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涙なしには聴けない! フー・ファイターズのアルバム「But Here We Are」の諸々の歌詞

どうも。

全英チャートでノエル・ギャラガーが1位を取れなかったことが大きなニュースになっていますが、それを阻止した

フー・ファイターズのアルバム「But Here We Are」も話題です。


このアルバムなんですけどね。このアルバムは昨年にデイヴ・グロールを襲った2つの悲劇に対してのアルバムです。

ドラマーのテイラー・ホーキンス。そして母親のヴァージニア・グロール。どちらもデイヴの人生には不可欠なつながりを持つ2人。テイラーはデイヴが名ドラマーに育て上げ、ヴァージニアは自分一人の手でデイヴを育て上げ、近年も著書の出版を積極的にやってて、息子と一緒によくプロモーションやってたので有名でしたからね。

 で、このアルバムなんですが、もう各地で大絶賛。AOTYのサイトで85点の高得点を叩き出し、バンド史上屈指に評価されるアルバムになっています。

 ネット上では2011年の「Wasting Light」以来の傑作だ、という評をよく読んだんですけど、僕の聴いた感じだとそんなもんじゃないですね。それこそセカンドやサード・アルバム以来の20数年ぶりの傑作。つまりは最高傑作に匹敵するような傑作です!

 サウンドももちろん素晴らしいんですけど、今回の場合はやはり歌詞、これの存在を抜きには全く語れません。一体何が語られているのか、今回はこれを紹介したいと思います。

Rescued

・アルバム冒頭のこの曲はテイラー・ホーキンスの急死についての心境についての1曲

電光石火のように起こり、どこでもない地点に放り出された
あまりに速くて、あっけなく終わっちまった

お前、俺が考えてることわかってるか?
これ、本当に起こってるのか?

俺たち今夜、救われるのをただ待っている。
俺を救ってくれよ

Under You

・ここ数作であまり聴けなかった王道フー・ファイターズ風のパワーポップ調の1曲。これもテイラーへのオマージュ

俺はお前にもう会えないって言うやつがいるんだ。
それを認めたくない自分がいる
曲とタバコを分け合う光景
それがこれからも俺がお前を思い浮かべる姿だ

Hearing Voices

・アルバム中でもメランコリックな響きを持つナンバー

真夜中、俺は自分に言い聞かせる
こんなに良いことは続かない
誰もお前みたいには泣かない

さっきから声がずっといろいろ聞こえるんだけど
どれもお前のじゃないんだよ

But Here We Are

・タイトル曲は自分に対してポジティヴな考え方を言い聞かせるものに

ヘイ!
心の重荷を下ろすんだ
周りを見ろ
運命
星に書かれてる
腕を組みあえ、俺たちは永遠だ

心なら届けた
でも俺たちはここにいる
お前を心に留めた
でも俺たちはここにいる

The Glass

・アコースティックからの、ややオアシス調のバラード

この嵐が収まるのを待っているんだ
グラスのこちら側で
お前の中で俺の反射、俺の中でお前の反射を見るんだ
どんな感じだい

Nothing At All

・アルバム中、最もパンキッシュな曲

新しい迷信が必要なんだ
絶対忘れないようなやつ
お前の本をポケットに入れる
お前のチェーンを首にかける
俺たちを何も抑えるものがなければ危険かな

Show Me How

・アルバムの大きなハイライトの一つ。娘ヴァイオレットとのデュエットによるシューゲイザー中のコード進行の曲。母に捧げたものと思われる。

どこに行ったんだよ
誰が俺を指南するのさ

ちょっと時間をくれないか
問題なければ、ちょっと立ち寄って
小さな黒い雲を数えたいんだ
心配しないで。頼むから心配しないで

これからは俺が全部面倒見るからさ

Beyond Me

・テイラーに捧げたバラード。自分より若くして、なくなるような年齢で世を去ったことへの悲しみを歌ってます

愛した人達は皆、年をとる
そんな風に教えられたものだ

でも、俺にはわからないよ
お前は永遠に若くて自由なままだよ

The Teacher

・後半を飾る10分の大曲。「先生」とは母ヴァージニアの職業ですが、どちらかというと、悲劇を迎えた自分に問いかける内容。

ヘイ、キッド!明日の計画はどうだい。
どこで目覚めよう。

ボーイ、急ぐんだ
ここで今、お別れだ
世の中には選べないものがある
魂や精霊は動き去っていくものなんだ

Rest

・ラストを締めるのは文字通りのレクイエム

もう、ゆっくり休めるんだよ
どうか安全にね
もう休めるんだ
救われるんだよ

愛や信頼 人生は幸運のゲーム
この時は俺たちのところから去っていき、時は終わる

・・・といった感じです。

全曲に、失った愛すべき人たちへのエモーションがこもっていますが、それがひとりでにアレンジや局長を劇的なものにしていると思います。ここアルバム3作くらい音楽的実験を試していたデイヴ・グロールでしたが、手法でなく、内面から浮かび上がるもので曲が生かされてると思います。

 ぜひ聞いてみていただければと思います。




















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