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競争原理は「社内」ではなく「社外」に置く


在宅勤務は、

移動時間が削減され、
単位時間当たりの生産性を向上させました。

読書の時間が増えたり、
ゆっくり食事がとれたり、

プライベートの充実度アップにも
貢献していると感じます。

ただマイナス面も当然あって、

コミュニケーション、チームワーク、
情報共有など、

対面によって促される
これら諸要素を

今後いかにマネジメントするかが、
マネジャーの重要課題になる

と個人的には意識しています。


■私のように

日本で育って、教育を受けて
社会で働いている人の多くは、

競争の原理

に適応して生きてきました。

学校でいい成績をおさめ、
大学受験を制し、卒業後は有名企業へ。

入社後でも競争を勝ち抜き、
ポジションをつかんで高い報酬を得る。

日本において競争は、

私たちに影のように寄り添って
広く浸透しています。

ですがこの原理、
すべてポジティブに働くかと問われれば、

天邪鬼な私は
シンプルにそれを肯定できません。


同じ能力であるにもかかわらず、

「優秀」「普通」「それほどでもない」

の3グループにセグメントして、
その違いを各グループのリーダーに伝える実験では、

「優秀」という思い込みが

リーダーのモチベーションをあげて
一番高い成果をあげました。

ピグマリオン効果は、
自己達成を予言する力ですが、

「それほどでもない」グループの成果は、
ネガティブなレッテル貼りの影響で

成果はダントツで最下位。


繰り返しますがいずれのグループも、
メンバーの能力に違いはありません。

競争は、

勝者と敗者を生み出す
ゼロサムゲーム。

競争によって、
「敗者」のレッテルを貼られてしまうと、

その後のパフォーマンスに
影響があることが示唆
されたわけですが、

組織全体でみたときに
競争がプラスになるという言説は

ちょっと怪しくなってきませんか?


■成功体験は貴重なリソースです。

ある個人が大きな成果を残したとき、
その方程式は誰もが知りたい

「成果へのショートカット」

ですが競争があおられる組織で
「知識の共有」が促されるかどうかも疑問です。

自分の成果が目減りする可能性は
得られるはずの評価を自ら手放すことと同義。

普通に考えたらそんな簡単に
「成功フォーマット」を開示できません。

ですが

ひとりの勝者が
成果を独占するより、

全員が同じような決断と行動によって、
同じように高い成果を残すことができれば

組織全体の利益は増加するはず。

ひとりでできることは
物理的な制約を受けますが、

人的リソースが増えれば
その課題は解決されます。


組織は相互依存で成り立っていますので、

生産性も業績も、
共同作業から生まれ、

一人のがんばりだけでは
限界があります。

組織の効率は、

各自が進んでメンバーと協力できるかどうか
にかかっているのではないでしょうか。


■デスクでのふとした「おしゃべり」

リラックスした状態で、

変なライバル意識を捨てた
フラットな関係のなかで生まれる会話と、

そこで交わされる情報交換。

在宅勤務で失われつつある
これら貴重なやりとりは、

組織内に
競争原理が色濃く残っている場合を除いて、

組織パフォーマンスに
ポジティブな結果をもたらす可能性があります。

スタッフは大切な時間と労力は、

お互いの「けんか」ではなく
市場で成功するために費やすべきです。

競争原理は、

社内ではなく
社外のライバルに置くべきでしょう。

マネジメントするリーダーは
競争意識をうまくコントロールして、

リーダー自ら共同で仕事をしたり、
情報を共有したり、助け合ったりして

手本を示すことも大事だと思われます。
いつもながら自戒を込めて。


今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました。

それではまた明日。
おつかれっした!




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