テレビ東京#100文字ドラマ「月がきれいですね」

テーマ
ある日「すき」という単語が日本から消えた。髪を短く切った彼女、結婚記念日を迎えた夫婦、毎日一緒にいる愛犬、推しのアイドル、集めている漫画作品、片思い中のクラスメイト。「すき」以外で気持ちを表すには…?

プロット

2042年。令和元年に生まれたベビーたちが大学を出て社会人となった。
日本は世界に習い、就職時の年齢記入が削除され「何ができるか」と言う具体的な能力が競われる言わば本来のあるべき姿にやっとなりつつあった。それによって、就活、経団連が定める「6月本選考スタート」のような解禁、その他面談のためのロープレ、海外留学など小手先の小細工は既に鳴りを潜めた。また仕事のAI化、海外労働者の進出も激化し学生たちは大学受験後、入学前から能力を身につけるための勉強を始める。平成時代に言われた「就職氷河期」よりもっと過激な「令和就職アルマゲドン時代」の幕開けとなった。彼らは平成バブル期と比較され、結果バブルのほうが揶揄される対象となっている。バブル期に20代だった若者達は既に70代に到達した。ヨーロピアンスーツあるいはワンレン、ボディコンといったバブルのいで立ちは何回かのリバイバルを経てまた「ダサい」エリアに落ちついていた。それでも、元気な70代達はその時代を引きずりつつ、現在も六本木や麻布界隈の繁栄に寄与し、なけなしの年金をディスコやカラオケに落とす「なけなし族」と呼ばれ、流行語大賞にノミネートされた。バブルが消費、浪費であるなら、アルマゲドンは堅実であろう。言葉は如実に物語る。合コン、ナンパ、一気、アッシーくん、メッシーくん、財テク、しょうゆ顔、ソバージュ、ディスコ、花金と枚挙にいとまが無いそれらの語群はことごとく死語となった。そして時代は堅実さの象徴の証としてあろうことか「好き」までもパンドラの箱に封印した。「好き」は死語になった。
ある日、日比谷公園の片隅のベンチで「テレワーク」が完了し、15時に直帰報告した直樹が久しぶりに加奈子に連絡した。彼女は最近老朽化が著しい虎ノ門ヒルズにある税理士事務所に勤務している。加奈子からOKの返事をもらい、直樹はそのまま加奈子の事務所まで歩いて行った。直樹と加奈子はそのまま東京タワーを目指して歩く。令和になり少子化とそもそもの非婚が加速したため、ここ10年来「結婚」はAIが最適なパートナーを探してジョイントする「アレンジマリッジ」が結婚する99%のカップルの常識となっていた。直樹と加奈子はAIに決められたそれぞれの相手が就職と同時に発表された。パートナーは互いに加奈子と直樹ではなかった。彼らはそれに対して何の疑いもなく了承した。そして、来月それぞれの相手との幾久しい「結納」となった。歩きながら、なんとはなしに話をしているとふとお互いにある感情に気がついた。いてもたってもいられなくなり、浜松町から2人はモノレールに乗って羽田へ向かう。「大昔、映画がまだ35ミリフィルムで製作されていた時代に、小学生の男の子と女の子が結婚するため大人を振り切ってトロッコをこいで逃げる、というのがあった。10歳くらいの頃観たんだけど、どうもその後どうなったんだか気になって仕方がなかった。加奈子、どうなったと思う?」「さあ、あたしも見たけど。そのまま家に帰ったんじゃない?だって。子供だからお金も持ってないし。」「僕らはお金は持ってる。」「じゃあ、どうしようか」答えが無いまま国際線の出発ロビーに着く。「ここまで、かな。」と直樹が言った。「え?お金が足りないってこと?」「だって、明日仕事。」「このままバンコクまで行ってテレワークすれば?」ふと、目の前に白髪をやや長めに無造作に伸ばした老人が座っていた。「あんたたちはどちらまで?」「いえ、そういうんじゃなくて」老人はアレンジマリッジで他人と結婚した昔付き合っていた女性と駆け落ちするためにここで待っていた。直樹と加奈子は驚き老人に言う。「多分来ないよ、その女性。」しかし女性は来た。2人を見送り、直樹と加奈子直樹のばあばン家に行く。「やっぱり、ダニエルとメロディはあの後家に帰ったんじゃない?」最後まで好きと言う言葉が口から出てこなかった。この衝動は何なのかわからなかった。わかっていることは、直樹も加奈子も来月の「結納」は実施すること。2人はよく晴れた夜空を見上げた。
加奈子が言う。「月がきれいだね」直樹は頷く。
朝。加奈子は目が覚めた。隣に直樹が寝ている。時計を見ると「2020年1月22日(水)AM6時」令和ベビーはまだすやすや寝ているようだった。

キャスト

直樹 20代男性。真面目で勉強家であり仕事熱心な青年。かつ正直。アルマゲドン世代。令和元年生まれ。損害保険会社おいおい損保企業営業第二部三課勤務。
加奈子20代女性。これまた真面目で勉強熱心で仕事も一生懸命。令和元年生まれ。虎ノ門ヒルズにある税理士事務所勤務。アルマゲドン世代。髪は長い。
崇  70代男性。1970年代生まれ。バブル世代の化石的な老人。ただしとても元気。病気たる病気はしたことがない。「なけなし族」の典型。
由美 60代女性。アレンジマリッジで別の人と結婚した。若い頃付き合っていた崇と再会し付き合い始めて駆け落ちする。髪はショート。「なんとなくクリスタルのかとうかずこ風60代」

シナリオ

日比谷公園。冬にしては暖かい午後3時。穏やかな陽射しがさす。時間が過ぎるのが遅いのではと思えるくらいに心地よい。直樹はスーツではなく、ポロの紺ブレにオフホワイトのコットンパンツ、G.H.BASSのローファーといった格好で、お昼頃からBLOSSOM & BOUQUETのサンドイッチ、コーヒーなどを買い込んでベンチに腰掛け食べながら代理店との打ち合わせ用の資料とアジェンダなどを製作していた。そして、送信。その後ハングアウトを上司に送った。

直樹ハングアウト(テレワーク完了。本日は6時からのフレックスなのでNRします。)

すぐ上司から返信があった。

直樹の上司ハングアウト(了解しました。内容見ました。大丈夫です。お疲れ様でした。)

直樹「そうだ。加奈子の事務所近かったな。」
ベンチに座りながら、加奈子にLINEを送る。
直樹LINE(ただ今、日比谷公園で業務終了。出れそう?)
加奈子LINE(了解です。30分後に3階のThe 3rd Cafeに行きます。)
直樹LINE(時間中だけど?)
加奈子LINE(ここんところ残業続きで。税理士がサブロク協定違反じゃ話にならないでしょう。詳しくは後で。虎ノ門ヒルズけっこうややこしいのでわかんなかったらLINEください。)
直樹LINE(了解です。)

築30年を超えた虎ノ門ヒルズは、少し老朽化が目立ち始めていた。The 3rd Cafeにて。
直樹がコーヒーとまたサンドイッチを頼み食べている。

加奈子「お待たせ。迷わなかった?」
直樹 「あ、大丈夫。ここ来たことあったし。ごめんね。急に。」
加奈子「いいの。本当に残業続きで調整したかったんだ。」
直樹 「体大丈夫?」
加奈子「疲れたよーーー。ていうか、直樹お昼まだだったの?」
直樹 「いや、これデザート。」
サンドイッチの中身はフルーツだ。
加奈子は、まあ、それにしてもよく食べる!という顔で直樹を見る。
直樹 「今日、母校の学生の就職訪問があった。」
加奈子「へえ。どうだった。」
直樹 「けっこうガッツリ勉強してきてた。今の学生はどんどん能力が上がってきてる感じ。会社に入ってきたら、負けそうだよ。いやあ、完全に負けるな。」
加奈子「あたしら、令和元年生まれ世代も無能おばさんって言われそう。令和二桁世代が出てきたらねえ。」
直樹 「令和天皇は真面目で勉強熱心だし、皇后も能力高いよね。英語は話せて普通だし。元外務省のキャリアだったんでしょう?そもそもハーバード、東大コース。天皇さすが。」
加奈子「今年2042年か。えーっと、西暦から018(レイワ)を引くと令和年号になるんだよね。令和24年かあ。歳食ったなあ。」
直樹 「今日、どうする?」
加奈子「夕飯までまだあるし。あ、昭和探訪しない?」
直樹 「え。平成すっ飛ばして、昭和?」
加奈子「東京タワー行こう。」
直樹 「あーー。こんなに近いのに行ったことなかった。」
加奈子「行こう!」
直樹 「じゃあさ、広尾のばあばン家に寄りたい。」
加奈子「いいよ!」
直樹 「じゃあ、全行程徒歩ということで。靴大丈夫?」
加奈子「事務所出たらスニーカーだよ。ていうか今時パンプス履く人っているの?」
直樹 「なんか、昔のドラマに出てきそうな、感じ?」
加奈子「そう。あれ、バブル世代。今もいるらしいよ。」
直樹 「バブルかあ。中学の時、日本史で習った。高校受験で出たよね。」
加奈子「出た出た。お立ち台だっけ。女の人が台の上で踊る?動画教科書に映像が出てた。洋服なんて裸みたいだし。あれって、クロマニョン人のリバイバルかと思った。だってさ、歴史ってくり返すでしょう?」
直樹 「(笑って言葉にならない)ボケるにも程があるって。」
2人は愛宕神社を左に見て直進。
直樹 「愛宕神社ってけっこう普通に山なんだよね。ビル街のど真ん中に。」
加奈子「お参りに行こう!」
直樹 「えーーーー。階段すごいよ。」
加奈子「食べてばっかいないで、少しは動いたら?」
愛宕神社の山頂に当着。
加奈子M(ちなみに標高26m。頂上へはかなりきつい。ほんと!)
2人は神社でお賽銭を投げてお祈りをした。
直樹、加奈子「祓え給い、清め給え、神(かむ)ながら守り給い、幸(さき)わえ給え」
直樹 「小さい頃、加奈子も一緒にばあばとよく来てお参りしたよね。加奈子、何をお祈りしたの?」
加奈子「うん。来月の結納が滞りなく済みますようにって。」
直樹 「あ、僕も。結納って緊張するね。旦那さんになる人ってもう会った?」
加奈子「まだ。直樹は?」
直樹 「まだ。来週、食事会があるんだよね。そこで。」
加奈子「なんか、正直ちょっと怖いって思う。」
直樹 「うん。まあね。就職とは違うからね。」
加奈子「ねえ、このアレンジマリッジって、始まったのって10年ちょっとなんだってね。」
直樹 「これも教科書に出てきた。人口減と結婚の高齢化、非婚、少子高齢化対策として2028年に政府はAIによって最適なパートナーを探してジョイントするアレンジマリッジ法を施行。20歳を超えたら、マイナンバー情報からAIが検索してパートナー決定通知書が該当者に送付される。ってね。現在、ほぼ100%がアレンジマリッジによって結婚に至り、優生遺伝子による高能力の子供が生まれてる。」
加奈子「なんだか、怖い。」
直樹 「え?AIの決定は絶対だし、間違いないはずだよ。加奈子の将来のためだよ」
加奈子「直樹は怖くないの?」
直樹 「怖いといえば、怖いけど。でもさ、子供の頃乳歯がグラグラして抜けたの覚えてる?上の歯は縁の下へ捨てて、下の歯は屋根に投げるってやつ。縁の下、ってなんだっけ。縁の下・・・まあ、初めて歯が抜けるのって痛いけど、怖いけど抜いてしまえば楽になる。で、今度は強い永久歯が生えてくる。あれと同じじゃない?」
2人は少し沈黙する。
加奈子「直樹、このまま羽田行って、どこか遠くに行かない?」
直樹 「・・・・・いいよ。」
加奈子「なんか、今日、あたし変。こう胸がきゅんって痛い。」
直樹 「大丈夫?」
加奈子「直樹は?」
直樹 「実は・・・・うん。同じ。」
それから2人は黙ったまま予定変更、浜松町へ行きモノレールに乗った。
モノレールの車中。人気はまばら。
直樹 「大昔、映画がまだ35ミリフィルムで製作されていた時代に、小学生の男の子と女の子が結婚するため大人を振り切ってトロッコをこいで逃げる、というのがあった。僕が10歳くらいの頃Netflixで観たんだけど、その、逃げた後どうなったんだか気になって仕方がなかった。加奈子、どうなったと思う?」
加奈子「さあ、あたしも見たけど。そのまま家に帰ったんじゃない?だって。子供だからお金も持ってないし。」
直樹 「僕らはお金は、持ってる。」
加奈子「じゃあ、どうしようか」
答えが無いまま国際線の出発ロビーに着く。多くの旅行客が行き来している。
黙って立つ2人。
直樹 「ここまで、かな。」
加奈子「え?お金が足りないってこと?」
直樹 「だって、明日仕事。」
加奈子「このままバンコクまで行ってテレワークすれば?」
目の前に白髪をやや長めに無造作に伸ばした老人、崇が座っていた。
崇  「あんたたちはどちらまで?」
直樹 「いえ、そういうんじゃなくて」
崇  「そうか。」
直樹 「どちらまで?」
崇  「タイのチェンマイまで。もう1人を待ってるんだ。」
直樹 「そうなんですか。」
崇  「あんたら、駆け落ちなんじゃないか?」
直樹 「え?今なんておっしゃいました?」
崇  「駆け落ち」
直樹 「・・・・意味が・・・」
崇  「いや、若い奴らはアレンジマリッジ法でほぼ100%結婚しているようだが、ほぼ、だ。同意できない奴もいる。あんたらはそれで逃げだしたのかと思っただけだよ。」
直樹 「それは、多分そうなんだと思います。多分。」
崇  「あんたら、お互いに好きなんだろう。」    
直樹 「え?・・・す、き?それも意味が。」
崇  「聞いてはいたけど、“好き”が死語になってるなんてな。俺は平成の時代に海外勤務が多くて日本の状況がわからなかったし、この変化についていけなかった。」
加奈子「アレンジマリッジ法って合理的だし、人口が減少し続けて生産性が低下したこの国の救世主だと思うんです。だって、悪いところが見当たらないし。」
崇  「本当にそう思ってるのか?お嬢ちゃん。」
加奈子「それは。」
崇  「俺らの時代はバブル世代と呼ばれて贅、いや消費の限りを尽くした。それ自体は愚かだったと思うよ。本当に。ただ、今の世の中はもっと狂ってる。」
テロップ
現代までわずかに棲息しているバブル世代は、なけなしの年金を浪費に注ぎ込む「なけなし族」と呼ばれ、揶揄されている。
直樹 「狂ってるんですか?」
崇  「その証拠にあんたらは今ここにいる。本当は逃げたいんだろう。」 
直樹 「いや、逃げるなんて。明日仕事だし。」
崇  「どうせ通りすがりの他人だ。本音を言ったらどうだ。」
加奈子「胸が痛いんです。」
崇  「ふふふ。いいぞ。」
加奈子「何が?」
崇  「お前はどうなんだ。(と、直樹を見る)」
直樹 「本音、ですよね。そう、痛いです。実は先週、僕たちにパートナー決定通知書が来て。来月、それぞれ結納なんです。」 
崇  「何てことだ!!お前らそれでいいのか。」
加奈子「・・・・良くないと思います。」 
直樹 「え?」
崇  「俺は女と駆け落ちを、あ、“逃げるため”にここにいるんだよ。」
加奈子「え?」
崇  「女は昔俺と付き合っていた。だが今は他の男の妻だ。」
直樹 「アレンジマリッジで」
崇  「だから。俺は決めた。気持ちに嘘はない。女を奪って逃げる。」
直樹 「・・・・その方、まだ来ないんですか?何時に待ち合わせですか?」
崇  「・・・・・」
崇は頭を左右に振って、気を紛らす。
3人黙った。音は空港の雑踏だけ。国際線ロビーの俯瞰。そこに、カツカツカツとヒールの音。
由美 「ごめんなさい。待ったでしょう?」
崇  「髪を切ったのか。」
由美 「うん。」
崇  「さ、時間がない。行くぞ。」
由美は直樹と加奈子に目線をやり「誰?この子たち」という顔をした。
崇  「行こう。あ、無駄話に付き合わせて悪かった。」
直樹 「あの、お気をつけて!お幸せに。」
加奈子「お元気で!」
崇はガッツポーズをする。崇、由美はチェックインカウンターへ急ぐ。
しばらく言葉も無く、直樹と加奈子はその場にいる。

直樹 「・・・あの2人、やっぱり行かなかった、ってこと無いかな。無いよね。」
直樹 「やっぱり、ダニエルとメロディはトロッコで逃げた後、家に帰ったんじゃないかな。」
加奈子「もういいよ。」
直樹 「・・・・まだ痛い?」
加奈子「うん。」
直樹 「僕も。これ、病気か?」
加奈子「バカ。」
直樹 「帰ろうか。今日は、ばあばン家に泊まろうかな。」
加奈子「・・・ねえ。あたしも行っていい?」
直樹 「もちろん!加奈子、久しぶりだし。ばあばきっと喜ぶよ。」

直樹と加奈子はリムジンバスに乗るため、ロビーから外に出た。

リムジンバスのバス停。
すっかり夜になっている。今夜は満月。

加奈子 「直樹、見て。月がきれいだね。」
直樹  「本当だ。あ、なんかさ。加奈子の今の、あの、聞いたことがある。なんだっけ。森鴎外?二葉亭四迷?林芙美子?あれ、夏目漱石だっけ。もしかしたら、村上春樹?ああ、ここまで出てるんだけどなあ。

音声がフェードアウトしていく。

映像は、以下動画と写真を混ぜてコラージュする。
羽田から帰る。
ばあばン家に着く。
みんなですき焼きを食べている。
ビールを楽しく飲んでいる。
一緒にお風呂に入る。
(2人とも裸になっても特に何も気にしてない。子供の頃からいつもやっている。)
一緒に布団で寝ている。
(ばあばン家に泊まるといつもこうして2人で一緒の布団で寝ていた。)
上の映像に、加奈子のモノローグが被る。
加奈子Mあたしたちは、結局ダニエルとメロディにも、崇さんと由美さんにもなれず、直樹のばあばン家ですき焼きを食べてたくさんビールを飲んで、いつものように2人でお風呂に入って、2人で一緒の布団で寝た。直樹はすぐ寝ついたみたい。あたしは、あたしはなぜか涙が止まらなかった。

朝、起きると隣で直樹がまだ寝ている。部屋の隅で、2人の令和ベビーが同じようにすやすや寝ている。カメラはゆっくりと部屋をなめて、俯瞰する。
デジタル時計は、2020年1月22日。

加奈子は体を起こし、クスッと笑う。

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