一体何が!?メキシコのカントリー、「コリド」が全世界を席巻中!!
どうも。
今日は5月5日。この日にこの企画をとっておきました。
これです!
昨日はアメリカのカントリーについて特集しましたが、今日はメキシコのカントリーについて特集しましょう。
何で、この日をこの企画に選んだかというと、メキシコではこの日、向こうふうに言うなら「シンコ・デ・マヨ」と言って大切な祭日なんですね。そのことを僕らの一家も知ってるので、今日の晩はブリトー作るんですけど、それはさておき(笑)、この日にこの特集を何週間も前からために貯めて待ってました。
「メキシコのカントリー」なんていうと、マニアックな印象があるでしょ。普通、何も知らなければそうだと思います。
が!
今、世界で、この音楽ほど流行ってる音楽、他にありません!
それがどれくらいのものなのか、説明しましょう。
まずはSpotifyの最新のグローバル・デイリー・チャートで該当作品、見ていましょう。
1.Un X 100To/Grupo Frontera
2.Ella Baila Sola/Eslabon Armado&Peso Pluma
3.La Bebe/Lvcas Yng &Peso Pluma
10.PRC/Peso Pluma&Natanael Cano
17.El Azul/Junior H &Peso Pluma
19.AMG/Natanael Cano,Peso Pluma,Gabit Ballesteros
何とトップ3を独占してる上に、トップ20に6曲ですよ!
これがビルボードの最新シングル・チャートだとどうなるかというと。
4.Ella Baila Sola/Eslabon Armado&Peso Pluma
5.Un X 100To/Grupo Frontera
11.La Bebe/Lvcas Yng &Peso Pluma
28.Por Las Noche/Peso Pluma
33.PRC/Peso Pluma&Natanael Cano
40.AMG/Natanael Cano,Peso Pluma,Gabit Ballesteros
50.Bebe Dame/Fuerza Regida & Grupo Frontera
57.El Azul/Junior H &Peso Pluma
68.Ch Y La Pizza/Fuerza Regida & Natanael Cano
77.Que Vuelva & Grupo Frontera
80.Igualito A Mi Apa/Fuerza Regida & Peso Pluma
82.Fragle/Yahritza Y Su Escencia &Grupo Frontera
89.Di Que Si/Grupo Marca Redistrada&Grupo Frontera
何と100位以内に13曲も入ってるんですよ!
こんなのビルボードのチャート、もう40年聞いてますけど、ありえないことですよ。だって、つい最近までですよ、ほぼ英語の曲しか受け付けてなかった全米チャートがですよ、このジャンルひとつだけでスペイン語の曲が13もはいってるわけで。これにレゲトンの曲たしたら20超えるでしょう。信じられません。
「うわっ、こんなにたくさん入ってたら覚えられないや」。そんな風に思う方もいらっしゃるかもしれません。でも、心配はいりません。入ってるアーティストの名前、よく見てください。すると
ほぼ特定のアーティストで独占されていることがわかります!
それが誰なのか。ゆっくり例をとって説明することにしましょう。
まずはこれから聴きましょう。
これがブームの口火を切った、ビルボードで4位になってる「Ella Baila Sola」、読み方はエヤ・バイラ・ソラ、「彼女は一人で踊ってる」という曲なんですけど、ここに映ってる帽子かぶったマレットの男に注目してください。
この彼こそがペソ・プルーマ(Peso Pluma)です。何曲も入ってるでしょ?彼はいわゆるフィーチャリング・シンガーとして人気なんですが、これには非常に深い意味があります。
このメキシコのカントリー、本格的なジャンル名は「レヒオナル・メヒコ」、つまり「リージョナル・メキシカーノ」、直訳して「メキシコの地域音楽」という意味なんですが、もう100年以上の歴史を誇る音楽です。ものすごくたくさんのサブジャンルを生んでいます。実は今回はやってるのも、その中の一つ「コリド」というジャンルに特化したものなんですよね。
このコリドって何かというと、コリドス・トゥンバードスと言って、「物語を語るもの」として捉えられてます。これがですね、ここ数年、若者たちがヒップホップ、さらにラップの要素を入れてきたことで新しい音楽として若返った、これがブームになったんです。
つまり、ペソ・プルーマは、コリドで言う所のラッパーなんです。歌ってるんだけど、位置付け的にはフィーチャリング・ラッパーみたいなものです。
これ、本当に最近始まった傾向みたいなんですけど、これの創始者と目されているのが
このナタナエル・カノ(Natanael Cano)です。見た目、ただのラッパーでしょ。
彼らすごく若いんですよ。ペソが23歳、ナタナエル、彼はナタと呼ばれてるみたいなんですが、彼は22です。
このペソとナタがコラボした曲も2曲、上でランクインしてます。彼らがシーンを引っ張る、いわばアイドル人気もあるフロント役です。
このペソ、ナタに加えて、ジュニアHと言うのも、いわゆるコリドのシンガー役で大人気です。上のチャートにも入ってるでしょ?
それにしても強烈だと思いません?ブラスの「パラパッパパッ、パラパッパパッ」と短く刻んだフレーズが、ヒップホップで言う所のビートのように短く切り刻まれて入ってて。コリド、これが病みつきになるんですよね。これ、トロンボーンで出してる音なんですけどね。
これ、また後で説明するので、イメージ覚えておいてください。
このペソとナタは、シンガーとして見逃せない存在なんですが、このジャンルはバンドも非常に大事なんです。それを今度は説明しましょう。
Spotifyのグローバルで1位になった「Un X100to」、これを演奏しているのが
このグルッポ・フロンテラ(Grupo Frontera)です。上のチャートでも本当にたくさん曲が入ってるでしょ?
別にコリドはみんながみんな「パラパッパ」とトロンボーンが鳴ってるわけではなく、このバンドみたいにチルな感じの演奏も人気です。彼らは自分たちのシンガーもいるんですが、ゲストを迎えて共演するパターンが多いです。その中でも一番ビッグだったのが、もうこのブログでもなんども紹介してますよね、レゲトン・キングのバッドバニー。彼に引っ張られる形で、この曲も1位。。結果的に「バッドバニーが世に紹介したジャンル」みたいに見えてしまうことになるかもしれません。
で、このグルッポ・フロンテラも若い人たちなんですよ。彼ら、実はまだアルバム出してないんです!というのも、成功を始めたのはここ2年くらいなんですよ。彼らもともと
元々はYouTubeのレヒオナル・メヒコの曲のカバーバンドとしてスタートしてるんですね。それがバカ受けしたので、今の人気につながっています。レヒオナル・メヒコ自体を知らないので何がそんなに新鮮だったのかはまだわかりかねるんですけどね。
だからこのフロンテラ、アルバムを出した暁にはすごいことになりそうなんですが、実はアルバムを出して成功しかかってるバンドも既にいるんです。
それが
フォルサ・レヒダ(Fuerza Regida)です。彼らも上の曲に名前あがってるでしょ?
このアルバムがじわじわと60位くらいまで上がってきてるんですよね。今の感じだと、かなりロングヒットしそうです。元々ブレイクしそうだったのが、ペソとフロンテラが急激に売れ出したので、それでこっちも押し上げられそうですけどね。
この人たちはパラパッパ、パラパッパ、言いますね(笑)。アルバムも聴いてますけど、多いです。この曲はナタがフィーチャリングです。
で、もっとわかりやすく説明しますと、一番最初の動画の「Ella Baila Sola」でペソと共演してるエスラボン・アルマド、これはバンドの名前です。
この人たちですけどね。彼らもトロンボーン目立つ曲多いんですけど、彼らはむしろギターの名手揃いです。
実は、「Ella Baila Sola」のイントロのギター、これがYouTubeとかtik tokで大流行しまして
こんな風に練習ビデオが大流行したんです!思わぬところでギターの需要を上げているのも、コリドの素晴らしいところです。
あと、こんな風に突然勢いが出たものですから、ジャンル外で注目する人たちもたくさんいるわけです。先ほどのバッドバニーがまさにそうですけど、
このようにメキシコのレゲトン・アーティストのYng Lvcasがペソとコラボして、現在3番手の大ヒットにもなってます。こういう風に異種格闘技も今後増えていくでしょう。
いやあ、本当に突然浮上したブームですけど、今後、何が起こるか本当に予測つきません。注目する価値は大ありだと思います。