見出し画像

改めて、2022年間ベスト・アルバムについて

どうも。

先週、この一大イベント

年間ベスト・アルバムを紹介し終わったわけですけど、いや〜、これ、疲れた(笑)。クリスティン・マクヴィーの訃報などが入った関係で、通常より1回分少ない日程で仕上げなければならなかったですからね。結構、毎日緊張してましたね。「遅らせるわけにはいかない!」みたいな感じで。

でも、こうやってみると、本当にいいアルバム多いなあ〜、という感じですね。この50枚並べたのは、Never Ending Chart Renderingというサイトで作れるからやってみたんですけど、すごくきれいに作れますね。これ、オススメです。

 今回は、この全体総評をちょっとやってみることにしましょうかね。

①米国R&B/ヒップホップよりはレゲトン、アフロビーツ


まず、ひとつ、僕はここは絶対譲らないポイントですね。

今年の年間振り返ったときに

ビヨンセとケンドリックの年だった、と思う人は多いと思うんですよね。リリース時の話題からすればそうだし、実際、両者ともかなり質の高いアルバムを作ったこともたしかです。僕のビヨンセ2位、ケンドリックを10位にしているわけですからね。特にビヨンセのアルバムは大好きです。

が!

だからといって、「今年はR&B/ヒップホップが強かった」とか、「2015〜2016年からのポップ・ミュージックの勢力図は続いている」だとか、そういう見方は違うと思います。むしろ、この2人がかなり久しぶりにリリースしたことで、あの当時のシーンが持ってたポジティヴな要素をなんとか保てた、というのはあるんですけど、「じゃあ、その間、ビヨンセやケンドリックの不在期に誰が彼らをシーンで継いでたの?」となったときにその答えがはっきり見えないじゃないですか。その意味で僕はちょっと疑問が残るんですよね。

その2人よりは僕は圧倒的に

こっちの2人だったと思うんですよね。バッドバニーとロザリア。今年はもう圧倒的にレゲトンやラテン・ヒップホップ、ウルバーノと言う便利な言い方もあるんですけど、そういうスペイン語音楽の年だったと思うんですよね。

実際、Spotifyのグローバル・チャート見ても圧倒的に強かったのはレゲトンでした。米国のヒップホップよりも数とロングヒットで圧倒してましたからね。それはビルボードでもそうで、バッドバニーのアルバム、13周もアルバム1位と、アメリカ国内でさえ今年最大ヒットなんですよね。

一方ロザリアは今年はアルバム「Motomami」が大絶賛。僕も迷わず1位にしてますけど、それだけにとどまらずシングル「Despecha」がSpotifyのグローバルでトップ10入るビッグヒットになったし客演も多かった。そして、ワールドツアーも大成功。もう今、勢い的には世界でもっともホットな女性アーティストですよ。

 それから、レゲトンほどじゃなかったですけど、ナイジェリアのアフロビーツも大きかったと思います。まだ、本当に決定的なヒットは出てきてないんですけど、やっぱり僕はアシャケは存在としてやばいと思ったので9位にしたし、なんかこの後にアルバムでドカンと記念碑的作品が出てくるような気がどうしてもするんですよね。

②女性インディ・アーティストの層が厚くなった!


このポイントも僕は強調しておきたいですね。

僕の今年の年間では3位にWetLeg、4位にワイズ・ブラッドと入れているんですけど、そこも大事ではあるんですけど、17位くらいからズラリと並べたラインがすごいと思ってます。

17位から20位代前半にまでズラリと並んだこのあたりですね。みんな30代ちょい超えから20代前半までなんですけど、この並び見ると、今の女性のインディのアーティストって、本当にシーンとしての層が厚くなったなと改めて思わずに入られないですね。もう、思いつくだけでもポンポンでてくる。これはもう、間違いなく本物だと思いますね。

 このあたりはかなりポップな感じで聞かれたとは思うんですけど

このワイズ・ブラッド、ビッグ・シーフ、ALVVAYSといったラインは、僕の年間ベストだけでなく、何の年間ベストでもこぞって高かったですね。これに関しては僕も全く文句なしに認めるところです。

でも、こういう流れの中に

宇多田の「BADモード」が入っているのが今年は素敵だと思いますね。僕の年間でも11位にしてますけど、ピッチフォークを筆頭に、欧米の4媒体の年間ベストに入ってますからね、このアルバム。すごいことだと思いますよ。

あと、こうした流れにハリー・スタイルズやテイラー・スウィフトがしっかり連帯示していることも見逃せないポイントです。

③UKロックの大充実年だった!


このポイントも見逃してはならないと思います。今年は本当にUKロック充実年だったように思います。

とにかく

この8枚に関しては、僕のリストだけでなく、いろんなものに入ってましたね。おそらくこれにThe SmileとJockstrapを足した10枚が、今年のUKロックの10枚ということでいいんじゃないか、という気がしてます。

④12月によかった作品は来年に回せばいい!


あと、今年は12月にいい作品が出ているともっぱら話題です。

こんな感じですね。

はい。SZA、BTSのナムジュン(RM)、リトル・シムズのアルバムですね。いずれも聞いて感触かなりいいんですけど、入れなくて後悔したとかはありません。11月までに出さないほうが悪いので(笑)。

 それに、もう入れると決めた作品にも愛着わいてますしね。遅れて出てそっちがよかったとか言って簡単に外せるものではありません。

 そういう場合は、もう来年のベストに入れるだけですね。過去にもそうやって選んだものもあるし。そのときに思い出さなければ、その程度の作品だった、ということです。

 僕の予感だと、来年のベストにここから1枚は入れるような気はしてますけどね。なんとなくですけど。

⑤世界の年間ベストの実際の合計スコアは?


今、いろんなところで年間ベスト、発表されてますよね?そして今は非常に便利な世の中です。そうした年間ベストの結果を合計した指標というものが存在します。

それを示すと、こういう感じです!

https://www.albumoftheyear.org/list/summary/2022/

はい。サイトAOTYがまとめたリストです。12月15日の時点で83媒体分の集計がこういう感じです。

 数えたら、僕のリストと50枚中25枚重なってましたね。だいたい、いつもこれくらい重なりますね。毎年だいたい、4割強から6割弱重なります。

 このペース、個人的に続けたいんですけどね。やっぱ、僕の場合、職業の立場的に、「自分の年間ベストを読むことで、世界の音楽シーンの1年で何があったかわかるようにしないといけない」という意識はそれなりに強いです。だから、できるかぎり広く、思いつく限りで選んでる感じです。

 ただ、機械じゃないわけですから、重なりすぎても面白くないんですよね。他の人がどう言おうとどうしても入れたい作品というのはあるし、世間評に必ずしも賛同しかねるような作品もあったりするわけじゃないですか。あと、「そのアルバムを選ぶんだったら、僕はこっちの方がいい」みたいなのもあるし。そういうのが、同じく全体の半分くらいあればいいな、というのもあります。

そんな僕の今年の年間ベストですけど

こういう風にSpotifyでプレイリストにしています。よかったらぜひ聞いてみてください。























この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?