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映画「最後の決闘裁判」感想 面白いけど・・、それで良いのか、14世紀!

どうも。

今週、というか今月は映画評多めです。12月に入ったら年間ベスト・アルバムがメインになるのでね。あと、ここにきて公開多いんですよ。

今日はこれのレヴューです。

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「最後の決闘裁判」。リドリー・スコットの最新作ですが、こちらのレビューいきましょう。

もうすでに日本でも公開されてる作品なので、あらすじは簡略化したいと思います。

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ときは14世紀のフランス。話の中心は騎士ジャン・ド・カルージュ(マット・デイモン)と部下のジャック・ル・グリ(アダム・ドライヴァー)、そして

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カルージュの妻、マルグリッド(ジョディー・コーマー)との間に起こることです。

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カルージュとマルグリッドは、カルージュの財産確保のための政略結婚で結ばれた仲。子作りには励んではいるんですが子供はいません。ただ、カルージュは仕事に没頭し妻を顧みない側面がありました。

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そこに、かねてからイケメンと評判だったジャックが、「マルグリッドにふさわしい男は俺だ」と思いをたぎらせ、そしてこじらせた結果・・・、大きな事件を起こしてしまいます。

それを

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三人の視点から別々に語る、という話です。

これ、いわゆる

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「羅生門」と同じパターンですね。三人の設定で、起こってしまったことも似てます。パッと見で見たら「フランス版羅生門?」という感じですね。それぞれのストーリーを追うだけで見せるものがあるので楽しめます。

が!

羅生門と決定的に違うところがあります。それは、ここで強調されているのは、黒澤明がやったような「個々人のエゴ」ではなく

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彼の犯した罪の立証と

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彼女の起こした裁判がメインになります。

つまりこれ

「羅生門」の形を借りた、7世紀時代を先駆けたMe Too 運動です!


と、なると、なかなか面白いでしょ?しかもこれ、実話なんですよ。700年前でも女性の苦しんでることは変わっていないんだと聞くと気が遠くなって滅入る話でもあるんですけど、この時代でも性犯罪の被害に声を上げる女性は存在したんだ、という先駆性ならびに普遍性が感じられるところが興味ぶかかったですね。

で、これだけで十分楽しめるんですけど、これ、さらにエンタメ要素強いのは

 

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裁判の決着のつけ方です。

そこがいきなり

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リドリー・スコットだけに「グラディエイター」になってしまうという(笑)。

まあ、実際に、記録上も決闘を行ったという裁判記録だったんでしょうけど、それにしても最後は話、盛りすぎです(笑)。もう、見ながらゲラゲラ笑ってました。

 だって、せっかく「おお、700年も前にMe Tooか」と思わせつつ、その当時の人の裁判での方のつけかたが、「だったら女をめぐって、男がバトルしろ」って「おいおい!」って感じじゃないですか(笑)。そこが700年前の人たちの倫理観の限界だったのかなと思えて「それでいいのかよ!」という感じでしたけどね。

でも、そういうとこ含めて、これはエンタメで良かったです。

あとこれ、マット・デイモンが持ち込んだ企画だったんですけど

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お約束のようにベン・アフレックがついてきます(笑)。すごく頭の軽そうな貴族の役で、これがなかなかいい演技してたりするんですよ。そこも見ものです。

そして

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ジョディー・コーマーがまたまた美しい!!!

「フリー・ガイ」のときに僕はファンになってるんですけど、もうスクリーン釘付けで見とれてしまいますね。もう、本当に綺麗というか。あと、声も僕の好きな高さで。あと、気品もあって。そしてもちろん、これまで見たどの作品でもキャラクターの演じ分けが絶妙で。ここでの、抗議にたちあがる女性の意志の強さと戸惑いを見事に演じてましたね。これがどのレビューを読んでも最もほめられてましたね。

 あと、

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リドリー・スコット、非常に元気です。もう82歳とかなんですけどね。このあとも、すぐに新作が控えてまして

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「ハウス・オブ・グッチ」が控えてます。11月中にも公開です。アダム・ドライヴァーが引き続いて主演です。オスカー・バズも上がってるのですごく楽しみです。

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