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新たなロック・アンセム誕生!伝統の中にかなりの新しさのマネスキン新曲「TheLoneliest」

どうも。

もう、週末はこればっかり聴いてましたね。

はい。マネスキンのニュー・シングル「The Loneliest」。

これ、かなり好評でして、昨日のSpotifyのデイリーでグローバルで初登場53位。「Supermodel」が最高位で85位くらいだったので、それを30ランクぐらい上回ってますね。

あとtik tokでの再生もすでにかなりの数になってるので、望むらくはファン層以外にリーチする長いヒットになってほしいんですよね。

というか

そういうロングヒットに値する、少なくともマネスキンの今後のライブのセットリストからは絶対に外れない名曲です!


僕自身も、そう言いきれます。

 今回の曲から、次のアルバムに入るであろう曲がじわじわと聞かれ始めることになるであろうとすでに言われてます。そして、そこから何を聞かせるか。そこが注目されていたわけですけど、今回のきょくはストレートなバラード。事前に「パワー・バラード」と言われていたので、僕はちょっと期待と不安、どっちかというと後者の方が強かったんですね。

 僕としては、「マネスキン、大きく売り出すがゆえに、ある程度、マーケットに求められるものに応えていかざるをえないだろうから、大変だろうな」と思い、そこを差し引いて大目に見ようか、くらいの見方だったんですよ、当初は。少なくとも、先行で出回った30秒のサビの映像では「好きじゃないパターンかもなあ」という印象でした。

が!


いや〜、完全に一本取られました。彼らの才能にまたも脱帽です!!


僕、当初はですね

パワーバラードとうのは一世一代の成功をバンドにもたらす反面、そのせいでロックバンドとしてのエッジがその後に完全に失われ、致命傷になる危険性も孕んでるんですね。だから、そこを心配してたんですけど、これ、おそらくですよ、僕の見方だと

「マネスキンにとってのいとしのエリー」になるんじゃないか。そんな予感がすごくしてるんですよね。

イタリア時代のマネスキンの曲までしっかり聴きこんでいる人なら、マネスキンにはバラードが多いことは有名な話なんですが、ユーロヴィジョンで優勝して、その後のシングルしか聴いてない人だと驚いてる人が多いんですよね。その反応を見て僕は、青学を出てすぐに「勝手にシンドバット」でデビューして宴会芸バンドだと思われていたサザンが「いとしのエリー」で一転して本気にされたことを思い出すんですよね。

無理もありません。だって

こういうイメージの人もいると思いますからね(笑)。それが一転して、このバラードですからね。

この曲に関してはすでに

 すごいですいよねえ。もうシングルで速報合評されるようなバンドになったんだなあ、と日本の熱いリアクションに驚いたんですけどね。

 ここで書かれていることも真実だとは思いますし、マネスキンのパブリック・イメージなら、こういう思われ方の方が多いだろうとは思います。

 ただ、僕の見方はちょっと違うんですよね。そのことをここで書こうと思います。

 まずは今回のバラードなんですが、メタル系バンドのパワーバラードを思い出される肩もいらっしゃるかと思いますが、そのニュアンスも少し出しながらも、僕は本人たちの目指してたとこはちょっと違うんじゃないかと思います。

僕が「The Loneliest」を聴いて思い出したの、この2曲なんですよね。

ニルソンの「Without You」とか、エリック・カルメンの「All By Myself」に近い印象なんですよね。どっちも、後年までたくさんカバーされて非常に高名なバラードですけれど。

僕がそう思う根拠は2つあります。ひとつはこの曲が、失恋してどうしようもない悲しみにくれた曲であること。「君なしじゃ生きられない」「ひとりきりになりたくない」に対して「今夜は一番寂しい夜」のわけでしょ。テーマ的にまず同じです。

それから

サビに入るところから、イーサンがちょっと遅れながらゆっくり入るでしょ。この点で、例に挙げた2曲、同じ展開なんですよ。そしてサビで大盛り上がり。一緒です。聴き比べてみてください。

 あと、今回の曲、序盤がシンセで出してるのかギターで出してるのかわからないんですけど、「ほわ〜っ」とした上音が入ってるでしょ?あれがすごく今のポップリスナーを念頭に置いた感じがするというか。あの始まり方だと、その後がどういう曲になるかわからないから、非ロック・ファンでも聴きやすいんですよね。

そして

https://www.youtube.com/watch?v=r8OipmKFDeM

2000s型のアメリカの名ストリームのポスト・グランジ・バンド風のそれにも、オアシス以降の90s後半以降のヨーロッパのフェスでのアンセムにも、どっちでもいけそうな感じがサビにあるんですよね。

 前者はあんまり良い意味では言ってないんですけど(苦笑)、だけど、インディ・ロックっぽいアンセムになりきらずにちょっと俗っぽいがゆえにこれ、聴く人選んでないんですよね。力強さを表現してはいるものの、アレンジがパワーバラードにありがちな密閉感をうまい具合に避けてるがゆえに、そうなってるのかなと思います。

 あと、これ、曲の山場がですね

トーマスのギターにあるんですけど、これ、久々に登場した大型ギター・ソロだと思います!これがとにかく絶品なんですよ!

 このソロで彼、

このワミーってペダルを踏みながら、音色をかなり高い金属質の音にして弾いてるんですけど、そうやって弾くイメージって

https://www.youtube.com/watch?v=AWSvGR0Hiuw&list=RDAWSvGR0Hiuw&start_radio=1


 レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドなんですよね。90年代以降でもっとも独創的なソロ弾く人だと僕は思ってるんですけど、ここで弾かれているソロがレディオヘッドばりの感じだったがゆえに、従来のメタルのパワーバラードのそれと微妙に違うニュアンスが生まれてるんですよね。

 これですね、凡庸な従来型のクリシェなバラードにならないよう、マネスキンなりに考えた曲だと思うんですよね。ものすごく練られた新しいタイプのスタジアム・アンセムだとおもいますね。この曲ではそんなに目立ってませんけど

ヴィクトリアが最後のサビで弾く、そこだけちょっと変えてみたベースのメロディラインも微妙な隠し味として効いてたりするなど、芸がこまかいんですよね。

あと今回、母国イタリアでの評判がすこぶるいいんですよね。それはひとえに

ダミアーノの歌詞が絶賛されてます!


リリース以来、ツイッター上では、この曲のサビを書き写したツイートが続出してるんですよね。日本語訳するとこんな感じです。

君は僕の一番悲しい部分だ
そして、その部分が僕のものになることはない
わかってるさ
今夜は一番寂しい夜
君はまだ僕が吸う酸素だ
目を瞑ってたって君を感じる
そう思うと拷問だよ
今夜は一番寂しい夜

もう、ロマンティックの極みですよね(笑)。

https://www.tiktok.com/@josephine_adt/video/7150678031051394310?is_copy_url=1&is_from_webapp=v1&q=maneskin%20the%20loneliest&t=1665322490013

tik tokでも、このような使われ方してまして、これが4日で90万再生されています!流行りそうな予感を漂わせてます。

 イタリアのファンのあいだではですね、ダミアーノが英語で歌詞を書くようになってからの不満があったんですよね。彼ら曰く「ダミアーノは、イタリア語だと文学性の高さまで感じさせる素晴らしい詩を書くのに、英語だとバカみたいになる」というのを読んだことが実際にあります。

実際

https://www.youtube.com/watch?v=CmMO42bOTZ4

初期は想像上の女性キャラクター「マルレーナ」とのロマンスを歌ったロマンティックな歌詞で人気でした。あと、去年のアルバムの「Coraline」、これかなりの人気曲なんですが、音楽以上に、不幸な生い立ちの少女の人生を、かなりポエティックな表現で描いたことで人気で

 つい先日、マネスキンを輩出した「Xファクター イタリア」でも、レズビアンじゃないかな、この人、このコンテスタントが見事な歌唱力でカバーしてかなりの話題になったんですよね。熱唱で悲しい歌詞の世界に手繰り寄せた結果だと思うんですけどね。

 だから、どうやら今回のマネスキンの曲、「イタリア人が本来聴きたかった彼らの曲」だったようなんですよね。その意味でも歓迎されています。

 それもそのはず、この曲のプロデューサー、ファブリツィオ・フェラグッツォなんですよね。「Supermodel」はマックス・マーティンのプロデュースでしたが、さすがにバラードで過剰プロデュースだとリスクがあると思ったか、イタリア時代からの人を選びましたね。

 ただ、完全にイタリア仕様のバラードでなく、ちょっと趣向を変えてインターナショナルで挑んだからこそ新鮮であり、彼らの持ってる表現力も広げたと思うんですよね。そこも評価したいです。

いやあ、それにしても

このところのロック、ここ最近のシーンの顔が続々とハイレベルの曲を出してきてたのに、マネスキンのこの曲、それらでさえ凌駕しそうな勢いで注目されてるのがすごいですよね。アルバムに向けてますます楽しみになってきました。

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