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3月から5月、もう10枚のアルバム

どうも。

恒例企画、3ヶ月に1度のアルバム10選では、いつも「それ以外の10枚」として惜しかったものをチョイスして紹介してるんですけど、、もちろん今回もやります。

今回はこんな感じです!

はい。こんな感じでしたけど、見ていきましょう。


まずマイリー・サイラスの「Endless Summer Vacation」。なぜマイリーからなのかというと、昨日、Buck-Tick除いてみんな女性だったじゃないですか。今日はその真逆でマイリー以外、全部男なんです(笑)。偶然なんですけどね。

マイリー、間違いなくこれまでのアルバムの中で最も洗練された作品で、ハリー・スタイルズ手がけたキッド・ハープーンがうまくまとめたと思うんですけど、逆に「歪さ」がウリでもあるマイリーにしてはちょっとおとなしすぎかな、という感じなんですよね。「Flowers」があれだけバカ売れしたのに、あれ1曲だけのヒットになってアルバムの印象がなくなってしまってる。10枚に選び損ねてしまったのはそのあたりが理由です。内容はいいんですけど、近い時期に出た他の女性アーティストと比べると分が悪かったかな。

続いてスロウタイの「Ugly」。フォンテーンズDC、Wet Leg手がけるダン・キャリーのプロデュースで大胆にロックにアプローチしてラッパーとして一皮むけたこの作品。最初、10枚に選んでたんですよ。彼がレイプの容疑で訴えられるまでは・・・。まだ真相はわかりません。はっきり言って
僕も信じたくないです。ただ、さすがにこれ、ことがことなので「問題発言」とか、そういう次元では全くないのでさすがに外してしまいました。ただ作品が素晴らしかったことは伝えておきたいので、ここにとどめました。容疑が晴れたら遠慮なく年間ベストに選びますけど、そうでなければちょっと難しいですね。

続いてD4vdのデビュー、これはEPなんですね、「Petals To Thorn」。これ、先週末にこそっとでたみたいなんですけど、これは知ってたら10枚選んでました!何か1枚を犠牲にして。すでに何回か紹介してますけど、僕は彼、ものすごく重要な存在だと思っていて。いわゆる「エモ・ラップ以降のカルチャー」が生んだ最高の収穫だと思っていて。エモラップって、いわば誰でも参加できる、昔のパンクロックみたいな手軽さのある音楽でありつつもそれゆえにひどいものもたくさん生まれた中、このD4vdみたいに、シューゲーザーとシティ・ポップのコード・プログレッションを駆使して、そこに昔の黒人の表現であまり見なかった耽美的なゴス的リリックをドラマティックに展開する力があって。10代というのが信じがたいくらい卓越したソングライティングであり、tik tokを通して世のエモ男子を牽引する力があるし。これからカリスマになっていくんじゃないかな。

18歳の天才D4vdに代わって、今度はその年齢の4倍以上、70代の奇跡の兄弟スパークス、いきましょう。僕は2017年に前々作「Hippopotamus」を聞いた時に、年齢や時空を超越した確固たるオリジナリティに圧倒され、その年の年間ベストに入れて以来彼らのことは気にしてて、ドキュメンタリーもじっくり見て再度驚いたりもしてるんですけど、いやあ、50年を越す長いキャリアの中で今こそが最高潮ですね。この「The Girl Is Crying In Her Latte」はシンセポップの先駆である彼らが古色蒼然とせずにレトロ・フューチャーであるこの路線を今の世に新しい音楽として新鮮に聞かせていることにまず驚くし、これまたデビュー時からのオペレッタ・スタイルも唯一無二の妙技に年季をかけた磨きがかかっているし。とにかく尊敬する以外にないですね。

続いては日本のceroの「e o」。ツイッターのTLとか、同じく僕のTLの中で盛り上がった邦楽のアルバム人気投票でも、ceroって抜群の人気なんですよね。何か羨望のまなざしというか、敬意を感じますね。シティ・ポップというよりは、ディアンジェロやフランク・オーシャンといったオルタナティブなネオ・ソウルの感覚を古きよきブラジル音楽と融合させる手腕なんて天才的だと僕も思います。テクニカル的には、もう理想的な細野・小山田チルドレンという感じで大したものだなと思うし、誇りにもしたいです。このアルバムも技術的にケチをつけるところなどは一切ないです。ただ、その分、「彼らだったらこのくらいまではやるだろう」という想像図ができやすく、ハードルを上げて過度な期待をしちゃいたくなるんですよね。「予測不能な展開」にこそ酔いしれたいし、昨日も言いましたがBuck Tick
を評価したのも、サプライズ的な要素だったんですよね。でも、それでも日本のポップスの正統継承者としては愛したい人としてはやはりずっと愛していたいですね。


続いてブリティッシュ・ラッパーのポッター・パイパーこれ話題になっってないんですけど、全英では初登場2位のアルバムです。僕もチャート入ってくるまで知らなかったんですけど、太めのベースにゴスペルをフィーチャーしたトラック、ザ・ストリーツ以降に脈々と受け継がれるブリティッシュ・アクセントによるコチコチした独特のフロウもかなりかっこいいです。もうちょっと聞き込めればよかったなとも思ってるんですが、今の少ないリスニングだけでもかなり引き込まれているので、ちょっとこの先、楽しみです。30歳は超えてますが、これがデビューでもあります。

そして、この3枚が全部、ベテランのインディ・ラッパーと気鋭のトラックメイカーとのコラボ盤。全部よかったです。左からビリー・ウッズと
ケニー・セーガルの「Maps」、真ん中はダニー・ブラウンとJPEG MAFIAの「Scaring The Hoes」、右はケイトラナーダとアミネとのコラボ、その名もケイトラミネのセルフ・タイトル。ザッというと、ビリーが90s前半のヒップホップの黄金期に近い作風、ダニーはバックがJPEG MAFIAだけにエレクトロ要素が鋭角的でカッコよくさらに奇想天外、ケイトラミネがニュー・ソウルの変形みたいな感じでしたね。先日、たまたまエリックB&ラキムの1987年の名盤、こないだ「私を構成する100枚」にも入れました「Paid In Full」を改めて聞いて「このヒップホップのベーシックに基本の1MC&1DJのスタイル、やっぱかっこいいなあ。もう一回、ここに立ち戻らないかなあ」と思ってたら、こんな風に流れが始まってましたね。まだ「耳の早いインディのリスナーでの動き」にしかチャート・アクションを見る分にはなってないんですけど、手垢の付いてない新人でこれやる人、出てこないかなと思っているところです。

そして、このラストが、これ名前がすごい、ウィノナ・ライダーズ。アルゼンチンはブエノスアイレスのバンドです。インスタグラムで知ったんですけど、今、ブエノスアイレスにはポストパンクやブリットポップのリバイバルが起こっていて、10個くらいはゆうにいる若手バンドたちが、市内の2、3あるライブハウスに夜な夜な出てシーンを形成してるみたいです。僕もチェックして聞いてみたんですけど、どれもカッコよくて驚いてます。
その中で筆頭人気がこのウィノナ・ライダーズで、このデビュー盤を「この20年のアルゼンチンで最高のアルバム」と本人たち豪語してるみたいなんですが、この言動からも伺えるように、初期のオアシスに感じが似てます。ちょっと骨太にサイケなシューゲイザーというか。このシーンの特集もやってみたい気がしています。

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