ところが、その後、邦画が再生したことで、今や邦画の方がシェア、3分の2くらいまで上がってますよね。僕らの頃は洋画が3分の2くらいだったのに。

 幼い頃に日本のアニメで、思春期超えたら邦画。これじゃ、いつ海外コンテンツ見るんだよ、って感じですよね。

 また、ブラジルの例に戻りますけど、映画の分野でもブラジル、国産だけでコンテンツ埋めれるだけの力は全くありません。そういう国はブラジルだけではありません。ほとんどの国がそうです。

 日本は子供向けコンテンツも邦画も自給率が高いです。それはそれで、一つの国の文化としてはかなりすごいことではあるのですが、そういうことができる国が他にほとんどないがゆえに、他の国より、国際感覚がどうしても鈍くなってしまう。この危機があるんですよね。

④「文化先進国への憧れ」の欠如

そして、ある時期の日本に決定的に欠けてるのがこのポイントです。

ブラジルだと、GDP、トップ10前後なのでそれなりに先進国なのですが、それでも「アメリカやヨーロッパに比べたらブラジルの文化なんて全然ダメだ」という考えがすごくあります。だから、彼らからしてみたら、英米の音楽や映画を楽しむなんてことは当たり前なんです。

 日本にも、それは昔、実際あったし、80年代頃までは顕著でした。だから謙虚に熱心なファンが育ちやすい背景があったんです。

が!

 これがバブルの時に崩れてしまったんですね。あの時代に日本、すごく自信を持ちすぎちゃって、外国の文化に憧れるということを忘れてしまったんですよね。

 外国に住んでみて思うんですけど、こういう感覚に陥ってる国そのものが他の国にないんですよね。さっきも言ったようにブラジルでさえもアメリカン・カルチャーへの憧れ、根強いですから。他の、もっと経済状況良くない国ならなおさらですよね。

 これも日本が、他の国より文化鎖国性が強くなっている要因でもあります。

⑤「海外の文化に触れない」が習慣として当たり前になってしまっている

 そして、こういうサイクルが出来上がってしまうと、「日本の文化だけで十分事足りるのに、海外のものなんて触れる必要があるの?」というのが当たり前になってしまって、「洋画も見ないし、洋楽も聴かない」で当たり前になってしまうんですよね。

 国産コンテンツの自給率の高さ、先進文化国への憧れの欠如。これがもたらしている弊害が、閉鎖的な循環を作り上げてしまっています。

 これを打破するにはどうしたら良いか。それが、実は上の表にはすでに現れています。それがディズニー・プラスの需要です。

 日本の中だとディズニー、国産マンガに比べると、かなりのオルタナティヴ・チョイスになってるのはわかります。だけど、需要はある。僕はこの理由を女の子に見ています。

 なぜか。ディズニーには女の子を惹きつけるコンテンツが豊富だから。近頃の子供は女の子でも少年誌の漫画を読むことは僕も知っています。うちの姪っ子も「NARUTO」を本棚にぎっしり詰めてるの、見たことありますから。「少年誌」とわざわざ銘打たなくてもよくなっている状況は分かってます。

でも、ディズニーの場合は、もっとストレートに女の子向けの題材が多い。大体、ヒロインものが多いですしね。実際、「アナ雪」も日本で子供にウケたことも聞いています。ブラジルみたく、お誕生会でエルザのコスプレする女の子が続出するかどうかまでは知りませんが。

 こう考えても、今後、日本で洋画、洋画カルチャーに風穴あける存在があるとしたら、それは女の子だと僕は睨んでます。

 実際、今回のこのコラムの内容と同義のツイートしたところ、複数の人から「うちはディズニーとカートゥーン・ネットワークで子供育てた」という報告をたくさん受けています。この状況は我が家でもほとんど同じです。この習慣、普段から持っていると、自然と国外のカルチャー、触れることになります。日本のケーブルTVは普及してるので、洋画、洋楽カルチャーで育った親御さんはこれを実践されていらっしゃる方が少なくないようですね。

ただ、日本の場合、ここの一つ問題があります。それは

⑥友達の間で国産物しか見たり、聴いたりしてないと、洋画、洋楽見てても孤独を感じやすい

ここが非常に大きいのです。

なぜなら、子供というのは「友達との共有性」を好みますから。友達が話題にしてたら素直に自分も知りたくなる。この傾向が強いです。

 となると、せっかく早いうちから洋画、洋楽に触れていても、友達に他にそういう人がいなければ孤独を感じてしまう。そうすると、興味もそちらに引っ張られていかざるをえなくなる。その可能性が高いんですよね。

 だから、打開の方法があったとしてもくじけやすい状況が日本にはあると思います。

 この状況でどうするのが一番良いか。それは

洋画、洋楽で育った親がしっかり指南する

もう、これしかないと思います。

 僕のツイッターのTL見てたら、80〜90年代の生まれの人でも「親が好きでよくカーステで洋楽聴いてたから、その流れで好きだ」という人は少なくないんですね。あと、さっきも言ったように、ディズニー・チャンネルとカートゥーン・ネットワークで子供を育てているという方も実際にいらっしゃいます。

 こういう人たちは、海外のカルチャーというものが、いかに自分の世界観を広げてくれるか、こういうカルチャーを話題にできることが国際的にいかに通用するか。そのことを身にしみて分かっていらっしゃる方が多いんですよね。

 子供は強制すると嫌がるものでもあるので、彼らが抵抗感覚えたりする以前から、習慣として洋楽、洋画カルチャーに触れさせる。もう、これが一番だし、これが出来てると自然に問題の解消になりえます。

 幸いにして、洋楽はまだ救いようがあります。それは、人気アーティストがまだ洋楽の影響を強く受けていて、熱心なファンが彼らが影響を受けたアーティストを聴こうとする傾向が強いから。あと、そういうアーティストを実際に体験できるようなフジロックとかサマーソニックみたいなフェスも存在する。だから、どんなに音楽雑誌がなくなろうが、ラジオでの洋楽の率が落ちようが、それでも洋楽のファン、死んでないんです。

 これと同じことが洋画、アメドラなどで起こるのかはわかりません。それは、日本国内の海外カルチャーで育った親のちょっとした行動でしか変わらないとは思いますが、そこに一縷の希望を見出すしかないのかな、と思ってます。






































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