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項羽が”ダメ劉邦”に敗れた理由

From 安永周平

司馬遼太郎の小説『項羽と劉邦』は有名ですし、あなたも読んだことがあるかもしれませんが…古代中国の漢王朝を建てた劉邦は、意外なことに戦に出ると負けで連敗街道まっしぐらの”どこからどう見てもダメなリーダー”だったことをご存知でしょうか?そんなダメリーダーの劉邦が、なぜ将としての際に長けていたライバルの項羽に、最終的に打ち勝つことができたのか…そこにはシンプルな理由があります。

将としては失格だった劉邦の美点


幸いにも、軍師である張良、将軍であった韓信が、劉邦を見限らず、君主の器を見出しました。彼らの才覚をもって劉邦は項羽に勝ち、漢帝国の高祖となったのです。では、彼らが見出した劉邦の「君主の器」とはいったい何だったのでしょうか? 実は劉邦のダメさには隠れた美点があったのです。

それは、言ってみれば「人に助けられる才能」です。古代ローマの研究で有名な塩野七生氏は著書の中で「優れたリーダーとは、優秀な才能によって人々を率いていくだけの人間ではない。率いられていく人々に、自分たちがいなくては…と思わせることに成功した人でもある」と言っています。軍師・張良や将軍・韓信に「劉邦に天下を取らせたい!」と思わせる人間力が劉邦にはあったのでしょう。

部下に助けられる一流のリーダー


こう考えると、部下に助けられる才能というのもまた、立派なリーダーの条件と言えます。実際、部下に「自分たちがいなくては」「自分たちがこのリーダーを支えなくては」と思わせることもまた、人間力のなせる業だと言えますよね。部下が積極的に助けてくれるようになれば、リーダーとして一歩、一流に近づいた証です。

事実、項羽は将としての才には長けていましたが、他人の言うことには耳を貸さなかったそうです。プレーヤーとしては優秀だけど、仕事仲間からは信頼されない。そうしたタイプのリーダーは、最終的に人間力のあるリーダーには敵わないということでしょう。これ、コカコーラやジョンソン・アンド・ジョンソンなど6社の社長を歴任した新将命さんの著書で、印象深いエピソードがあります。

仕事力だけじゃ人はついてこない


30代で日本コカ・コーラにマーケティング部長として移った時、彼は仕事では誰にも負けない自信があったそうです。しかし、この時「仕事力だけでは人は喜んで付いてこない」という苦い経験もしたそうなんですね。その悩みを尊敬する大先輩に相談したところ…

「君には仕事の力がある。しかし、君が仕事ができるだけでは、部下は喜んで付いていかない。高い仕事力に加えて、高い人間力も備えている上司の後に、部下は喜んで付いていくのだ」

と教えられたそうです。部下が喜んで付いてくるリーダーには、権威や信用、信頼を含む「人間力」がなくてはならないことを身を持って知ったのだ…と。そして、ピーター・ドラッカー、デール・カーネギー、安岡正篤のような、人間力があると見込んだ人の言動を徹底的に研究し、その言動を真似たそうなんですね。

「学ぶ」とは「真似ぶ」です


新氏は「人間力のある人の言葉遣いや行動を真似ることで、その人の人間力を『真似ぶ』ことができます」と言っており、それこそ歩き方や表情までとことん真似したそうなんですね。そうして数ヶ月経つと、部下から「新さんは変わった」という声が聞こえ始めたのだとか。少しずつ、しかし着実に、よそよそしく冷たかった部下の態度が、明るく楽しげなものに変わってきたそうです。

この話、なぜ僕が印象に残っているのかというと…レベルは全く違いますが、僕が同じような経験をしているからです。前職である事業部のマネージャーをしていた頃、チームのメンバーと上手くいかずに悩みに悩みまくっていました。仕事を任せられる人間がいないから結局は自分が実務をしていること、それでも業績が伸びないのが苦しいこと…などなど。

人間力を高める決意をしてから…


その時、僕も同じように先輩に相談し、大切なことに気付かされました。そう、マネージャーをはじめリーダーの立場にいる人は「人間力」を磨かなければいけないことに。人間性を磨き、部下と信頼関係を築かなければ、チームを率いていくことなんてできないのです。居酒屋でそれを痛感したあの日、僕は「変わらなければならない」と強く思いました。そして、同じようにリーダーシップやマネジメントの書籍を読み漁り、真似したんですね。

その後、僕も色々と真似をしつつ試しては失敗しながら、紆余曲折ありながら実践して1年半、2〜3人の部下と話していた時に「安永さん、変わりましたね」という言葉をかけてもらった…と。繰返しますが、レベルは全く違えど、新さんのエピソードと似ていたのでとても印象に残っているのです。自分のやったことが間違ってなかったんだな、と嬉しく思ったものです。

ただ、僕が色んな本を読んで試し、上手くいったことのほとんどが”ボブの教材に9割方網羅されている”ことに気づいたのは、この教材制作してる時だったんですよね(苦笑) だから、もしあなたがリーダーとして人間力を高めていきたいと思っているのなら…本当にこれはオススメです。僕みたいに大きく回り道しなくて済みますし、取り返せない致命傷も避けられますから。

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