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長崎の何がだめなの?-当事者が人口流出について考える-

2019年10月某日、長崎市役所から移動者アンケートなるものが届いた。

読んでみると、市外へ移住した人の中から無作為に選んでアンケートを送っているという。
アンケートの内容は「なぜ移住したのか」「どこに」「何年前に」「戻りたいと思うか」「長崎市に何が足りないと感じるか」など。

とても貴重なことだと感じたので、思いの丈を手紙に綴り返信しようと思っていたのだが、じっくりやると期日までに間に合いそうになかったので、今回NOTEに綴ることにした。

長崎市のみならず、長崎県の人口流出は全国ワーストらしい。

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/526048/

流出した当事者の目線から書いてみます。

いつ上京したいと思ったか

私は昔からサブカルチャーに興味があった。絵を描いたり音楽を聴くことが好きで天邪鬼。カラスとトンビが飛び交う田舎から出て、新鮮なものに触れたいと思うのは当然の流れだったように思う。

思い返すと小学生くらいの時には漠然と東京に行ってみたいと思っていた。
しかしそれは「旅行で」である。一回は行ってみたい、くらいの気持ち。

中学2年生の頃、ある俳優さんにはまり、ぜひとも舞台を観てみたいと思った。
母にそう言うと「5万円くらい貯めたら行けるんじゃない?」と言ってくれたので、お年玉を貯めた。
うちはお小遣い制ではなく、お正月にもらったお年玉を自分で持っておいて一年間計画的に使っていくスタイルだった。親戚も多かったのでお小遣い制じゃないことに特に不満はなかった。

私は順調にお金を貯め、中学3年生に。
夏に好きな俳優さんの舞台が決まり、親に「5万円貯まったから東京に行きたい」と言った。

が、母は「いや一人で東京なんてダメでしょ」。父も肯定してくれず、舞台は行けなかった。泣いたよね…。
人口流出に直接関係ないただの親子喧嘩に思えるかもしれないが、その出来事がきっかけとなり、私は「絶対に東京に行ってやる!こんな田舎から出ずに死ねるか!」とムキになり、それに向け進路を考えた。

余談も余談だが中3の時に担任の先生と日記をやりとりしていたのだが、それに5万貯めたのに東京に行けなかったことを書いたら担任から「私も演劇に興味があって高校生の時に劇団四季のジーザスクライストスーパースターを観に行ったのよ!」と返ってきてちょっと嬉しかった。

東京に住んでいると鈍くなってしまうが、テレビを観ていても「東京の話ばっかだな」ということがめちゃくちゃ多い。
地方出身者は幼い頃から東京への憧れを植え付けられている気がする。

同級生のはなし。

高校は美術の専門の科があるところに行ったのだが(他のNOTEでも結構言ってますが、母校のデザイン美術科通称デ美科がすごい好きなのです)、同級生の大多数は県外に出た。美術を勉強する学生だったのでちょっと特殊かもしれないと勝手に思っていたが、長崎の若者が県外に流出していると聞いたとき「確かにほとんどいないwwww」と思った。

車ないと暮らせない

長崎から出た人の目線で書いてきたが、長崎に暮らすとしたらどうなるのか。

この文章を書く前にツイッターを介し不特定多数の友達に意見を聞いてみたら、心優しい友達が答えてくれた。

「外で働くと決めて出たから長崎には戻らないと思う、車が運転できないので現実的に難しい」とのこと。

確かに田舎で車を運転できないのはとても不便だ。電車は街の方じゃないと使えないし、バスも時間どおりにはほとんど来ないし、コミュニティバスだって全てをカバーできる訳ではない。

車には維持費がかかる。今の若者にとって車を持つことはかなりハードルが高い。

最低賃金もワーストレベル

長崎県、最低賃金全国ランキングでも全国ワーストレベルの28位、790円。

これでも結構上がった方なんです。だって4年前、時給750円でバイトしてましたもの。

長崎市は家賃が高い。
平地が少ないことがその要因のひとつ。
長崎市中心部なんかはそもそも家を建てることに向いていないのです。

まぁ、駅を出て目に飛び込んでくる、斜面に家が建っている風景も「帰ってきたー‼︎」って感じがあっていいけど。夜景も斜面に家が並んでいるおかげできれいなのだけど。

駐車場付きだと家賃が一気にあがったりするらしい。
調べて知ったのですが、長崎市内のバイク保有率は高めとのこと。確かに車では細い道に入りづらいし、自転車だと坂が辛い。お坊さんが原付に乗ってる光景も長崎あるある。

そんな長崎、対策はしてるの?

すごい人数が移動しているということが分かる資料のリンクを貼っておきます。
一応対策もしているみたいです。
この文章を書くにあたり、プリントアウトして何度も読ませていただきました。

雇用・人口減少対策特別委員会 調査報告書

ここがすごいぞ長崎県

もちろん長所もたくさんあります!
山も海もあって食べ物がおいしい。空が広い。
夜景がきれい。
長崎くんちを始め、長崎ランタンフェスティバルや帆船祭り、波佐見陶器まつりなどなど一年中お祭りがある。長崎の人は祭り好きだと何かの本で読んだこともあります。

長崎でも端っこの野母崎の方はほぼ亜熱帯。派手な色の魚が海を泳いでいて面白い。
あと、これは声を大にして言ってもいい長所、地震が少ない!!!

私が提案したいこと。

ここからは個人的な意見になってしまいますが、一個人の意見として。

圧倒的に文化が廃れている気がします。
長崎には長崎県美術館というおしゃれな美術館がありますが、運営は公益財団法人長崎ミュージアム振興財団というところ。
県がやってる訳でも市がやってる訳でもないのですが、あの美術館はとてもいいです。
ダリの名前がめちゃめちゃ長い絵も収蔵されてます。

野外上映とかやってほしい。水辺の森公園とか平和公園とかで。
演劇も生でたくさん観たい!が、これは集客が見込めないのかなぁ……。
舞台のライブビューイングなんていいですよね。ココウォークではたまにやってるぽいですね。
アーティスト・イン・レジデンスを今より大々的にやるのもいいですよね。
山もあり海もあり食べ物が美味しい、環境がいいのは長崎の誇れるところだと思います。

まとめ

いる人、特に若者は大切にしてあげたほうがいいです。

でも出て行く人は出て行くので、戻りたい時に戻りやすい環境を作ってほしいです。

他の地域にできなくて長崎にしかできないこと、いっぱいあると思います。

最後に。


タワレコくらいあってもいいよね。タワレコ戻ってきてー。


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