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ロスが止まらないので、「筒美京平 心のベストテン」発表!まずは、「もうすぐベストテン」。

どうも。

筒美京平ロス、止まりません。こないだの追悼記事、かなりの人に読まれてるみたいで非常に光栄なのですが、僕としてはまだ語り足りません。

ということで今回は

筒美京平、心のベストテン!

これをやってみたいと思います。

順位はこれ、僕の完全なる独断ではあるんですけど(笑)、初心者の人にも入りやすいようなガイドにしてあります。

ただ、ベストテンだけでは筒美先生の魅力は到底語り得ないので、

30位から1位まで発表します!

ただ、やってみてですね、とにかく語りたくてたまらなくなってくるので、今回は

30位から11位の、「もうすぐベストテン」で!

これ、「ザ・ベストテン」見てた人ならわかるネタなんですけどね(笑)。だいたい、普段「トップ10」という言葉を使う僕があえて「ベストテン」というのも、これ、オマージュです。

では、30位から11位、見てみましょう。

30.にがい涙/スリー・ディグリーズ(1975)
29.花とみつばち/郷ひろみ(1974)
28.ロボット/榊原郁恵(1980)
27.愛しつづけるボレロ/五木ひろし(1982)
26.八月の恋/森高千里(1990)
25.恋の追跡(ラヴ・チェイス)/欧陽菲菲(1972)
24.誘惑光線クラッ!/早見優(1984)
23.タイムマシーン/藤井フミヤ(1995)
22.夜明けのMEW/小泉今日子(1986)
21.君に薔薇薔薇・・・という感じ/田原俊彦(1982)

もう、言いたいことだらけ(笑)!

筒美先生といえばフィリー・ソウルで、実際、フィリーの代表アーティスト、スリー・ディグリーズに日本語詞の「にがい涙」歌わせてヒットもしてるんですが、これに乗りながら、主なところを。

今回実は、いしだあゆみの「ブルーライト・ヨコハマ」や稲垣潤一の「ドラマティック・レイン」みたいなど定番曲を外したんですけど、その代わり

五木ひろしのこの曲で、演歌とシティ・ポップを兼ねました。これ、すごいんですよ。五木ひろしの曲なのに、マイケル・マクドナルドみたいなピアノ入ってて。「What A Fool Believes」みたいな。近い時期にYMOが森進一とか前川清にテクノ演歌歌わせてるんですけど、これも創作上、かなり凝ったものです。

あと、「テクノ歌謡」でも注目されることの多い先生ですが、ここで僕は2曲選んでます。まずはその先駆者たる榊原郁恵の「ロボット」。これ、その筋での人気曲なんですけど、ただ、この路線なら、その4年後に早見優に提供したこの曲の方が上な気がするんですよね。

90年代半ばに再評価ブームがあったことは追悼の文でも書きましたけど、僕はそのブームの中心となったオザケンの曲よりも、それと同時期に出たフミヤのこっちの方が好きですね。先生にしては珍しくギター・ロックの曲なんですけど、ちょっとグラムロックっぽくていいんですよね。こういうとこでもすごく器用です。ギター・ロックといえば、郷ひろみの「花とみつばち」のリフはキンクスの「All Days And All Of The Nights」が下敷きです。

あと、ジャニーズに関しては、マッチでなく、トシちゃんと、あと、もうひと組です。なぜか。マッチだと、先生の良さが出てないんですよね。松本隆的には「春夏秋と駆け抜け 離れ離れの冬が来る」とか「覚めた仕草で熱くみろ」とか名フレーズ連発なんですけど、マッチの曲だとリズム感出せないから、ダンス志向の強いトシの曲でより遊んでたような気がします。

では、20位から11位を。

20.また逢う日まで/尾崎紀世彦(1971)
19.九月の雨/太田裕美(1977)
18.原宿キッス/田原俊彦(1982)
17.1986年のマリリン/本田美奈子(1986)
16.真夏の出来事/平山みき(1971)
15.さらば恋人/堺正章(1971)
14.君だけに/少年隊(1987)
13.セクシャル・バイオレットNo.1/桑名正博(1979)
12.ロマンス/岩崎宏美(1975)
11.くれないホテル/西田佐知子(1969)

20位は、早いかもしれないけど、「また逢う日まで」です。この曲、「ソウル」の観点で語る人いますけど、僕の解釈は違います。これ、この比較でもわかりやすくしてるんですけど、未だに語られるチャールズ・ブロンソンの伝説のマンダムのCMソング、ジェリー・ウォレスの「男の世界」に似てるんですよね。そう考えると、ソウルではなくむしろカントリー・ポップなんですよね。さらに尾崎氏のヴォーカルも、どっちかというとトム・ジョーンズとか、ヴェガスのエルヴィスとか、むしろそっちの方だと思うのですが、その雰囲気を完璧に出せた名曲だと思います。

「また逢う日まで」の1971年は先生、再起爆発年でして、平山みきの「真夏の出来事」、マチャアキの「さらば恋人」もヒットさせてるんですよね。

平山君の方はとにかくヴォーカルの活かし方ですよね。「♩かんれの、くるんまーに、のっつぇー」という歌い出しの鼻のかかり方から、「♩むぁなっつの」の「むぁ」のしゃがれた裏声のひっくり返り方。これ、すごい強烈ですよね。筒美楽曲は、こういうシンガーの適正に合わせたヴォーカルの活かし方が絶妙なんですよね。これはベストテンでも語って行くことになります。

あと、まちゃきの方は、なんというか、もう思いっきりフィル・スペクターのウォール・オブ・サウンドですよね。ライチャス・ブラザーズみたいな。大瀧詠一の前に、日本でこうしたサウンドが試されていたわけです。20位台に入れた森高千里の「八月の恋」も20年を経たこの路線です。

ただ、それから15年くらいたった1986、87年も先生はすごく冴えていました。本田美奈子には、明らかに「和製マドンナ」を意識してるのにマドンナではなく、グレン・フライの「You Belong To The City」を下敷きに当時のデジタル化したダンスビートと掛け合わせる技を見せ、少年隊にはスタイリスティックスのようなフィリー・バラードが80sサウンドに載せることができることを証明した。下敷きのもとがありながら、自在に組み合わせを図ることでオリジナリティを確立していたということだと思います。

あと、これも忘れちゃいけませんね。ディスコに強い先生でしたが、「ディスコに挑戦したロック」の日本での咀嚼として、キッスの「I Was Made For Loving You」を桑名正博の「セクシャル・バイオレットNo.1」に転化させてしまったこと。こういう「作り変え」のテクニックでも先生は優れてました。

そして筒美先生が「日本のバカラック」と呼ばれる決定的な理由となっている筒美ファンの基本中の基本の名曲が、1969年に発表した西田佐知子の「くれないホテル」。これ、全体の進行はバカラック調なのに、メロディそのものは洋物ポップスが届く前の演歌に近い日本のメロディ。なのに、サビの最後に「くれない〜、くれない〜」と思いっきり演歌調のメロディから、急にテンポ落として「ホ、テ、ル〜」と洒落たコードをバックにバカラック調に戻るんですよね。これ聞いて、かの細野晴臣氏は脱帽し、この当時はまだエイプリル・フールのドラマーだった松本隆に聞かせた、という逸話が残っています。

というわけで、投稿を改めてベストテンにいきましょう。











くれないホテルロマンス
セクシャルバイオレット
君だけに
さらば恋人
真夏の出来事











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