映画まとめ(その1)
僕は、サブカルおじさんだから、映画に詳しいと思われて、お薦めの映画を尋ねられることがある。「なにを見たら良いですか?」と。趣味趣向、映画表現の理解度によっても変わってくるから答えに困る。
(でも、いいチョイスをして映画の素晴らしさに触れて欲しい!)
映画は「今、この瞬間の、旬の映画」が正解なんですけど、それを承知の上で、まずは、僕が一番、影響を受けた映画を羅列することから始めたい。
僕が一番、映画に影響を受けた90年代(16歳〜25歳|1990年〜1999年)の映画は、ホントめちゃくちゃ最高の時代だった。映画だけじゃなく、多くのエンタメの転換期。この時代をリアルタイムで体感できて、本当に恵まれていたと思う。
今回は、直近で「お薦めの映画はなんですか?」と聞かれたのが、オシャレで可愛い美容師さん(22歳)だったので、今、見ても新鮮で、シャレ気のある90年代の映画を思いついた順に、ダダーっと10本。それを時系列で紹介していきます。
・ドラッグストア・カウボーイ(1989年)
・マイプラベート・アイダホ(1991年)
・パルプ・フィクション(1994)
・恋する惑星(1994)
・KIDS(1995)
・恋人たちの距離(1995)
・スウィンガーズ(1996)
・トレイン・スポッティング(1996)
・バッファロー66(1998)
・ヴァージン・スーサイズ(1999)
今日は、90年代を代表する監督「ガス・ヴァン・サント」の映画について。
ドラッグストア・カウボーイ(1989年)
とにかく映像が、全編にわたってカッコイイ。舞台は1970年代。ファッションも、全般的に素晴らしい。劇中で使われる「ホームビデオで撮影した映像」がプラベート感あふれる演出だったり、ドラッグの浮遊感を伝える視覚表現が、ものすごくフレッシュだった。
映画ラストのビターな終わり方から、エンディング曲への流れがメタクソ洒落てる。今、見ても最高だ。
もう、今となっては、当たり前に使われてる映像表現だけど当時、あまり見たことがなかった。のちのアカデミー賞を獲得する、ガス・ヴァン・サントの35ミリ映画デビュー作。
大監督になる前の、この頃の方が圧倒的にカッコイイ。
ガス・ヴァン・サント自身、ゲイだと公言していて「その辺も影響あるんかな」という理解しきれない演出も冴え渡る。それが、次作では大爆発する。
マイプラベート・アイダホ(1991年)
前作に続きドラッグ、そして、同性愛と近親相姦も扱った映画。あまりにも「詩的な映像」で描く、初期の大傑作。あまりストーリーもなく、分かりやすいカタルシスもないのだが、そんなのどうでもいいほど「ファッション」も「映像」も「音楽」もキレッキレ。前作『ドラッグストア・カウボーイ』以上に全編、カッコイイ。
当時を代表する「リバー・フェニックス」と「キアヌ・リーブス」をダブル主演に迎えて制作されたロードムービー。
そういえば、この映画には、レッチリのフリーも出演している。ガス・ヴァン・サントは、レッチリのMVも撮っているし。ヴァンサント節と言い切っていい
ガス・ヴァン・サントは、のちに『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997)』で、アカデミー脚本賞をとって、『エレファント(2003)』でカンヌ映画祭のパルムドールと監督賞を同時受賞。
一応『エレファント』も、そこそこお薦めです。ご覧の通りに、カラーバランスが完璧。その映画も、徹底した美意識に裏打ちされたルックが魅力なのかも。
と、この調子で、まだまだ続きます。めちゃクチャ長くなったので、次回に続きます。
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