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「今回のBTSの全米シングル1位達成がどれくらい意義のある偉業であるか」を6つのポイントで

どうも。

いやあ、やりましたね!

BTSのニュー・シングル「Dynamite」、初登場で全米シングル・チャートの1位を獲得しました!

いやあ、これはすごい!これがこんなに早く訪れるとは正直思っていませんでした。YouTubeでの閲覧数がいくらすごいといっても、なかなか全米チャートのシングルのシステムって複雑でわかりにくかったからですね。

これがどれくらいすごいことかについて、今日はポイントをあげながら語っていきましょう。

彼ら、これまでにも

①アルバムで1位はあったものの、シングルははじめて


アルバムならすでに4枚の全米1位があったバンタンなんですが、シングルははじめてそこまでアルバムで人気のあるアーティストでも、シングルで1位を取れるものではありません。

そして、その1位が

②アジア人では57年ぶりの全米シングル1位

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その前に全米1位になったアジア人、日本が生んだ、坂本九の「上を向いて歩こう」しかないんですよ。そう考えると、坂本九の記録も大概ですごいんですよ。だって、半世紀以上にわたって記録に並ぶアーティストが出なかったんですから。

まあ九ちゃんの場合は、当時、それがどれだけすごいことかよくわかられていなかったために、日本でもスーパースター扱いになりきらずに1985年の日航機墜落で亡くなってしまう悲劇があったんですけど、もう、ビートルズ以前の時代とは違って、もういまって、ポップ・ソングの持つ影響力というのは世界的に誰でもわかるものになってますからね。今回のBTSの1位のわき方も全然違います。

だって

③女性、黒人、LGBTの全米シングル1位は全然珍しくないがアジア人ではきわめて珍しい

昨今のポリコレで、とりわけ女性、黒人、LGBTというのは、その地位の向上の必要性を問われる存在ではあるんですけど、音楽の世界では、まさにそうした勢力、強いですよね。そういうアーティストが1位になるのも日常茶飯事ですけど、アジア系なんて、そういう人たちと比べてでさえもマイノリティ中のマイノリティですからね。そんな中でアジア系の存在感を強くアピールできたと思います。

さらに

④勢いだけの一発ヒットではない

ここもすごく重要です。

これまでの全米1位も他言語の国出身のものがありました。ただ、その例って

こんな風にドメニコ・モドゥーニョの「ヴォラーレ」(1958)がイタリア語、シンギング・ナンの「ドミニク」(1963)がフランス語、ロス・デル・リオの「マカレナ」(1996)とあるんですけど、どれも一発屋じゃないですか、言い方悪いですけど。で、悲しいかな、九ちゃんもアメリカでは一発屋です。

さらに

2012年に一足早く、韓国初の全米ナンバーワン・ソングになりそうになったPSYの「江南スタイル」。これも、イメージとしてはその系譜のノヴェルティ・ソングだったわけじゃないですか。

だから、

他言語、非欧米の国のアーティストが1位になるには、ときの勢いで可能な一発ヒットの方がチャンスが大きい。

ということに残念ながらなりがちだった・・・のです

が!


BTSはすでに、ヒット曲がたくさんある、一過性のアーティストなどではない!

こここそが、本当に大きいのですよ。

だって、これまでにもすでに

すでに全米トップ10曲なら3曲あったんですよ。

つまりBTSは、「全米1位の偉業こそ達成したけど一発屋」というありがたくないレッテルならもう避けることに成功している。そこが今までの他言語国のヒットと根本的に違うところです。

⑤アメリカのラジオ・フォーマットに乗る可能性を築いた

 あと、今回、ここが肝なんですけど

英語曲

ここが非常に大事なポイントです。

これまでのバンタンの曲って、「リリースのときにガーッとあがるけど、長く流行らない」とか「ファンには知られてるかもしれないけど、一般の人は知らない」というイメージなかったですか?それには実は理由はありました。

それは

欧米のラジオ・フォーマットがKポップに対応できてないから。

いかにKポップが人気だからって、欧米のラジオ局で、Kポップ専門の大型局というものはありません。そして、英語曲がメインのところで、韓国語の曲をかけるステーションもなかなかないです。それが、これまでのような固定ファンが大盛り上がりしてるけど、そうでない人には熱狂がわかりにくいイメージにつながっていたのではないかと思います。

この「Dynamite」は、そうしたウィークポイントを克服すべく出された曲なのではないか、とは、「今度の新曲、ついに英語だよ」と聞いたときから思ってました。

 それに関しては、どうなるか。ちょっと賭けなところもあったと思います。ちゃんと受け入れられるかどうか。英語になることで魅力が薄まることはないか。「Dynamite」を聞いたときの僕の反応は「まずます無難」って感じでしたね。英語詞にしやすいヴォーカル曲で来て、言葉の乗せ方が難しい、彼ら得意のラップに関しては後のお楽しみできたな。そんな感じでした。

でも、それがこんなにあたったということは、英語化の試運転、大成功だった、ということでしょう。

いやあ、この成功、大きいですよ。これにならって、他のKポップ勢も英語で続く可能性、出てきましたから。

BTSの場合、これまでもファンとの疎通の部分でナムジュン(RM)が手本を示して、それがほかのKポップの英会話能力の強化につながったようなところがあったんですけど、歌詞でもそうなっていくのかな。ただ、欧米のファンの場合、もう韓国語で歌うからこそのファンベースもあるので、全曲英語の必要もない、ヒットを狙いたい曲だけ英語、というので構わないと思うんですけどね。でも、大事な戦略です。これ。

あとはもう、やっぱりですね。

兵役免除!

これを願いたいですよ、やっぱ。

だって

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⑥偉業としてはソンフンミンよりもだいぶ上

そりゃ、サッカーの世界でも、トットナム・ホットスパーズのフォワードの主力というのも、すごいことではあるんですけど、彼がバロンドールの候補になるとかプレミアの得点王争いを演じるなんて話は聞いたことがないじゃないですか。

BTSの場合、アルバムではすでに史上7組しかいない英米日独仏の5大マーケットで1位を獲得し、シングルで57年ぶりのアジア勢1位のわけじゃないですか。「じゃあ、あと、なにやればいいんだよ?」ってとこじゃないですか。残ったものといったら

グラミー賞

これしかないと思うんですケド、そこまで待つ必要もないと思うんですけどね。

とにかく今、これだけ勢いがあるときに、それを止めかねない兵役が入ることで活動が鈍ったりすることのほうがやはり害が大きいわけで。メンバーに仮に愛国心があって兵役にやりがいを感じるのなら、もう少し落ち着いたタイミングとかで短期とか、そんな感じですよね。他国のことではありますが、Kポップのその後の戦略のためにも考えたほうがいいことだと思います。

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