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ギンリュウソウ

真っ白で神秘的な植物。銀龍草___。

もげた龍の首のようなとっても気品がある形。日を重ねるごとにその純白の美しさは失われていき、銀色の渋みが強い色を醸し出す。

これもまた命の儚さゆえに強く美しい。

今回は繁殖の媒体方法にとっても興味を持った。

実際、地面から10㎝程しか大きくならずほとんど実自体は味がしないので動物に見つかりにくい。

一見繁殖に不向きな感じではあるが、ある生物との相性が抜群である。

それは ゴキブリ(モリチャバネ)。。

相性の具体的な良さを以下に示す。

・単純に美味しくないので実が鳥類・哺乳類の摂食を回避
・実の成熟期が年1回のモリチャバネの羽化期(成虫の出現期)とほぼ一致。
・モリチャバネの生活場所である地表付近に実がなる。
・タネが昆虫の体内(消化管)を通過できるほど微小。
・タネの皮が頑丈で、消化管を通過しても破砕されない

ゴキサイドについても

・個体数が多いことに加え、実によく訪れる。
・生活場所が発芽に必要な菌類のみられる地中近く(地表面)であるため、糞粒もそこに排出されると考えられる。
・タネが排出されるまでの時間が長く、また成虫は飛翔に長けていることから、遠方にタネが運ばれることも起こり得る(しかも、各糞に入っているタネは少数。その結果、より多くの地点にタネが運ばれて菌糸と出会う確率が上がるのかもしれません?)。

これからの期待としては他のゴキブリを媒体とする植物の発見。

日本だけでも50種類のゴキがいるからなー。これからも見つかることでしょう!!

・育て方

腐生植物は育てるのが難しい。菌類の生育環境を整え、それを利用して腐生植物を栽培した例はある。

例えば木材腐朽菌に依存する種であれば適合する菌が蔓延した木材と共に、また他の植物と菌根を形成している菌根菌に依存する種であれば適合する菌と共生している緑色植物と共に植えることで、栽培に成功している例が報告されている。

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