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稀代のカルト・ヴォーカリスト、マーク・ラネガン急死と、最新全米チャート(2022/02/26)

どうも。

では、全米チャート、いきましょう。

SINGLES
1(1)We Don't Talk About Bruno/Encanto Cast
2(4)Heat Waves/Glass Animals
3(3)Easy On Me/Adele
4(7)abcdefu/Gayle
5(5)Stay/The Kid Laroi & Justin Bieber
6(6)Super Gremlin/Kodak Black
7(8)Shivers/Ed Sheeran
8(9)Ghost/Justin Bieber

9(12)IThat's WhaT I Want/Lil Nas X
10(11)Pushin'P/Gunna

シングル、あんまり動きはないのですが、グラス・アニマルズ、リリースから1年以上経つのに、最高位更新して2位です!これ、もし1位になったら、ものすごい快挙ですよね。

では、アルバムに行きましょう。

ALBUMS
1(1)Encanto/Soundtrack
2(2)DS4EVER/Gunna
3(4)Dangerous Double Album/Morgan Wallen
4(7)Certified Lover Boy/Drake
5(8)The Highlites/The Weeknd
6(10)Planet Her/Doja Cat
7(9)30/Adele
8(126)The Curtain Call/Eminem
9(108)2002/Dr.Dre

10(12)Sour/Olivia Rodrigo

こっちで注目は、やはりハーフタイム・ショーの余波ですね。エミネムのベスト盤「カーテンコール」が118ランク、ドクター・ドレーのセカンド・アルバム「2001」、が99ランク上がって、トップ10入りです。

 僕があのハーフタイム・ショーで思ったのは、ようやくヒップホップ・アンセムというものが、時を超えた「クラシック」として認知された瞬間だったんだなと思いましたね。勢いまだ、「流行りとしての消化」の側面がロックと比べて強かったヒップホップだったんですが、やっぱりドレー、エミネムあたりとなると、トゥパック、ビギーと並んでタイムレス・クラシックになるというかね。素晴らしいことだと思います。

あと、同じくハーフタイム・ショーに出たこの人のアルバムが14位初登場でした。聞いてみましょう。

メアリーJブライジ、5年ぶりのアルバムですね。その間、あんまり言われませんけど、オスカーの助演女優賞にノミネートもされたりして女優業の方で忙しかったりもしたんですけど、元はと言えば90sのヒップホップ・ソウル・クイーン。しゃがれ声を強引に伸ばしてパワフルに歌う唱法が、いつもどこか悲しげな歌の題材とマッチして感動を呼ぶこともしきりだったものです。

今回、なんか初心に帰ったというか、あまり聞き馴染みのない制作チームとの仕事ですけど、すごくオーガニックかつダウンテンポの、彼女の90sの時のイメージそのまんまの王道で攻めてます。せっかくジャズミン・サリヴァンとかサマー・ウォーカーで90s風R&B、リバイバルの追い風吹いてるんだから、もう少し順位上でも良かった気がするんですけどね。

あと今週は、パール・ジャムのエディ・ヴェダーのソロが29位、期待値めちゃくちゃ高いビッグ・シーフの新作が31位。スプーンの新作が38位でした。ちょっとビッグシーフに関しては別の記事で書きたいと思っています。

さて

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マーク・ラネガンが亡くなってしまいました。この人の名前を挙げてもすぐにピンとはこないかもしれないし、きたら、それなりに音楽聴きこんでいる方ですね。

 この人、もともとは

グランジ時代のカルトバンドでした、スクリーミング・トゥリーズのヴォーカリストです。このバンド、グランジの頃のシアトルを描いた映画「シングルズ」でも、この曲でそれなりに有名になっていたりもして、結構期待されてたんですよ。90sの半ばまでメジャーにも所属して、アルバム出せば批評家はかなり絶賛するようなバンドでした。

 マーク・ラネガン、というかスクリーミング・トゥリーズはですね、元はシアトルのサブポップのバンドでして、その縁もあって

彼の1990年のソロ・アルバムに、まだ世界的に有名になる前のカート・コベインが参加してたりします。その時にプレイしたのが「Where Did You Sleep Last Night」。のちにニルヴァーナのMTVアンプラグドで有名になるフォークシンガー、レッドベリーのカバーなんですけど、元はマークのアルバムで披露されていたものです。

そんな彼を一躍有名にしたのが

クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジへの参加ですね。ここでは「曲によってヴォーカル」と言うスタイルで、毎回、歌う曲は限られてるのにQOTSAのツアーには必ず帯同してました。2000年の「Rated R」、2002年の「Songs for The Deaf」の頃ですね。特に後者はデイヴ・グロールがドラマーでツアー参加してましたから、それでなおのこと知名度上がって、この時のラネガン、ホーミ、グロールは最強のセッション・チームでもありましたね。

 で、そのあとはQOTSAも止めて本格的にソロにもなったんですけど、

元ベル&セバスチャンん女性ヴォーカリスト、イゾベル・キャンベルとの共作アルバムを作ったりもします。これがヨーロピアン・テイスト溢れた哀愁の渋いアルバムでね。

 ラネガンの声って、ドライで、ダークな深みのある、すごくカリスマ性のある声なんですよね。その声が混ざることでたちまち曲に強い緊迫感と渋みが加わるというか。とりわけアーティストがそういうテイストを望む時に呼ばれてケミストリーを起こす、そういうタイプのシンガーだったと思います。

まだ57歳。皮肉にもグランジって、カート・コベイン、レイン・ステイリー(アリス・イン・チェインズ)、スコット・ウェイランド(ストーン・テンプル・パイロッツ)、そしてクリス・コーネル(サウンドガーデン)と、還暦にさえ届かずに亡くなってしまったシンガーがこんなにいるんですよね。やっぱり「声」の存在って大事で、それがあるだけでライブの場でレガシーって伝える事できるものなんですけど、これほどまでに亡くなってると、それができにくくなって、グランジに強い影響を受けた者としては一抹の寂しさも感じます。RIP


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