見出し画像

コーチェラで大ブレイク! 新星グラムポップ・クイーン、チャペル・ローンがヤバい!

どうも。

今日は満を持してこの話をします!

こないだ、コーチェラのことをここで触れましたが、このときにこの人のことを語ったのを覚えていらっしゃるでしょうか。

この映像見ても強烈ですよね。

このコーチェラのときのコーデ、近くではっきり見るとこうです。「何ごと?」ってかんじですよね(笑)。この人が今、話題のチャペル・ローンです。

この人が今、出てくるところ出てくるところ、ド派手で強烈なんですけど

「なにごと??」感、すごいでしょ(笑)?もう、これだけで目を引いちゃうんですけど、これがライブ見たら、歌激ウマで、ステージでのカリスマ性が圧倒的なんですよね!コーチェラではじめてじっくり見たんですけど、度肝抜かれましたもん!

で、彼女がこの格好してるのにはそれなりの理由があるんです。それは彼女が、レズビアンの立場からの曲を歌う、女性版のグラムボップ・アーティストだから。グラムロックというと、イメージとしてはブギーなギターとかも思い出されて混同される方も出てくるし、彼女の持ってるkawaii系なニュアンスも出ないのでグラムポップということにしておきましょう。あと、この格好もドラァグ・クイーンにインスパイアされたというから、リアルにグラムなことは間違いなさそうです。

で、彼女どうやってでてきたかというと、昨年の10月にですね

このデビュー・アルバム、「The Rise And Fall Of Midwestern Princess」というのが出まして。このThe Rise And Fall Ofという言葉でピンとくる方もいらっしゃると思いますが、これ、デヴィッド・ボウイのジギー・スターダストのアルバム名の正式名称を意識したものですよね。

で、これがレビューなどでそこそこ話題になってました。僕もリリースのある数ヵ月前からSpotifyのアルゴリズムの推薦は受けてて気にはなってたんですよね。一応、配信日にアルバム聴いてますし。

ただ、その時は「良いけど、アメリカのマリーナ&ザ・ダイアモンズみたいだな」という印象でした。「ある程度は流行るかもしれないけど、もう1枚寝かせても良いかなあ」と思って年間ベストからは外したりしてました。今、考えたらすごく愚かしい判断ミスだなあ~。「ライブで実力見ないで判断」というのはこういうことを起こしがちです。

で、このアルバムは昨年のAOTYサイトの各媒体の年間ベスト総合で39位に入るくらいの評判にはなりましたがビルボードに入ってくるようはことはありませんでした。

が!

今年の2月、チャペルをめぐる状況はガラッと変わります。それは

はい。今年の2月から3月にかけてオリヴィア・ロドリゴのGutsツアーの前座をやってて、それですごくウケたんですね。

それで3月の終わりにビルボードのアルバム・チャートの200位に入ってきたんですよ。それを知ったときに「あっ、火が着いてきたな」と思った矢先に

4月5日にこのニュー・シングル「Good Luck Babe!」が出まして、これがものすごく火が着いたわけです。

コーチェラのときの映像消されちゃってこれしかお見せできないんですけど、これがもうバカウケしまして

なんと昨日付けのSpotifyのアメリカのデイリー・チャートで6位まで上がってきたんですよ!

で、これがクセになるいい曲でね。全編ケイト・ブッシュ、というか、これまでに出たケイト・ブッシュ意識した世の作品の中で一番感じつかんだ最高のオマージュ、というか、そこにストロベリー・スウィッチッブレイドの「2人のイエスタディ」とかバングルズの「マニック・マンデー」みたいな雰囲気もあるから、なんかすごく1985年っぽい感じもして、それで個人的に高校の時を思い出してウキウキしたところもあります。

これが今、Spotifyではイギリスでも16位で、グローバルでも34位。すごい勢いです。

するとですね。

ファースト・アルバムからこの「Red WIne Supernova」もアメリカのSpotifyで41位に上がり

この「Hot To Go」が94位。

100位圏外でこの「Casual」もランクインと、なんと200位以内に4曲、アメリカのSpotifyで入る事態となっています!

いやあ、今、チャペル、本当にアメリカで旋風ですよ!本当に彗星のごとく登場した一大センセーションですね。

では、そのチャペルという人がどういう人なのかを紹介しましょう。チャペルは本名をケイリー・ローズ・アンバッツと言いまして、五大湖近くのウィスコンシン州のミルウォーキー、ビールの醸造で有名なところの出身。彼女もアルバム名で行ってますけど、中西部の保守的な街で育ちます。

1998年生まれの彼女は10代の頃から音楽的才能を発揮し、18歳にしてアトランティック・レコードと契約。拠点もカリフォルニアに引っ越して、そこでデビューするわけなんですけど

あれ?

なんかイメージが違う気が・・・。

そうなんです。この時、彼女、「第2のLorde」イメージで売り出そうとしてたんです。サウンドも暗く、上の方の動画の曲、すっごいどれも声高いじゃないですか。それを低い声で歌おうとして。

しかも曲名見てください。「Die Young」って、まんまラナ・デル・レイ。そうなんです。彼女、根っからの超ラナ・フォロワーだったのです!

そのことは彼女は今もかなり公言していて、それこそ「ラナ」になろうとしてたんですね。

で、この時はアートワーク、ファッションもむしろゴスっぽくて、上のカラフルなイメージと大違いでした。

それが商業的にうまくいかず、彼女はレコード会社からEP一枚で契約を切られ、失意のまま、ミルウォーキーに帰っていました。

ただ、2020年に運良く、今度はユニバーサルと契約。またカリフォルニアに戻って生活もはじめます。すると

ここからピンクを纏うようになって陰キャから脱却し始めます。

この時から彼女がソングライティング・パートナーとしてつけたのが

このダン・ニグロという人。「ん?どこかで聞いたことあるかも」という人もいるかもしれません。それは正しくてですね。

それは彼が

オリヴィア・ロドリゴのソングライティング・パートナーでありプロデューサーだから!

しかもチャペルが組みはじめたの、オリヴィアのブレイク前です。2020年頃、ダンはオリヴィアとチャペルの二人の有望な門下生を抱えていたことになります。すごい話でしょ?

そして、チャペルにも転機が訪れます。彼女自身がカリフォルニアにきて、これまで自分がおしころそうとしていた、女の子を好きになる気持ちに素直になりはじめるんですね。そして、それを曲にも素直に反応するようになっていきます。

チャペルは2022年からシングル曲を連続して出すようになり、その集まった結果がデビュー・アルバムにもなるんですけど、そこからレズビアン題材の曲を書くようになります。

そして、外面の表現もすごいことになっていきます(笑)。完全に何かがふっきれて、変身していったわけです。

この話が実は僕はツボでして。それってまるで

かのグラムロックの創始者、Tレックスのマーク・ボランも、デヴィッド・ボウイも、最初は売れない時期が長く、モッズやフォークを経由した上で時間をかけてグラマラスなキャラクターを獲得していった。その過程になんかすごく似ていて、そこも僕をすごくくすぐっています。

現代的なことをいえば、彼女がビリー・アイリッシュ同様、ラナ・デル・レイに憧れたところからキャリアをはじめたところもすごく好きです。

それから半世紀を経て、今は女の子がグラムロックの牽引者っていいじゃないですか。

そして彼女、ロック・ファッションもかえてますよ。こんな風に。

これは絶対に偶然なんかじゃないと思ってます(笑)。マネスキン、The Last Dinner Party、そしてチャペル。これからのロックはこのくらい目立っていい、ということなのかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?