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The Last Dinner Partyの全英1位が今後にもたらしうる影響について

どうも。

いやあ、やっぱり嬉しいですよ。

The Last Dinner Partyの全英初登場1位は!

これ、今回の規模として、どれくらいのことなのか、語っておきましょう。

①新人での全英1位の際のインパクトはどのくらいか

今回のTLDPのヒット、結構、規模として大きなものだったんですよね。具体的に言うなら、全英初登場1位でありつつ、同時にシングルヒットも出しているような感じ。そういうことで言うなら、過去の例だとこういう規模なんですよね。

こういうところと匹敵するんですよ。2009年の頃のフローレンス&ザ・マシーンや2013ねんのThe 1975やHAIM、こういった人たちも全てデビュー・アルバムが初登場1位のタイミングでシングルヒット、しかもトップ20にはいるひっとをとばしていたのは。

いずれも国際的にかなり大きな存在になりましたからね、これだけでもかなり期待が持てます。

②イギリス以外でのヒットは?

今回のTLDPはここもかなり結果を出しています。

イギリスが1位以外にも、アイルランドでは2位。

そして、イギリスのアーティストのヨーロッパでの成功を占うためのバロメーターがオランダとかベルギーなんですけどオランダで4位、ベルギーで2位です!

ベルギーの場合はチャートが2つあって。一つはオランダ語領域とフランス語領域なんですけど、前者が2位でフランス語が12位。ということはこれ、まだ発表されてませんけど、フランスでもかなり売れそうな予感です。

さらにドイツで15位。ここも大きいです。まずだいたい、ドイツで国際ブレイクのきっかけつかむので。そこから、フランス→スペイン→イタリア→北欧の順番ですけど、今回はまだイタリア北欧の成功まではなさそうです。何の情報もないので。ただ、僕の予想としてはスペインまでは行けるような気がしてます。

あと、イギリスのヒットが出た場合に期待できるオーストラリアで35位。ここも、まだライブで行っていないところでこの成績は立派です。

未知数なのはアメリカですね。Nothing Mattersがアメリカのオルタナティブ・ロックのラジオ局で7位まで上がってはいるんですけど、それだけでヒットが確約できるほど甘いところではないので。ここはまだこれからだと思います。

③アワード系での盛り上がりも期待できそう

ここもだいじなんですけど、結局今回のデビュー・アルバム「Prelude To Ecstasy」、レビュー総合点は


はい!85点!

これは僕の予想を遥かに上回りました。僕の予想、78点くらいだったんですよね。それは僕の評価がそう、というのではなく、以前にも書きましたが、これまでの大型なプロモーション展開が可能な大手エージェンシー所属への揶揄から多少ネガティブ勢力あるんじゃないかと思ってたんで。

それが思ったよりも少ないのは、アルバムがよりスケール重視の作風だったからだと思います。あと、新しさより普遍性を追ったところも。聴いてて1979年くらいの普遍性なんですよね。ケイト・ブッシュ、ABBA、クイーン。この辺りがまとめて思い出される感じだと、さすがにヨーロッパでは激強でしょう。

で、こうなった場合に少なくとも期待できるのがマーキュリー・プライズとブリット・アワードなんですね。ノミネートは間違いないと思うし、その都度、チャートでの再浮上が見込まれますからね。

僕の予想ではマーキュリー取るんじゃないかと見てます。

⑤日本でのヒットも期待できそう!

そして、フジロックの出演も発表されましたよね。

僕、彼女たちにかんしてはこれまで日本に関しては不安でした。なぜなら、発売元がこれまで彼女たちがルーツにして来ているラナ・デル・レイやフローレンス&ザ・マシーンを日本で売れなくさせてしまい、去年もボーイジーニアスのアルバムをグラミーまで出さなかったようなとこだから。

だから「また日本で埋もれるパターンか」と正直思ってたんですよ。

ところが、フジロックの発表の際にTLDP、すごく喜ばれてたんですよね!アルバムを聴いてすごく気に入られた、もしくは高い前評判を耳にしてた人がすごく多かったみたいで僕も驚いたんですよ。

あの感じなら、フジが近づくにつれもっと盛り上がりそうだなと。

やはり、日本の場合、ガールズバンドの方が売りやすいのかな、というのがありますね。国内で流行ってるバンド、多いじゃないですか。羊文学とかいろいろあるし、国の伝統的にも他の国より多いでしょ?あれは結びつけて売りやすい要素になりやすいのではないかなと。「共感」という点で。


⑥「イギリスからのガールズ・ロック・ブーム」の火付け役になれるかも

あと、僕がTLDPに期待してるのは彼女たちだけの問題ではないからです。彼女たちを皮切りに大きなガールズ・バンド・ブームが起こるかもしれない。それを期待しているからです!

この2つの記事でも書いたように、イギリスですごく大きなガールズ・バンド、ガールズ・ロックが今、大量に控えてるんです。

これから向こう三ヶ月くらいで、これだけのアルバム・リリースもイギリスだけであるんです。

この他にもまだあるんですけど、もし何かが成功すれば芋づる式にブームになる可能性もなきにしもあらずです!今、水面下で本当に増えてきているので時間の問題です。

そして、これはイギリスの話だけではなく

これは僕がTLDPを知る2ヶ月前に書いたものなんですけど、アメリカでも本格的なガールズ・ロック、気配はあるんですよ。

いわゆるフィービー・ブリッジャーズやミツキのサッド・ガールズのムーヴメントからインディ・ロックでソロの女性がかなり注目されるようになってきてますけど、それがより明確にロックになっていくのか、バンドに繋がるのか、というのはこのときから僕はすごく気になってたんです。それがTLDPを介してアメリカでも繋がる可能性が見えてきてるんですよね。

これまでなぜか、本格的なガールズ・ロック、ガールズ・バンドのブーム、なぜか欧米では来てないんですよ。イギリスなんてあれだけバンドの歴史があるのに、あそこでもムーヴメントなら何度もあるのにブームはない。

これまで女性フロント、あるいは女性メインのロックバンドで1位というのも多くは決してないんですよね。これはまた、まとめて年表作ろうと思ってるんですけど、その突破口にならないものかと。

TLDPのアルバムの初登場の結果は出ましたけど、歴史が作られるのはむしろこれからだと思ってます。


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