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セカンドオピニオン

社員食堂での夕食。見渡すとほとんどが男性社員。仕事を終え、家に帰って夕食の薬膳を作るのは手間で疲れて、時間がかかり睡眠時間も減ってしまうため、夕食は社員食堂で食べて帰ることにした。
食堂の端でひっそり夕食を食べながら、乳ガンの治療法についていろいろ検索してみる。どの病院も基本的に手術しかない。手術しない治療法はないのか、検索してみると「近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来」のサイトが出てきた。がん治療の常識を覆す、「がんと闘うな」という過激なメッセージ。しかし、記事を読むとなるほどと思うことが沢山あり、早速セカンドオピニオン外来を申し込んでみた。有名な先生らしいなので、きっと予約を取るのも難しいと思ったが、すんなり明後日の土曜日の予約が取れた。予約においては、事前に聞きたい質問をメールで送り、診察は録音する機材を持参するように言われた。なかなか診察の会話を録音させてくれる医師は珍しいと思うが、先生の診察に対する自信と誠意に好感が持てた。


診察当日、二人のクリスチャンの友人が付き添ってくれた。受付の女性に促され、私達は座り、録音用にスマートフォンを前に置く。まず、先生は私の超音波検査画像、病理検査結果、過去10年間のエコーレポートに目を通した。私にしこりはあるのか聞かれたので、あるような気がすると、その場で触診し、「分からん」と言った。触診においては、グリグリ触れば乳腺に触れるがそれは癌ではないので、自分で触診する際はお風呂で石鹸をつけて撫でるようにしなさいと言われた。そして、先生は癌について紙を使って説明し始めた。


まず、癌には人間と同じく人相があり、良い人相と悪い人相があるらしい。悪い人相の癌は達が悪く転移するので治らない。良い人相の癌は転移する力がないので治療しなくて良いという。

私の場合、病理検査で癌と出ているので、癌であることに変わりはないが、99.9%転移しない癌だろうとのことだった。しかし、希に転移しない癌の中に本物の癌が隠れている場合があるので100%とは言いきれないとのことだった。

その根拠としては、もし転移する悪性癌なら3ヶ月くらいで、他の臓器にもすでに転移しているとのことだった。1ミリの大きさの中に癌細胞は100万個もある。しかし、1ミリの癌は小さすぎて検査では検出できない。検査で検出できる癌は1センチくらいになってからで、そこにはすでに10億個の癌があるということになる。この1センチの癌が5~10年かかって、やっとこの大きさになったとしたら、その癌はもはや転移する力はないので、癌ではなく、「がんもどき」とのことだった。

また、先生は非浸潤の乳ガンを手術したところ、癌が暴れだし、転移し半年で亡くなられた方の写真も見せてくれた。癌は空気に触れると増殖すると聞いたことがあったが、手術は意図的に外科的に大ケガをさせていることと同じで、良い細胞は修復に一気に動き出すが、癌細胞は活発になり一気に転移し始める。


また、先生は私の質問についても全て答えてくれた。

・針生検から癌が転移することはないのか?

希に悪性の癌で針にそって転移したケースがあったが針先検で転移はしない。


・私達の身体は、日々生きており細胞も修復されているが、癌が修復されることはないのか?

癌が消えるケースは、沢山見てきた。転移した癌でさえ、消えたケースを何十件と見てきた。しかし、何を食べればとか、何をしたら、癌が消えるとは言えない。それを言ってしまうと、詐欺になってしまう。むしろ、我々が毎日生きてること自体が不思議なのだ。


最後に先生は3つのアドバイスをくれた。

① 忘れる

② 検査を受けない

③ 医者に近づかない


1980年まで低下傾向だった日本の癌の死亡率が、1980年から上がり始めた。それは、日本で健診が義務づけられたことが背景にあり、今まで見つからなかった癌が見つかったことによる。早期発見につながる健診のはずだが、手術不要な小さな癌が手術によって、癌が暴れだし、失われる必要のない命が失われているという。健診の裏には、沢山の利権が絡んでいるらしい。世の中には、近藤先生に反論する意見もあるが、先生の言葉は、手術をしたくない私には、大きな励ましとなり、癌が消えることをますます期待したいと思った。

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