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米ロック界に彗星!Frikoの衝撃デビュー作に日本のインディ・ファンも前代未聞の大興奮!

どうも。

いやあ、ここではこれを話すのは初めてなんですけど、先週の末から、特に今週に入ってからですね、音楽、ロックで一つの大騒ぎがXでありました。

それは。

この「Where Weve Been, Where We Go From Here」というアルバム。これがですね、ものすごく話題になったんですよ!

 最初、僕も実は全くノーマークでした。この週のアルバムの配信で僕が優先的に聴こうとしていたのはクローラーズとライム・ガーデンという、The Last Dinner Partyのライバル候補のガールズ・バンド、それからイギリスの誇るロックンロールのアイドルズ、それからオーストラリア期待のデュオ、ロイヤル・オーティス、と言ったとことでしたから。

それらのアルバムにもそこそこ満足してたんですけど、AOTYのサイトをチェックすると、このアルバムの点数がレビュー数少ないけど、なんかいいんですよ。で、X検索すると、少ないながらも日本のリスナーの方が聴いた感想語ってる例が、10はなかったかもしれないけど、5人以上は見かけたんですよね。

で、ピッチフォークが7.9点出してて、さらに僕がピッチよりも信頼しているPasteが8.9出してて。それで「へえ〜」とかなって。

それがこの

Frikoという、シカゴを拠点に活動する男女2人組だということを知りました。

それでこっちの2月17日の深夜、アルバム解禁から1日遅れたタイミングでこれを聴いたんですよね。

そうしたらこれがですね

この1曲め聴いてびっくりしたんですよ!なんかですね、ブライト・アイズのコナー・オバーストがレディオヘッドに入って「Creep」みたいな曲やったみたいでね。これにまず、度肝抜かれましてですね。それですぐさま、上のように投稿したわけです。ただ、「いいね」が8人しかつかなかったように、この時に気づいている方はあまりいらっしゃらなかったんですね。

で、これ、聴いていくうちに1曲1曲のレベルが激烈に高くてですね。

2曲めのこれもウィーザーとかモデスト・マウス、ピクシーズあたりの90sの良質ギターバンドっぽい曲で

僕はこれが好きなんですけど、ダイナソーJrよりかっこいいダイナソーJrみたいな曲で。ギターの歪ませ方のセンスが本家に負けてない上に、スピーディでタイトなドラムは本家以上にスリリングなんですよ!しかも、叩いてるドラマーが女の子なんですよ!

そうかと思ったら

https://open.spotify.com/track/1D44KFZEd7TWLlBZP3cp3Z?si=e890361a18404980

4曲めでガラッとバロック・ポップのバラードなんですよ。これがまた、めちゃくち美しくてですね。エリオット・スミスあたり思い出しつつ、よりクラシカルなテイストにエリック・カルメン思い出したりもして。

もう、この時点で「えっ、ちょっと待って!」って感じで。野球のピッチャーに例えると、155キロのストレートの後に高速カットボールと高速ツーシーム見せられた後に、二階から落ちるスローカーブ投げられたみたいな、そんな衝撃なんですよ。

で、そこでダイナソーみたいな疾走系の曲にガラッと戻るわけです。これもフィードバックのセンスとつんのめった速いドラムの連打がすっごいかっこいい。

で、そこでまた抜いたギターポップをやってきて

すごく綺麗なピアノの弾き語りのバラード打ってきて。リードシンガーの声の震えがすごく生きてるんですよね。

そして、これも人気曲ですね。アッパーなギターポップ・ナンバー。ニュートラル・ミルク・ホテルとかブロークン・ソーシャル・シーンのメンバー少ないヴァージョンみたいな感じですね。

そして最後がフォーク締め。途中からストリングス入ります。

・・・いやあ、すごくメンバー絞った編成、男女2人にサポート・ベーシスト、そこに曲の必要によってストリングスとかピアノ足してるわけですけど、9曲でこの曲のバラエティに、1曲ごとの完成度!楽曲の芯の部分ですでに、ほとんどのものを負かしてしまってる、凄まじい勢いを感じました。

そう思い

こっちの土曜の午前にこう言う投稿をして、前の投稿よりは読まれたんですけど、それでもそこまでの反応じゃなかったんですよね。

で、こっちでいう日曜の晩。日本で月曜の午前から午後にかけてだったんですけど、Friko気になってインスタ確認したんですよね。そしたら、本人たちがストーリーで「僕たちのアルバムがAOTYのサイトでシングルで1位、アルバムで2位になった!」とか、すごいこと言ってて驚いたわけです。しかもザ・スマイルよりも上位だったりもして!

で、「ああ、これはいいことだなあ。知らせよう」と思って

こういう投稿をやったんですね。そうしたら反応が結構この時はあってですね。「あれ、どうしたんだろう」と思いながら、この時に彼らの投稿を幾つかしてたら、なんかが働いたんでしょうかね。

ほぼ同じくらいのタイミングで複数でバズってたみたいで、このピエールさんの投稿が一番反応されてた印象なんですけど、そういうのが同時多発的に起こったんですね。

で、夜中だったんで眠いので寝て、翌朝起きたら、TLがすごいことになってたんですよ!

もう、僕のTL上がFrikoだらけになってて、Xの右上の検索でFrikoで入れたら、もう日本語の投稿しか出てこないわけですよ(笑)。

それがもう、ものすごいエモーショナルな内容で、「俺はこれを待っていたんだ!」「どうやったらこれが嫌いになれるんだ。こういうのを聞いて育ったんだ」みたいな、感極まったみたいな内容の投稿が相次ぎましてですね。

で、聞いた方の似てるものの例としてもすごい名前がずらずら並んでるわけですよ。レディオヘッド、デヴィッド・ボウイ、ブライト・アイズ、アーケイド・ファイア、ピクシーズ、エリオット・スミス、ニュートラル・ミルク・ホテル、ビッグ・シーフ、ウィルコ・・・。こういうのが一つのアーティストの印象から同時に上がるってなかなかないじゃないですか。

だから、その様子を見て、気になって聴いてみた人が多かったんでしょうね。日本時間の火曜日、もっとすごかったんですよ!

このタイミングになると、もうプロのライターまで参入してきて、さらに騒ぎがでかくなったんですよ

こうやって、僕の友達の小林君まですごいバズってましたね。

そしたら次に何が起こったかというと

なんと、日本のApple Musicのデイリー・チャートで11位まで上がる快挙まで起こってしまってました!

これをFriko本人たちも知ってかなり驚いていたようです。

この翌日は、日本でサマーソニックの発表があったりしたのでだいぶ落ち着いていたんですが、それでもApple Musicのチャート見たら、ヘッドライナーになったことで再浮上したマネスキンの少し下くらいと、それでもかなり聴かれてたんですよね。

で、サマソニの発表があった後もですね、「お願いだからFriko呼んでください!」みたいな投稿が結構相次いだりして、まあ、すごいんですよ、日本での突然のブームが。

 そしたら、アメリカでもですね


Rate Your Musicの今年に入ってからのベスト・アルバムで2位にランクされたんですよ。これが効いたか、Xでも英語で話題にする人が増えてきてます。

いやあ、だけどすごいですよね。シカゴの新人がいきなりAOTYとRYMで2位なんて。今年始まったばかりとはいえ、ザ・スマイルやThe Last Dinner Partyの絶賛されたアルバムよりさえも評価が上というのは。

改めてこの2人なんですけど

男性がニコ・カペタン、女性がベイリー・ミンゼンバーガーと言います。ニコが歌とギターで、ベイリーがドラムです。

この2人、音楽的な知識が異様に豊富ですね。上に挙げられた例、全部僕は正しいと思うくらいです。そこらあたりがUSインディファンの心をくすぐって、批評的に高い点になるんだとは思います。声なんてコナー・オバーストにかなり似てますからね。

ただ、それだけだったら、ここまでは広くウケなかっただろうとも思うんですよね。やっぱり僕が思うに、初期レディオヘッドみたいなダイナミックなギター・サウンドと展開。あれがなかったら、ここまではウケなかったと思いますね。

あと、バラードでの、遠慮なしにかなり甘い感じですね。ああいうのもすごくポップにアピールして。天性のポップセンスが、マニアな趣味性の中で光ってるんですよね。で、それをかなりの演奏力が最大限に表現することでさらに完成度を上げる。こういうのって、時代を作るアーティストの身が与えられた特権みたいなものですよね。

でも、本当にこれは登場が予期できなかったというか。例えばマネスキン、それこそ今回の騒ぎ、マネスキンの豊洲でのライブ以来だと僕は思ってるんですけど、彼らなんてのはボウイが亡くなって、クイーンの映画が流行った後に「なんとなくバンドにきらびやかなもの欲しい」ってタイミングで登場したでしょ?The Last Dinner Partyはフローレンス&ザ・マシーンやラナ・デル・レイが築いた神秘的な女性のインディ・ポップの道の上に、クイーンやケイト・ブッシュのリバイバルが記憶に強いうちに登場した。そういう前触れみたいなものがあったんですよね。

 だけど、Frikoは予期できなかったパターンですね。どちらかというと、ちょっと停滞の大きなイメージのあったアメリカの草の根的なインディ・シーンから彗星のように現れたというか。

調べたら、彼らですね

シカゴから一昨年に登場して一部話題になったホースガールの人脈なんですってね。ニコがエンジニアやってたみたいです。

あと、ベイリーの方はかなり売れっ子のドラマーみたいでして、いろんなバンドに駆り出されているようです。

このフィノムっていう、去年のウィルコの日本公演に前座できた女性デュオのヘルプのドラマーしてたみたいですね。日本の時は違うかもしれませんけど。

で、しらべたらですね

地元シカゴでは2022年5月の時点で「シカゴ新世代」と銘打たれているくらいシーンが活性化してるようです。

これ、貴重なんですよ。だって、ここまでロック、だいぶ復興してきてますけど、やっぱまだ「個人」のレベルの人気で、バンドだったりシーンでのもtリア狩りの復興ではないから。ソロが多かったり、tik tokでの人気に依存してたりするのはそのためです。

そこに行くとTLDPとかFrikoにはすごく意味があってですね。それは両方ともライブハウスの文化から生まれた存在だから。TLDPもロンドン南部ブリクストンのウィンドミルってライブハウスの看板バンドで、そこは今、ロンドンのロックで一番熱いハコですからね。

で、Frikoにはシカゴのシーンがある。僕も知ったばかりでこれから勉強なんですけど、知った限りでも結構な数あるんですよ。久しぶりにシーンごと楽しみなところができました。こういうの、死んでたと思っていただけに新鮮です。

で、しかも、両方ともパンデミックの後のライブシーンから出てきたところも重要です。やっぱり、あの空白の時期の後、ライブハウスと言う場所で自分の温めた音楽表現を生かしたい人たちが出てきている、と言うことなのかもしれません。

そんなFrikoですが、ここまでの成功が予測も何もできてなかったようで、ライブ展開することまで考えられてなかった感じなんですよね。今年のフェスなどでは見かけそうにないんですけど、日本で間に合うのなら、なんとかしてほしいなというのは僕にもあります。

ただ、この日本での瞬間的な騒ぎから何か起こってほしいなというのは強く願うところです。















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