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「妬みの感情」は使い方次第


「うらやましい」

最近、よくわきあがる感情です。わりと成功している人が周りに多いので、SNSを通じて伝わってくる周囲の状況をみては抱いてしまう、偽りなき自分の気持ち。妬みとも言います。この感情をどう処理すべきか。本を読みながら考えていました。

ちなみに皆さんは、現状に満足していますでしょうか?学校や仕事場において、成績、成果、友達付き合い、同僚や上司との関係性など。大満足!そう胸をはって言いきれる人って、実は意外と少ないかもしれません。その理由をいくつか挙げてみたいと思います。

「楽観バイアス」

人間は、いまより将来のほうが幸せになると、理由なしに思い込んでしまう現象です。成績がアップしたり、給料があがったり、友だちが増えたり、同僚や上司から頼られたり。そんな妄想的な未来と比べていまを不幸に感じてしまうのは生物としての本能がそうさせるようです。私たちは「子孫を残す」という使命がDNAに埋めこまれていて、明るい未来を想像し、いまに満足せずがんばろうと努力する生き物だからです。

「ポリアンナ効果」

明るい未来を想像したとしても、過去の体験が暗いものであれば、未来に向けて前向きに生きていけません。これを防ぐのが「ポリアンナ効果」 過去の失敗、はずかしい体験、思い出したくない過去の自分を小さく見積もる、つまり負の体験を記憶から薄めるような効果が、「過去はいまよりよかった」という気持ちにさせるようです。

「快楽の踏み車効果」

楽しいこと、うれしいこと、感動したことが起こっても、人はその状況や感情にすぐ慣れてしまって、よりよい刺激を求め、その刺激を期待します。厳しい減量、そして大会に挑んだボディビルダーは、大会終了後に爆食いを始めますが、久しぶりに味わう炭水化物、脂質、塩分などの刺激は徐々に慣れて、「もっと食べたい」という欲求を抑えられません。いつまでたっても「いま」を幸せだと感じられないのはこの「快楽の踏み車効果」によるものです。

かように、とりいそぎ「いま」を不幸に感じてしまう私たち。そんな「いま」を見わたしてみると、私たちの周囲には「うらやましい!」と思う人であふれていることに気づかされます。「いま」を極端に悪く見積もる私たち人間に備わった心理状態。上記の深層心理を踏まえてみれば、他人をうらやむのは大小あれど誰しも抱いてしまう感情であることは当然のことなのかもしれません。

とはいえこの感情はやっかいで、妬みを隠そうと思っても知らず知らずのうちに態度に出てしまったり、言葉にせずとも顔が引きつってしまったり、そんな負のオーラが周囲に伝播してなんとなく気まずい雰囲気になってしまうことも。友だちや同僚との関係性がぎくしゃくしてしまえば、明るい未来の実現は遠のいてしまいます。

ではどうすればいいのか?嫉妬の感情にある「メリット」をご紹介すると、少しは気が楽になるかもしれません。実は嫉妬や妬み、「うらやましい!」という感情はほかならぬ、「自分のほしいものを明確にする」コンパスであるということ。私には娘がいますが、「シルバニアファミリーのブランコ買ってもらってん」と見せられても「うらやましい!」をは思いません。ですが、同僚が「1000万円の受注をした」と聞くと感情が動きます。

このように嫉妬の感情というのは、自分がほしいものを相手がもっているときに起こる感情だということ。言い換えると、「自分がほんとうにほしいものが分かる」ことが嫉妬のメリット。だから非常に大切な感情であり、うまく利用するメリットは大きいと考えます。

自分があきらめかけた夢、すでにあきらめてしまった目標。それらを実際に実現している人が身近にいると、おだやかな気持ちになりにくい。そして必死に「否定」する理由を探してしまうのです。ですがそれは、自分の夢や目標を否定することと同義。否定するのではなく「やっぱりそれが自分のやりたいことなんだ」と解釈して行動のきっかけにすべきです。

「成功の連鎖」

成功している人がまわりにたくさんいると、自分も挑戦したくなったり、そのおかげで成功したりする確率が上がると言われています。うまくいっている人を否定してしまうと、うまくいっている人があつまるコミュニティに参加できません。つまり成功の連鎖に関与することができないので、自分の成功確率を下げてしまう可能性があるということ。

くやしい!そう思ったとしても、「いや、この感情はもしかして」とちょっとだけ立ち止まって、冷静に「自分の夢」を再確認してみましょう。そして他者の成功を喜び、祝福して応援することで彼らとの関係性を維持し、成功者のコミュニティに入って影響を受けることが大切です。

もう少し丁寧に知りたいという方は、DaiGoさんの著書「自分を操り、不安をなくす究極のマインドフルネス」を読んでみてください。上記以外にも、メンタルを強化してくれる論理や事例が盛りだくさんです。

久保大輔




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