見出し画像

「ギターの革新性」がロックを牽引する日は再び訪れるのか?

どうも。

画像1

エドワード・ヴァン・ヘイレンが亡くなってしまいましたね。長期間、ガンと闘病していましたが、力尽きてしまいました。

僕は彼のことを知ったのは1982年のこと。83年にはマイケル・ジャクソンの「Beat It」のギターソロで知られ、84年には非常に多くの人に未だに愛されることになる、かの「Jump」の特大ヒットもあったりしました。

 中高の頃は、ギター・キッズ、メタルヘッズの間でギター・ゴッドでしたね。彼よりも若いインギーとかスティーヴ・ヴァイ、ポール・ギルバートあたりの方が日本の僕の世代だと強かったりもしましたけど、エディもご多分にもれず影響力、ありましたからね。これが世界レベルだと、もうエディ、ダントツだったものです。

嘘ついてもしょうがないのではっきり言いますが、ヴァン・ヘイレン、決して得意ではありませんでした。ズバリ、ギター・プレイそのものがタイプじゃなかったんですよね。速く弾けることに興味がなかったのと、オカズっぽいフレーズが多用されるのが好きじゃなくて。僕はもっと、ベーシックなリフを繰り返すタイプだったり、ニュー・ウェイヴ以降のフィードバックとか金属質な音を使ったりする人の方が好みだったので。

 おそらく

これを、彼が生み出したこうしたギターが世に溢れるはるか前、1978年に、ああいうギターの音を全く聞いたことない状態でこれを聞いていたら「おおっ、すげえ!ロックの発明だ!」くらいの勢いで夢中になっていたのかもしれないです。それは認めます。だからこそ、世界中の多くのキッズがロックに夢中になったわけで。エディの登場でそれが加速化されたことは事実だと思います。

そして、こうも思います。

最近、ロックが停滞してるのは、ギター・サウンドの将来的可能性が見えにくく、ギター・ヒーローそのものが見つかりにくいからだ!

そうも思うんですよね。

なので今回は、僕がエディそのもののギターについて語るのではなく、「今のロックにエディ・ヴァン・ヘイレンのようなギター・ヒーローが必要だ」。そのことについて話そうかと思います。

「最近のギター・ヒーロー」だと、皆さんはどのあたりを思い浮かべますか?僕が思うに、人気があるのって

レッチリのジョン・フルシアンテやレディオヘッドのジョニー・グリーンウッドを思い浮かべる人も少なくないと思います。僕もすごく好きなギタリストですけど、

ただ、僕自身のギター・ヒーローということでいうと

もう、ダントツでジャック・ホワイトですね。その音の太さ加減、指の滑らかな動き、轟音をすごく優雅に聞こえさせるトーンの独自性。それらがジャックの取り乱し気味のヴォーカルと共に発せられるとたまりません。ジャックってアメリカだとラカンターズまで昨年のアルバム・チャートで1位とってしまうくらい人気高いんですけど、今やかなりコア層になってしまっている「ロックギター・ファン」のアメリカでの需要に応えてるところもあるんじゃないかなと思います。

あと、若手だと彼ですね。ロイヤル・ブラッドのマイク・カー。彼の場合、公式には「ベーシスト」ですけど、変速のベースで、エレキギターと兼用で弾いてるわけですからね。弦の張り方の時点で、あれ、発明ですけどね。

彼も、この独自のプレイがあるから、イギリスではもう早くもかなり安定した高い人気ですよね。トム・モレロとか、デイヴ・グロールにも将来を高く期待されてるし、かのジミー・ペイジまで彼のファンですからね。「ロックの将来」をギターの観点からもっとも期待されてる人なんじゃないかと思ってます。

ただ、これからはもう

ギター・ヒロイン!

これもどんどん、出てきてほしいですねえ。

日本でも、田渕ひさ子ちゃんいるから、イメージしやすい状況、あるんじゃないかと思うんですが、今、欧米圏ではギター女子、増えてまして、ギターの売り上げの担い手にまでなっている、という状況が実際にあります。

その中で代表選手といえば

やっぱりセイント・ヴィンセントですよね。彼女のひび割れたふリーキーナギターのトーン、すごく好きなんですよね。

彼女の場合、「女性がギターを弾くということ」にすごく意識的で、ギターの形が女性の胸をかたどったものだったり、衣装もステージ上でかなり映えるようなものばかり着てますからね。その意味でもナンバーワン女性ギタリストだと思ってます。

それから

オーストラリアのタッシュ・サルタナ。彼女も素晴らしいギタリストですね。ステージ上、すべて一人で演奏するんですけど、足のペダルで打ち込みリズム作って、本人、ギターと他の楽器を兼用しながら演奏するんですけどね。しかも、ライブでの演奏はサイケデリックな長尺がメインです。彼女の場合、ステージでのリアリティをスタジオ盤に収めるところでかなりクロウは感じますけど、ライブ、一回見たら絶対忘れない圧倒的なものがあるので、この先、名前聞くようになると思いますよ。

あと、最近見つけたんですけど、デクラン・マッケンナの後ろでギター弾いてるイザベル・トーレスって女の子もすごくいいギタリストですね。デクランのセカンド・アルバムが急成長した最高のアルバムであることは、ここ最近のこのブログでよく語っていることなんですけど、その影に彼女の力があることを見逃してはなりません。今のUKロックの中でも抜群のプレー、聞かせてくれる人ですよ。

・・・と、この他にもまだたくさんいるはず、なんですけどね。そうだと信じたい。

 僕の勝手な予想なんですけど、プリンスが亡くなって、エディが亡くなって、レジェンダリーなギター・プレイヤーがいなくなってる・・と思うじゃないですか。そういう危機感がある時に限って、人って、そうした存在の喪失に耐えられないところがあるので、埋め合わせるように若い新しい人、出てくるような気がしてるんですよね。

あと、ロックも、ここまであまりにもプレイヤーの演奏能力が軽視され続けたところがあったので、原点回帰的に戻ってくるんじゃないかな、と僕は踏んでいます。だって、そうでしょ。インディ・ロックの世界でも、ずっと消えていたと思われていたR&Bのテイストが戻ってきたりもしたし、こないだもいいましたけど、黒人が歌って踊るエンターテイメントをやめたら韓国人が受け継いだりしてるじゃないですか。そういうとこ、自然とうまく補うようになってるんじゃないかと思っていますので。

そんな風にしてギター・ヒーロー、あるいはヒロインが、エディの抜けた穴、埋めていってくれないか、そして時代やロックに新たな刺激与えないものかなと思っています。では、改めてエディにRIP。














 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?