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22年7〜9月のさらに10枚のアルバム

どうも。

昨日は3ヶ月に1度の恒例企画、アルバム10選でしたけど、いつも「惜しくも入り損ねた作品」というものを選ぶので、今回もやってみます。

こんな感じです!

はい。いずれも力作と思います。昨日ほど細かく書かずに手短に行きますと


Hellfire/Black Midi

はい。ブラック・ミディのサード・アルバム。「えっ、入ってないの?」と思う人もいるでしょうねえ。う〜ん、素直に才能はすごいと思うんですけど、あのポストパンク通り越して、マスロックもさらに通り越してキング・クリムゾンの領域に入るテクニカルな実験性。すごいとは思うんですけど、「そこをいくら頑張っても僕のツボは刺さないなあ」という状態が続いてまして・・。バンドの能力としてはすごいと敬服はするし、そのリスペクトでここにも入れてるんですけど。自分でもハマるのを待ってる感じですね。


God Save The Animal/Alex G

はい。アレックスGもですね。僕、これはまだ好きになる確率残してます。第一印象で聴いた印象で、「前作みたいな甘美なサイケポップ見たいのがよかったなあ」と思って盛り上がってなかったんですけど回数上げて聞くと、「シンプルなロウファイ・ポップみたいだけど、やっぱ曲は美しいよなあ」とは思います。加えて、アメリカのインディ・ロック、現在、強く期待できるアンダー30って人材的に薄いですよね。そこのところですごく期待はかけたい人です。

Fear Fear/Working Mens Club

 好みの部分で11位だったのがこれですね。ワーキング・メンズ・クラブのセカンド・アルバム。この人たち地味ですけど、なかなか理想的な人がいなかったデペッシュ・モードの後継者になれそうないいエレクトロ・ポップのセンスしてます。曲はすごくよく書けてるので、もう少し自己アピール強くしたら存在気づかれるのになあと思ってます。


Tired Of Liberty/The Lounge Society

これもすごくそそるアルバムでしたね。ラウンジ・ソサイエティ。イギリスはヨークシャー出身の、顔だけ見たらアイドルみたいなすごい若いバンドですけど、昨日紹介したケイティJピアーソンとかブラック・ミディとか手がけてるダン・キャリーのプロデュースです。もう、すごく「原石」な感じを前面に押し出しますね。演奏とか歌そのものはちょっとというかかなり未熟な感じはするんですけど、その中にきらりとひかる楽曲センスがあるというか、ガタガタなところもかえってパンクっぽいエッジ感じられて。こっそりデビューしてプロモーションに力入れられてないんですけど、もったいないと思います。LoveLoveLo

Love Damini/Burna Boy

続いてはバーナ・ボーイ。昨日紹介したアシャケと同じ、いや、もう現状の核としてはナイジェリアの「アフロビーツ最大のスター」こそ彼ですね。これまでも全英チャートで成功してたので、今度は全英トップ、全米でもチャートインみたいな状況にあったし、それだからこそメジャーっぽいアプロ〜チを展開するのはわかるんですけど、エド・シーラン、Jバルヴィン、カリードたちとの共演といったコラボのポップでアイキャッチな部分ばかり目立ってしまって、肝心なアフロビートの部分のカラーがちょっと出にくい作品になってる印象を受けました。落ち着いた野太いバリトンの美声は相変わらずかっこいいんですけどね。

The Hardest Part/Noah Cyrus

続いてはノア・サイラスのデビュー・アルバム。あのマイリーの
妹です。お姉ちゃんの方も、「ハナ・モンタナの分際でロックかよ」みたいな扱われ方から本人自身のイタさもありつつも、元からの歌の才能と努力でだんだん磨かれてきてますけど、妹さんのほうはお父さんの血筋通り、カントリーの路線で売ってきてます。しかもポップ・カントリーじゃなくて、アメリカーナというか、かなり渋いインディ・フォーク路線で来ましたね。22歳の女の子にしてはちょっと渋すぎる感じもしはしますが、それが全然から回らずに自然に聞こえるところは元からのセンスの高さをうかがわせます。これ以降に期待したいです。

Expert In A Dying Field/The Beths

続いてはThe Beths。ニュージーランドの、すごくセンスいい女性ヴォーカルのインディ・ギターバンドで前から注目してたんですけど、この3枚目のアルバムでとうとう本国では初登場1位の国民的バンドになったようです。このバンドは、別名「トゥイー」とも呼ばれる典型的なギター・ポップ・タイプの曲とストロークスみたいな感じのインディ・ロックンロールの出し入れがうまいタイプで、いわゆる伝統芸スタイルのインディ・ギターバンドとしてはきわめていけば長くリスペクトされるバンドになりそうな予感漂わせています。これがワーキング・メンズ・クラブの次に好きかなあ。

Autofiction/Suede

これが期待してなかったらよかったですね。スエードの新作。90sの頃からブレット・アンダーソンのすぐひっくり返るちょっと不思議でもある妖艶な歌い方と、コンパクトにすごくわかりやすいボウイ継承のグラムロックはシーンでも強い個性で一線を画してましたけど、それが老練に向かうのではなく、50代半ばになった今でも鮮度を落とさず、肉感的にも力強さを表現することでバンドとして若々しく再生したことを印象付けてますね。今年はブレットのかつての相方バーナード・バトラーが僕の大好きな歌う女優さんジェシー・バックリーとのフォーク・アルバム出してマーキュリー・プライズにもノミネートされたんですけど、スエード、隠れた当たり年です。

Cheat Codes/Black Thought

 こちらは同じベテランでもラッパーですね。ブラック・ソウト。元The Rootsのラッパーですね。もう、彼も50超えてますけど、ラン・ザ・ジュエルズもそうですけど、そこまでの中年になったからこそ若い黒人たちに訴えることのできるメッセージを大事に抱えて活動している感じが伝わってきます。もともと渋いソウル・ミュージックをバックにしてのコンシャスなラップを持ち味としていた彼ですけど、そうしたサウンドの中でもとりわけ濃いブルーズを抽出させたら名人級のデンジャー・マウスと今作はタッグ。匠の技を聞かせています。

Cave World/Viagra Boys

そしてラストはスウェーデンのヴァイアグラ・ボーイズ。ガンガンにファズで歪ませたノイズまみれのガレージ・ロックンロールを、ダミ声とストーンズばりのリズム&ブルースのグルーヴ、そしてジャズをミックスして表現する、今どき世界的に珍しい、男臭く、汗臭いロックンロール。タイプちょっと違うんですけど、アイドルズとともに、頑固一徹なロックンロール道を精進して欲しいタイプのバンドですね。前作の「Welfare Jazz」よりもすっきりしたサウンドになってるので、前作のファンの人はそこを物足りなく感じたようですけど、これまでの良さを生かしながらの進化だし、まだまだ伸びていく逸材だと思いますね。


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