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グローバル・ベストアルバム・プレイリスト(10)改訂版・サブスクで聴ける日本の100枚

どうも。

グローバル・ベストアルバム・プレイリスト。第10弾。これで地区別は最後になります。ラストを飾るのはやはり、日本です!

日本移管しては4月に「Spotify」で聴けるベスト100枚をすでに選んではいるんですけど、そのあと、ブランキー・ジェット・シティと矢野顕子さんという、僕にとっては入れないわけには行けない2アーティストが解禁されたんですね。そして、それプラス、僕が気がついていない間に解禁されていた不可欠な盤も結構あって。それプラス、前回選んでみて少しもやっとしたところもあったので、これらを修正して10枚弱かな。入れ替えました。そして、それにより、さらによくなりました!

こんな感じです!


Sukiyaki And Other Japanese Hits/坂本九 (1963)
ハレンチ/フォーク・クルセダーズ (1967)
ザ・ゴールデン・カップス・アルバム/ザ・ゴールデン・カップス (1968)
サイケデリック・サウンド・イン・ジャパン/ザ・モップス (1968)
ミコR&Bを歌う/弘田三枝子 (1968)
ジャックスの世界/ジャックス(1968)
見る前に跳べ/岡林信康 (1970)
Satori/フラワー・トラベリン・バンド (1971)
カルメン・マキ/ブルース・クリエイション (1971)
PYG!/PYG (1971)

はい。今回なんですけど、この1段目が一番変わりました。ここで解禁が多かったんです。そして、それが本当に嬉しかったし、助かった!

解禁されていたのはゴールデン・カップスに岡林信康にジャックス。彼らがブルー・コメッツ、高田渡、そして早川義夫から変わったんですけど、なんといっても「ジャックスの世界」ですよ!僕が30年ほど前に日本の名盤は掘り下げていた時、最初に衝撃を受けたアルバムがまさにこれでしたね。これはいいまに至るまでそうなんですけど、日本の音楽でここまで深い闇を感じた怖いアルバムはないですね。いみじくも未だに「日本のヴェルヴェット・アンダーグラウンド、もしくはドアーズ」という言われ方をしますけど、サイケでガレージでジャズで。そして早川義夫の怨念ぶつけたような呪術的な歌いっぷり。ある時期までは、はっぴいえんどよりも好きでした。だからこそ前回も早川さんのソロを入れてたくらい。本人でないと変えもききません。

岡林信康選んだのもフォークの神様だからではなく、まあフォークもフォーク・クルセダーズ以外で選びたくはあったんですけど、ジャックスの曲のカバーをして早川プロデュースだったものを選んでいます。しかもバックバンドがはっぴいえんどでしたからね、このアルバム。

あとGSは僕にとって重要で、モップス、カップス、ジャックスのいわゆる当時から「実力派」と呼ばれていた3つが揃ったので満足しています。あとはGSに先鞭をつけたスパイダースのファースト・アルバムだけですね。解禁待ってます。やはり前回入れたブルーコメッツでは一番サイケなアルバムでも物足りなかったので。

そして前回でカップスがなかったから初期R&B枠で入れてみた弘田三枝子、これはもう大正解だったので外したくない領域になりましたね。日本の初期のソウル、そしてカバーポップス時代の実力派の評価は坂本九と並んでやはりしておきたいので。やはり彼女と、ニューロック時代のカルメンマキ。この2人は欲しいですね。あと最終的に浅川マキが加わればここも完璧かなあと。

そして、タイガースがなかったから入れたつもりだったタイガース、スパイダース、テンプターズのGS人気バンド合体組のPYGもハマりがいいし、すごく好評だったんですよね。タイガースのサンシャイン・ポップの傑作「ヒューマン・ルネッサンス」が解禁されても、もうこっちでいいかなと考えてもいます。タイガースの親玉内田裕也氏秘蔵っ子だったフラワー・トラヴェリン・バンド同様、ニューロックの代表にもなりますからね。

風街ろまん/はっぴいえんど (1971)
ガロ/GARO (1971)
元気です/吉田拓郎 (1972)
頭脳警察3/頭脳警察 (1973)
HOSONO HOUSE/細野晴臣 (1973)
ひこうき雲/荒井由実 (1973)
氷の世界/井上陽水 (1973)
一触即発/四人囃子 (1974)
黒船/サディスティック・ミカ・バンド (1974)
アイ・ラヴ・ユー、OK/矢沢永吉 (1975)

ここはほぼ前回と同じです。ただ、矢野さんを入れた関係で五輪真弓を外しました。まあ、前回で入れてみたけど、確かに和製キャロル・キングではあったんですけど、やっぱこの並びだと少し物足りなさはありましたね。

この段ははっぴいえんど登場以降に日本の自作自演ポップが徐々にメジャー化していく過程を追ったものです。その意味で拓郎・陽水のフォーク2大巨頭、もちろん細野さんのソロ、ロックの発展期、プログレヤグラムの影響から四人囃子やサディスティック・ミカ・バンド、本当はキャロル入れたいんですけど、ないのでキャロルに一番近い時期の永ちゃん、この辺りは入りますね。

本当はそこにチューリップ入れたいんですけど、ないからGARO続投なんですけど、気に入って外せなくなってます。やはり初期はクロスビー・スティルス&ナッシュを意識した極めて洋楽色の強いバンドだったし、スパイダースやタイガースのスタッフ絡んでいてGSつながりもあるので、その辺りでシンパシー沸くのかな。

あと、前回、ギリギリで外してしいまった頭脳警察を今回入れました。やっぱ前回のラインナップだと歌詞の面で物足りなかったというか、政治的、社会的に戦ったロックのニュアンスに欠けてたなと思ったので。やっぱ彼らが1枚あると違いますね。あと未解禁組に村八分があって、あったら入れたいくらいなんですけど、ないので彼らの代わりになるロックンロールといえば頭脳警察かなとも思って。Tレックスみたいでかっこいいですからね。

あとユーミンは前回も「ひこうき雲」にするか「ミスリム」にするかで散々迷ってプレイリストの曲も3回くらい入れ替えるくらい自分でも「どっちだったっけ?」と錯綜する感じだっったんですけど、前者で固めました。理由は単純です。プレイリスト組む時に「ミスリム」だと、これ、リリース順に組んでるので、四人囃子とミカバンドの間に入っちゃうんですよ。その2バンドは続けて聞きたいので、それで「ひこうき雲」にした。それだけの理由です。こうでもしないと選べません(笑)。

ワインの匂い/オフコース(1975)
シングルマン/RCサクセション(1976)
チャー/Char (1976)
サンシャワー/大貫妙子 (1977)
Live '77/裸のラリーズ (1977)
素顔の私/八神純子 (1978)
愛は思うまま/吉田美奈子 (1978)
西遊記/ゴダイゴ (1978)
千のナイフ/坂本龍一 (1978)
10ナンバーズ・カラット/サザンオールスターズ (1979)

ここも変わってないですね。後述しますが、入ったのは一つだけ。ここは日本のポップ・ミュージックが洗練されていく過程です。

大貫妙子、CHAR、ラリーズ、オフコースの4つは前回だけでなく、それ以前に2020年に昭和のベスト組んだ時からずっと入れてますけど、ここが変わることはないでしょう。それくらいのお気に入りの並びです。特に妙子さんのこれはシティポップの名盤中の名盤で、実はそう呼ばれだしてから聴いたんですけど「都会」とかやはりどう聴いても名曲というか、マーヴィン・ゲイのフィーリングをこれほどまでに咀嚼できた例、日本では聞いたことないですね。

あと前回、「サブスクないのもあるから思い切って普段入らないやつ選ぼう」と思って、思い切って過小評価されているザ・ベストテン初期を賑わせたニュー・ミュージック系入れてみようと思い、ゴダイゴとか八神純子
とか入れて、今回原田真二だけ外したんですけど、やはりここも入れた方がむしろ正解だったんですよね。日本のポップスの歴史を正しく紹介できてる感じがするし、聞き応えも十分です。八神さんは80sのシティポップのッ時期が国際的には再評価されてい今すけど、登場時のインパクトって大きかったんですよ。あと、この流れでサザンをここで入れるのが、いろいろ長きにわたってやってますけど、本来ふさわしいのかなと思って、ここで紹介しておきます。デビュー作でなくセカンドを選んでいるのは、デビュー作、ギターの音が聞こえないのが嫌だからです。

それから吉田美奈子さんは山下達郎の代役なんですけど、今回、近い時期のムッシュかまやつや小坂忠と、同じ「ソウル枠」で替えようかなとも思ったんですけど、女性がまだまだリスト全体だと少ないので活かしました。

前回通りなんですけど、時期的には70年代後半なのでYMO入れていいんですけど、今聴くと「ソリッド・ステイト・サバイバー」あたりちょっと古く聞こえるところもあるので、ファーストに近い時期に出た坂本教授の「千のナイフ」にしています。彼は何れにしても1枚はいるので。すると、これもうまくいっていて外せないですね。

そしてここでシングルマンです。新たに選んだのがこれです。RCは前回「ラプソディ」を選びましたけど、彼らの場合、ライブバンドとしての魅力の他に、ソウル、そしてプロテストの3つの要素必要じゃないですか。これが1アーティスト1枚の辛いところで前回ここで心残りだったんですけど、今回、ラプソディやめて、まずソウルでこちらを選びました。時代的な流れにもスーッと馴染むんですよね。だからいいなと。


乗物図鑑/あがた森魚 (1980)
カメラ=万年筆/ムーンライダーズ (1980)
メシ喰うな/INU (1981)
A Long Vacation/大瀧詠一 (1981)
BGM/YMO (1981)
ただいま。/矢野顕子 (1981)
STRIPPER/沢田研二 (1982)
Perspective/P-Model (1982)
南蛮渡来/暗黒大陸じゃがたら (1982)
DIS/The Roosters (1983)

80s初頭。ここは分かりやすくニュー・ウェーブ。この流れも基本線、前回と同じです。ただ、新しく2枚が加わっています。

まずはYMOを中心に組まれています。これは前も言いましたが、「BGM」が発売された1981年3月21日は大瀧詠一のロンバケの発売日でもあるんです。僕はこの日を「はっぴいえんど史観が生まれた日」と定義して以前noteでも記事を書きましたが、それはここで同じです。そしてYMOのお友達でいずれもフォークロックからこの時期にニューウェーブに転じていたムーンライダーズとあがた森魚ですね。あがたさんのシンセポップ期ってカルト評価があって僕も結構前から好きなんですけどサブスク解禁されてなくて忘れられがちだったんですけど、去年くらいに解禁されてなくて、ここでのジョイ・ディヴィジョンみたいなアルバムが聴けるようになりました。

そしてここでやはり

矢野顕子さんですよ。YMOとはもちろんツアーメンバーとしても教授夫人としてもつながるわけです。今、矢野さんって国際的に「和製ケイト・ブッシュ」として再注目されていてClairoがファンを公言したりもしています。なにもYMOつながりはなくても十分通用はしますが、「ただいま。」や「ごはんができたよ。」の時期がそのケイト・ブッシュ的な才気が一番爆発してるのは解禁されたアルバム通して聴いて確認しました。前者になったのは単純に時間が短かったから。僕の場合、同じくらい良い作品があった場合、短時間で良さを伝えられてるものを重視する個人的傾向がありますので。

あとはほぼ前回と同じ路線です。ルースターズ、じゃがたら、P Model。それぞれ、ギターロック、ボストパンクのファンク、エレクトロ・ポップでの日本のニューウェーブの最高峰だと思うので。僕は、前から言っているように、具体的なファンダムも見えないのに東京ロッカーズを推すのをよしとしないんですね。フリクションとかPhewとか。それよりは今、例にあげた人たちとか、あとは町田康のINUですね。こっちの方が具体的にリスペクトの発言を日頃よく耳にするので今回もこちらに軍配あげさせてもらってます。

そして、ジュリーですよ!ジュリー、毎回入れてますけど、前回は「幾つかの場面」という、「時の過ぎ行くままに」が入った、当時の日本のロックな精鋭たちが集まったものをあげたんですよね。それがいわゆる阿久悠との大衆歌謡ロックの時代の幕開けでもあったから、前のブロックにはまると思って。

でも、本音はその歌謡ロックの時代、子供の時は好きだったけど、彼が誤解される原因にもなった作品なので好きじゃないんです。僕としてはやはりExoticsをバックにつけて先端のニューウェーブでシングルヒットを連発してた時代が一番かっこいいし、今日的感覚だとそうだと思うんですよね。なのでネオ・ロカビリーにトライしたタイトル曲の入った「ストリッパー」にした次第です。

あと、これをこの位置にしたことによって、あがた魚が入って、次にくる尾崎豊が次のブロックに回せる便宜上でも都合が良かったのです。


十七歳の地図/尾崎豊 (1983)
玉姫様/戸川純 (1984)
VISITORS/佐野元春 (1984)
Detestation/G.I.S.M (1984)
BOØWY/BOØWY (1985)
IV~Maybe Tomorrow/レベッカ (1985)
天使たち/The Street Sliders (1986)
カップルズ/ピチカート・ファイヴ (1987)
VI~月に濡れたふたり/安全地帯 (1988)
Such A Funky Thing/久保田利伸 (1988)

この10枚は前回と全く同じ。いじりませんでした。すごくエイティーズ、そして昭和末期の色濃い時期です。

この時期の前半、ちょうどニューウエイブからバンドブームに切り替わっていく時期にロックの王様みたいな存在ってサザンか佐野元春でした。だからサザンでも良かったし2020年の時は「人気者で行こう」選んでます。ただ、ニューウェーブって彼らの得意な時代ではないし、それで言ったらスプリングスティーン的なバックボーンからそっちにも対応でき、さらに日本でいち早くヒップホップまでやれた佐野元春はやはり別格でしょう。

「80年代前半を代表する女性」といえば、ユーミン、松田聖子、中森明菜と思い浮かべますが、サブカル的には圧倒的に戸川純だと思います。すごくコアなニューウェーブでありながらチャートヒットも収めていたこと考慮しても。あと、tiktokで今、世界的に聴かれてもいることを考えてもですね。

そしてここはメタルの時代でもあるんですけど、前回も言ったように、リアルタイム的に成功したラウドネスあげるよりも、後年にメタルにもハードコア・パンクにも長くクラシックになり続けたG.I.S.M.をここではあげます。ここも前回選んですごく気に入ったポイントでもあります。

そして後半に差し掛かるとバンドブーム。僕もこのときは高校生で真っ只中でしたけど、僕の実感で四天王はBOØWY、レベッカ、尾崎豊、ブルーハーツですね。このあたりは年配の評論家の方が避けるような傾向も以前は感じたことあるんですけど、申し訳ないけど東京ロッカーズよりは圧倒的にリアリティあります。

BOØWYは歌謡ロックでその後の主流ロックの歌謡化に悪影響もあったんですけど、選んだ盤はドイツのハンザ・スタジオ録音で有名で先端の洋楽との接点はアピールしたがっていたバンドですからね。あと布袋氏のファンキーなギタープレイも普通のパンクではないわけで。

レベッカもリアルタイムのマドンナやシンディ・ローパー的フェミニズムを日本流に分かりやすく伝えた点で意義あるし、サウンドも直なMTV系ニューウェーブ。後続のバンドガールに与えた影響もやっぱPhewとかゼルダよりは大きいですよね。

尾崎はなんかすごく誤解されやすいんですけど、アメリカのハートランド・ロックに乗りながら、この当時の荒れる中学の世相も反映しつつも、浜省とかハウンド・ドッグ等と決定的に違ったのは、その後の引きこもりに通じるもっと内面的に病んだダークサイドの闇の走りですよね。僕が妙に彼にひかれるのもそこですから。

ここで残念ながらブルーハーツがないので、この時代のロックンロールでもうひとつかっこいい、ストリート・スライダーズで。前回選んでハマリが良かったのでそのまま活かしてます。

あと、ソウルフルなR&Bもこの時期から感じられるようになりますが、そこを久保田利伸、そして裏をかいて玉置浩二の安全地帯選んでます。安全地帯って、日本のニュー・ミュージック以降に多い、アリスから長渕剛、チャゲアスまでのアリーナ・フォークの陽水経由のバンドでも語れますが、それよりは昭和末期にプリンスに近づこうとして自慢のヴォーカルに磨きがかかった時期をあげますね。

あと、ピチカート・ファイブがここにあるのは90年代の音源のサブスクがないから間借りでこかなんですけど、昭和にこの異色サウンドがあったのを示す例としては個人的に気に入っています。


Blue Blood/X Japan (1989)
服部/ユニコーン(1989)
 ザ・タイマーズ/THE TIMERS (1989)
Greatest Hits Vol.1/The ピーズ (1989)
Canera Talk/フリッパーズ・ギター (1990)
家庭教師/岡村靖幸 (1990)
狂った太陽/Buck-Tick (1991)
BANG!/BLANKEY JET CITY (1992)
結晶 Soul Liberation/Original Love (1992)
天国と地獄/カーネーション (1992)

そしてここからは平成の50枚。今回までは、これ多分、こうできるの今回が最後の気もしてるんですけど、昭和で50枚、平成以降で50枚は崩さずに行こうと最初から決めてました。だからリリース順でX Japanの「Blue Blood」は絶対条件だったのです。

このブロックはバンドブームと渋谷系。ほぼこれにつきます。

そこで満を持してブランキー登場のわけです。僕はですね、一部で言われてる「イカ天がバンドブームに火をつけた」説には真っ向から反対してます。あれは遅くとも1986年までには地方レベルでも浸透していた邦楽バンドのブームにテレビがあとのりで気がついた番組なので。だからブームに関係なくBuck-TickもXもユニコーンも出てたわけで。あの番組にはただのウケ狙いも少なくなく、それがブームを急速に冷やしもしたわけで。

ブランキーはそんなあの番組の印象をきれいに良い遺産を残す形で最後の方に登場した存在です。あそこで最高のロックンロールの良心を見せ、それを番組終了後に発展させた。良いのは最高傑作なら「CB Jim」だし、それをフェス時代までつなげた「Love Flash Fever」もすてがたいんですが、バンドブームの名残を残し、ブランキーというバンドの分かりやすい名刺がわりになるとの判断でBANG!を選びました。

前回、まだブランキーが解禁になってないタイミングでピーズを選んだんですけど、これがすごく功を奏して今回も入ってます。これ入れてると銀杏BOYZの代わりも兼ねれるからいいんですよね。

あと、もうひとつ聴けるようになったのでタイマーズ入れました。これが入ることでRCの「カバーズ」騒動の要素が入れられるので渡りに船でした。

その代わりにボガンボスにはずれてもらいました。彼らとか前身のローザ・ルクセンブルク、Newest Modelの京都勢だったりThe Boomって、あの当時のワールドミュージック・ブームも込みに出来るんですけど、今日、グローバルとはいえ、あんまりそうした「ローカルの伝統音楽としてのワールドミュージック」的な需要はあんまり感じられないなとも思って、そこが外した理由のひとつになっています。

そろそろ渋谷系ですけど、その前に日本でのR&B的な展開で岡村ちゃんですね。前ブロックの久保田、玉置と同じ流れではありますが、そこから大幅脱線もするこのパワーの強さが「家庭教師」の伝説的名盤化を可能にしましたね。

そして渋谷系ですけど、もちろんフリッパーズ、オリジナル・ラブ、そして本来ピチカートの代打でのカーネーションだったんですけど、今回も残ってます。高野寛さんも解禁されたので考えたんですけど、カーネーション残しで行きます。


Soul Kiss/CHARA (1992)
Jaguar Hard Pain 1944-1994/The Yellow Monkey (1994)
Life/小沢健二 (1994)
MOTHER/LUNA SEA (1994)
5th Wheel 2 The Coach/スチャダラパー (1995)
ハチミツ/Spitz (1995)
Growing Up/Hi-Standard (1995)
空中キャンプ/フイッシュマンズ (1996)
東京/サニーデイ・サービス (1996)
11/UA (1996)

ここのブロックは前のブロックの成熟ヴァージョンですね。あそこの過程を通ってよりビッグになる人たちですね。

ここは1枚しかいじってないのですが、ここでLuna Seaをいれました。ラルクと交代です。実は前回もこの「Mother」入れたかったんですけど、ブラジルのSpotifyで聴けなかったんですね。僕の場合、V系のバンドだとラルクなんですが、アルバムで1枚だとこっちなんですよね。曲が強いと思うので。Apple Musicでは聴けるので後ろ髪引かれながら前回は見送ったんですが、今回は三曲という限定ながらSpotifyに本格入ったんですよ。なのであえて選びました。これがここに入るとイエローモンキーのアルバムとも連ねやすくもなるし。どっちかというと双方ともはじめの方の作品の方がよりマニア性が強いし。

あとは渋谷系の完成形としてのオザケンと、彼ともタッグ組んだスチャダラパー。スチャはやはり日本のヒップホップ史では絶対に外せないし。

それからスピッツの大メジャー・ブレイクですよね。あれが、あのサウンドのままミリオン・クラスで売れたの衝撃でしたけどね。初期よりもあえて、その売れた感じをそのまま行きたいですね。時期的には本当はここでミスチルの方で「深海」とかの方が話は流れやすいんですけど、その時点だとまだ個人的には成熟足りないかなあと思って次の段まで待ちました。

逆にハイスタがフェス時代に入ったときの邦楽話がしやすいんですけど、こっちも「日本でメロコアか!」の衝撃あった最初の方が好きなので、こっちの段でいれてます。でも、この時期でパンクなら本当はブラッドサースティ・ブッチャーズの「Kokorono」入れたいんですけどね。

女性アーティストもおもしろくなりはじめますよね、CHARA以降。僕は彼女は誰が何と言おうと「女岡村」「女プリンス」と呼ばれた初期に限ります。最初のベスト盤のときまでです。もうひとりジュディマリも嫌いじゃないんですけど、やはり歌唱力とサウンドの先進性両立してて驚異だった頃のUAかな。

時代は渋谷系から外資CD屋推薦の時代になってここから日本の音楽のサウンドがどんどんマニアックになるんですけど、フィッシュマンズやサニーデイには圧倒されていたものです。ダブやトリップホップを通過したRCとも、オアシスと融合したはっぴいえんどみたいというか。そういうのが普通に聴けたんですからね。今やフィッシュマンズなんて世界的にも伝説になってますけどね。このころ、新人レベルでこういうバンド、ゴロゴロしてたのが今考えると信じ難いですね。

High Time/Thee Michelle Gun Elephant (1996)
Please Mr.Lostman/the Pillows (1997)
A/電気グルーヴ (1997)
Fantasma/Cornelius (1997)
Evil & Flowers/Bonnie Pink (1998)
Discovery/Mr.Children (1999)
無罪モラトリアム/椎名林檎 (1999)
Stereo Type A/チボ・マット (1999)
School Girl Distortional Addict/ナンバーガール (1999)
雨に撃たえば disc 2/七尾旅人 (1999)

ここはフェスの時代、才能の世界的な拡大と、あと98年世代ですね。ここも10枚、いじってないですね。

まずは世界的な拡大ですね。渋谷系から飛び出したコーネリアスがマタドールからデビューしたり、チボ・マットがいきなりワーナーからワールドワイド・デビューしてビルボードのアルバムの200位入って、1999年にはどっちも第一回目のコーチェラ出てるんですからね。こうした流れは洋楽聴いてた立場からしてもしたよ。ああいう志の高さ、いまいちどほしいとこです。

あとエレクトロでは電気グルーヴとかも世界規模で動いてたし、Bonnie Pinkが、当時カーディガンズ、のちにフランツ・フェルディナンドのプロデュースで名を馳せるトーレ・ヨハンソンにいち早くプロデュース依頼して世界基準の音作りしてたし。

そして国内見たら97年からフジロック始まって、98年のフジではミッシェルがあの伝説の、6回でしたっけ、中断するくらいの超熱狂ライブ。あの頃、ライブのすごさひとつで話題になって、その勢いを詰め込んだ遠慮なしのアルバムでチャートの上位に食い込む。痛快でしたよ。

ミッシェルもこの少し後にフランスでリリースあったり、同じ事務所で下北沢のインディ番長みたいな存在だったピロウズも00s入って大きなファンベースが海外にできたり、あのときつてドメスティック中心の活動のバンドでも世界基準だったの、今考えてもすごかったです。

チャートの上の方見ても、前段で触れたミスチルが日本で一番売れるバンドみたいな大衆的ポジションでかなり尖ったアルバム頑張ってましたけど、やっぱそれ以上の衝撃は林檎と宇多田ですよね。だって20歳だとか15歳とかで、これまでのJポップ的なポップ感と違うサウンドでいきなり日本の主流になったわけですからね。その影響がその後、20年くらい痕跡残ってるのもすごいことです。しかも彼女らの場合、日本だけでなく、世界的にファンいますからね。

林檎、宇多田は女性版の98年組ですけど、バンドではナンバーガールですよね。こっちもメジャーデビュー直後にRISING SUNのライブで伝説になって、バンドサウンド、歌詞の語感、ギター女子の増加などに貢献したわけですからね。日本のバンド像、変えましたよね。

あと、他の人だったら中村一義かもしれないけど、今そこで彼よりも、カルトアルバム的にあえて七尾旅人を前回選んだんですけど、このチョイスも気に入ってるので変えたくないですね。


3/キリンジ (2000)
Highvision/スーパーカー (2002)
Hell-See/Syrup 16g (2003)
アンテナ/くるり (2004)
フジファブリック/フジファブリック (2004)
Pink/Boris (2006)
空洞です/ゆらゆら帝国 (2007)
Sing/グレイプバイン (2008)
GAME/Perfume (2008)
Uroboros/Dir En Grey (2008)

ここは少し動かしました。Blue Herbとレイハラカミをカットしました。

平成以降、あんまり動かしてないんですけど、ちょっとだけスリムにしました。まずBlue Herb外したのは、ならびで少し物足りなさを前回に感じていて。世紀の変わり目ってヒップホップが売れるようになった時期でひとつはいれたいんですけど、なんかシーン自体で足の引張りあいしてたというか、メジャーで当たったものをディスるみたいな感じもして。本当はメジャーなの入れたいんですけど、ほとぼり覚めて再評価進んだときに考えます。

ハラカミはエレクトロのもの十分入れたからいいかな、という感じです。

ここはシーンが賑わってたとこから一気に冷える時代です。まずは98年組からのサバイバー、くるり、スーパーカー、キリンジ、97年組になるのかなグレイプバインを。メジャー・デビューってことになると、ゆらゆら帝国も98年になるのか。すごい年だな。やっぱ貫禄示してくれたと思いますよ、このあたりは。多くのバンドがなくなっていくなかで。

バンプとかアジカン以降の邦ロックって、前はもっと根強く受け入れられているのかと思いきや、僕のTLとかだと、それ以降のシーンに冷めて「邦ロック」と少し蔑称気味に呼ぶ人少なくないですね。まあ、今のミセスとか聴いてると、痕跡ありますからね。なんかわかる気はします。

そんな中だったらやはりフジファブリックかシロップということなのかなと思ってます。このあたりは前回、さらに2020年に選んだときと同じです。こないだ記事書いたART-SCHOOLも今回ファーストアルバム解禁で考えたんですけど、身内が勢いで入れたと思われると損なので今回は見送りました。

そういう邦ロックより、批評系アイドルの日本でのはしりのPerfumeやV系の異端児的存在からアメリカのニューメタルのシーンに飛び込んで成功したディル・アン・グレイの方が個人的には面白かったのもたしかです。

そして、ここで1枚追加してます。

ボリスです。彼らがアメリカでストーナー・メタル、ノイズ・ロック、あるいはシューゲーザーで成功している話を聞いたことある人もいると思うのですが、こないだ2006年にでた「Pink」ってアルバムのストリーム調べたら、100万ストリーム前後の曲が4曲くらいあるんですよね。これ、日本のバンドのアルバムとしてはかなり多いんです。しかもRaten Your Musicのサイトで彼らを採点する人が2万人くらいいて。これ、本当に海外でうけてるんだな、ちゃんと紹介しないといけないなと思って入れました。Pasteってアメリカの音楽誌がオールタイムの100枚にも選んでます。


ファンファーレと熱狂/andymori (2010)
eureka/きのこ帝国 (2013)
森は生きている/森は生きている (2013)
Monochrome/KOHH (2014)
Obscure Ride/cero (2015)
Pop Virus/星野源 (2018)
Ceremony/King Gnu (2020)
Help Ever Hurt Never/藤井風 (2020)
Powers/羊文学 (2020)
BADモード/宇多田ヒカル (2022)

で、ラストですけど、ここも前回と全く変わりません。一番新しいとこって、一番評価が動きやすいとこですけど、だからこそ変わりやすいのであえて動かしたくないのです。せっかく決めたわけですからね。


でも、これが一番バランスいいと個人的には思うんですけどね。ラストは世界的にも絶賛された宇多田の「BADモード」でプレイリストのラストが「マルセイユあたり」というのはもう当初のコンセプトで決めてたことです。

10年代からのことで言えば、今のメジャーどこで藤井風やGNU、星野源は当然だと思うし、最近の洋楽好きには羊文学最適だと思うし、10s最初の方からのインディ・ギターバンドだとandymoriと国際ウケの良いきのこ帝国、ヒップホップだとついに国外フィーチャリング・デビューしてメガン・ザ・スタリオンとヒット曲まで出しちゃったKOHHも実力的に妥当だと思うし、国内のカリスマでceroと、岡田拓郎の森は生きている。これでいいんじゃないかと。

もちろん、GEZANとかbetcover!!あたりはいつ入ってきてもおかしくないと思うし、僕のアルゴリズムにやたら紹介されるカネコアヤノ、毛皮のマリーズ(ドレスコーズ)、踊ってばかりの国、柴田聡子、折坂悠太あたりもそうだと思いますが、まあ、このあたりのことは数年後にわかるでしょう。

とりあえず、ロック生誕70周年タイミングは、僕はこの並びでいいかなと思ってます。

こちらがプレイリストです。Spotify、Apple Musicの二つで作りました。

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