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流行りの粉と心の骨折

いつもお世話なっています。

あらちょっと花粉舞すぎじゃなあい? (オネエ)毎年こんなに飛んでたっけってくらい今年はひどい。そんな気もするけど毎年のように誰かが言っているような気もする。花粉症じゃないという自負があったけど、”夢は口にすると現実になる”みたいに、「花粉症な奴は全員ザコ。俺?花粉症全然平気どぅわぁ〜」とちょづいていたらついに今期、鼻、目、喉が全滅…どうして…。このザマである。

急に暖かくなり、本気を出してきた森は恐ろしい。みんなも気をつけよう。

それにこのご時世、くしゃみとコロナの飛沫感染は相性悪すぎるだろ。今の医療科学だったら花粉症を半永久的に1発で治す薬を開発できるんだろうけどね…(グレーゾーンかも消されるかも)

数日前の朝。あいみょんが言ってた”健康的な朝だな〜♬”ってのはこれのこと、まさにこんな時に君の愛してるが聞きたい程の陽気のいい朝だった。しかし、むずむずとした痒みと腫れっぽい違和感と共に起床。あれ風邪か?コロナか?いや違うこれは…パターン青、アレルギー反応です。なぜだ!いったい何に!?

そう。花粉である。

外へ出る事は自殺行為とも言える。なぜ人は働かなければならないのかと思いならがも自宅の扉を開け、早速合法的にやばい粉を鼻から吸引してちゃんとダウナー。鳥のさえずりが反響してる。流行の粉でキマってる証拠。さあ”社会人”のマスクを着けて、”大人”というフルフェイスのヘルメットを被り、会社へ向かわねばならない。

そんな僕は中学11年生。末期の厨二病。

花粉舞い散る中で視界にまず入ったのはここ2週間で雨風と砂埃と花粉によってあれ?砂漠かな?と勘違いするくらい汚れていた僕の車だった。車体が黒色なのもあって余計目立つ。

(そろそろ洗車しないとなあ。でもしばらく風強いんだよなあ。)

アレルギーに支配された思考回路を復旧していく。

基本的に晴れの日の通勤はクロスバイクを使っている為、僕の車はふてぶてしく駐車場に鎮座することとなった。

(仕事から帰ったらやっぱり洗車しよう…!) 

どうして泣きたくなくても涙と鼻水は止まってはくれないのだろう。まるでこの地球から除け者にされて本能的に受信したとでも言うのか…やっぱり僕は世間には馴染めない人間なのかも知れない…とことんバッドトリップに入りながらも仕事場で作業を始めた。

本日は、上司と2人で各々ハイエースに荷物を積む単純な作業だ。僕がトランクから大物を積み込み終わったと同時くらいにスライドドアの方で上司の絞り出した一滴の雫かのような表現し難い声が聞こえた。

漫画で言うと「……ッ!!!」ね。まじでこれ。

スライドドアの方に回り込むと、上司は絶句フェスティバルでも開催したのかと勘違いしたくなるほど激しく踊り回っていた。その芸術的なダンスを観て感動した訳でもなく今僕の目からは涙が出ている。(花粉)

どうやらスライドドアに指先を挟んでしまったらしい。

よく見ると軽く出血を伴い第一関節が曲がっている。うっ、これって…息が詰まる…(花粉)

社長に報告したらすぐさま病院に行くことになった。じゃ俺は事務所で資料整理でもするかなあ〜と思ってた矢先。

「こしばくん、上司乗っけて病院連れてってくれるか?」

「わかりー、ました。」えぇー俺っすかー!?人生でハイエースなんて運転したことないのに!

基本、現場まで上司が運転してたので今の今まで助手席に座ってスカしてた借金今ここで取り立てっすか〜!?もうちょっと待ってくださいよ〜

社長は「大丈夫か?行けるか?」と何度も確認してくれたがこちとら覚悟決めた僕は「バーロォー、ハイエースの運転はハワイで親父に習ってるから大丈夫だよ!」とまさにせやかて工藤状態。(今回ははスベってもズビっても全部花粉の調子が悪かっただけにできるから楽でいいな。)

高校の頃にクラスの女の子が過呼吸で突然倒れてクラスがパニックになったことをふと思い出した。その時僕も同じように混乱していたし何とかしなきゃいけないという気持ちだけが前のめりになりとにかく動き回った。多分3分くらいの出来事なのに20分以上経った感覚がした。焦りまくった僕が滑稽だったのか事態が収束した後に僕の慌てぷりを真似していた女の子達は小馬鹿にしていたのだろうか。それとも倒れた女の子よりもあんまりに笑いに欲しがりな僕にスポットライトを当てて頂いたのかはわからない。

コシバは学生時代、自分の悪態のせいで固定のアンチを抱えていたから今更弁明するつもりはない。ただ一つ言えるのはただ野次馬のように突っ立ってるデクの棒の人間と根拠もなくとにかく動いた人間では正当なのはどちらなのだろう?人間は愚かで醜い瞬間が1番偽りがないと思ってるから普段キャピキャピしている彼女達はどんなに欺いてもそう言う時に本質って出ちゃうんだよなあ。

でも青春の前では、群れがとにかく最強、どんな善意も捻じ曲げる。少数派の正義は悪である。どんなに声を荒げても集団には勝てない。野球部に所属していた僕が言うんだから間違いない。

話し合いは大好きだし、喧嘩するくらい言い合いになれる人は中々いないから貴重な存在だ。でも最終判断が多数決は納得ができない。何となく決まって何となく進んで何となく終わる。何がおもろいんだこれ…。

当時、経験も冷静な判断も小馬鹿にする女の子達を受け入れる度量も無くて、自分にも彼女達にも煮えたぎるような負の感情が湧いた。(お前は本当に小せえ男だな)

また、社会人になった僕は3年前に仕事中に左親指の先の肉片をナイフで切断しかけたことがある。血が吹き出て、すぐ病院にいけない環境に置かれていた事もあり、将来完治せず指先がくっつかない焦りと恐怖を感じた。親指を立ててgoodのポーズは出来ないかもしれないと。こん時ばかりはあまりの痛みでちょっと涙出た。(花粉はかんけいありません)

そして今回の緊急を要する事態は、近くの外科をピックアップし事前の問い合わせも行い迅速で冷静な対応ができた自分を褒めてあげたい。讃えてあげたい。「誰も称賛しないのならば自分でアピールしたっていい…!」ぺこぱ。

大学デビューの恋愛くらい甘ったるい評価をしたことを許して欲しい。んー、もしかしたら周りが見えていなかっただけで青春時代の慌てふためくチャップリンコシバとおんなじだったのかも知れない。だけど心の片隅にある拗らせた自己嫌悪が少しだけ解けたように感じた。

上司が診察室で治療を受けている間、待合室に座っている僕の時間はただの虚無でしかなかった。はっとしてこの時間を無駄にしてはいけない…!だから一応マッチングアプリで出会いの確率だけは事故でもいいからあげといた(不謹慎だなお前、痛い目合うぞ)

その日は上司を家まで送り届け、定時よりも早めに帰宅することができた。最高だ…嬉しすぎて涙が出る(これは花粉)

すぐにこの世に順応する為の邪魔なマスクとメットは脱ぎ捨てた。

ただいま。

朝よりも花粉のファンデーションを分厚くなった愛車が待っていた。化粧と汚れを落として保湿保湿。エンジンをかけます。

ブヴォオオン!!

鼓膜を通じて内臓まで重低音響きが心地いい。

今日、上司は骨折してしまったけれど過去より一歩自分が成長していることがはっきりと分かる一日だったので気分がとても良かった。

洗車場に着くと誰一人いなかった。自分と車だけの空間には料金案内のアナウンスと水の音だけ。花粉もぶっ飛び最高にハイだ。だんだんと綺麗になっていく漆黒のボディに自分の姿が浮かび上がるのはなんだか車を通じてもう一人の自分と対話しているようだった。(さすがにキザに書きすぎだから…頼むから読者がいるなら一思いのツッコミで殺してくれ)

1時間程経った時、洗車場に一台のクルマが入ってきた。開いたドアは3枚。男、男、女の3人組。おーっと。突然不穏な空気が漂い出す。歳は自分よりも若い20歳なりたての大学生ぽい雰囲気の男女達。いやよくみたらもうノリがThe 大学生。(ゆかり、飲んでなくない?Wowwow)洗車も3人ですれば楽しいZE⭐︎ウェイ♬みたいなニオイがデヴィ夫人の香水くらいプンプンと毛嫌いセンサーを刺激してくる。

ついには洗車中にホースで水を掛け合ったりとはしゃぎはじめて、まるで売れないMVのだっさいワンシーンを見ているかのよう。今までその洗車場での主役は他の誰でもなく僕だったのに一気に「洗車をしてるお兄さんA役」に成り下がった感覚がしっかりとあった。綺麗に拭き取った車にも水飛沫がかかってきた事に負の感情で作った拳銃の弾を1発、また1発と込める。銃口を向ける先はもう分かっている。あとは引き金を引けばいいだけの状態にはなっていた。

でも、振り返ってみれば自分も気づいてないだねでたくさんの人に迷惑をかけてきたのかも知れない。いや、迷惑をかけてきている確信的に。そんな僕が威嚇射撃をしたところで、あのキラキラした青春の前では「ピストルのオモチャを持って怒ってきたおかしな人」くらいにしか思われない。

これが格差社会か〜。

僕は空気を読めないとか偏った思想とかわがままとか偏った思考とか人としてたりてなかったから選ばれてこなかっただけでいや、現在進行形でずっと選ばれない人間だからこそ妬み嫉みの劣等感をボロアパートで3Pしてそうなあの3人組に抱いてしまったのだろう。

人生で関わる人間ってのは徐々にふるいにかけられていく。案外自分が思ってるよりもサクッと簡単に仕分けされていくし、選ばれなくなったらずっと選ばれない。そうならない為に必死に褒めて、偽って満たされたいと見返りを求めながらも繋ぎ止めようとしなくてもいいのではないか?ちゃんと話し合いを設けても理解できかったら残念だけど諦めよう。人は変われるし話せばわかるし許せる心を持っている。

キリトリセン偽善者。

理解しようとする心が愛なんだ。(俺がほざくとなんだか浅はかだなσ(^_^;))

やってらんねえな。くそがよ。

もう選ばれないなら選ばれないなりに踊ればいいし、負け犬なら負け犬なりの吠え方をすればいい

あの3P大学生を見て嗚呼、こういう人生はもう僕には無理そうだなあと、ぼやけた視界(花粉)ながらにしっかりと心の骨がポキッと折れる音がした。

全治不可能な複雑骨折。

優先優遇されない、人望足りない、同じ熱量で話せない。傲慢なんだよ、わがままなんだよ、てめえはよって思うかも知れないけど実際選ばれてる人達が身近にわんさかいるからこそ”じゃない方”(選ばれなかった方)の世界が見えるんだよな。

車はピカピカになったけど、心はモヤモヤなった出来事だったな。

いつもよりも少しだけアクセルを強く踏んでどこにも寄らずに家に帰った。

1P。

そういえば、最近「こじらせ女子大生」と知り合いになったんだよね。類は友を呼ぶじゃないけどその子日々の生活にヘイトを溜め込んでるからなのか過去のトラウマがあるのかは分からないけど嘆きが純度100%で尖って散らかしてんだよなあ。まともな人ならダメだわ…こいつ。ってなるんだろうけどつい好奇心と共感で重たーい開けづらい扉をノックして覗きたくなるんだよなあ。

来月はその対談について書こうかと思ってます。

ヘックション。

では、また。


P.Sこの記事を書き終わった後、突然友人から飲みに誘われたのでとてもありがたかった。心の叫びが届いたのかも知れない。だんだん年齢的にも疎遠になっていく現実から目を背けていたのかも知れない。久々に腹から声出して笑ったなあ。オチのない話も大切。



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