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【#つながっていいとも】ー入山章栄先生と島田由香さんとのおしゃべりー

HELLO, NEW NORMAL」から間もなく1年

2020年5月29日(金)から30日(土)にかけて「24時間つながろう」をテーマに行われたオンライン・チャリティ・イベントHELLO, NEW NORMAL」。

1時間ごとに様々なコミュニティが、日本はもちろん世界中から登場し配信。
ふたたびリアルに集まりつながれる日まで、オンラインでつながろう!という思いを、配信を通じて共有しました。

その中の一つが30日(土)16時からOAされた「つながっていいとも!」。
コロナ禍でも動き、つながり続ける方々4名に、あの伝説の番組の名物コーナーのようにご登場いただき雑談する「オンラインショッキング」でした。

「つながっていいとも」のスピンオフ、そしてこの1年

最初のゲストは「世界の入山」こと、入山章栄早稲田大学ビジネススクール教授

入山先生からはコロナ禍の見方、企業経営のあり方、今後の方向性などを伺う中で「雑談は未来のかたまり」との金言をいただきました

この金言に「HELLO,NEW NORMAL」のメインMCの横石崇さんと藤田祐司さんと共に感動!これは続けたい!との思いにかられスピンオフを決意

横石さんが火曜日、藤田さんが水曜日、辻が木曜日、と3人で分担し、6月11日(木)に3人で思いを語った後、16日(火)の横石さんの配信を皮切りに、スタートしました。

その後、いろんな経緯があり横石さんと藤田さんは一休み中ですが、辻が担当する木曜日はコミュラボFacebookページを介して配信し続け、21年6月17日にめでたく第52回目のOA、すなわち1周年を迎えることとなりました!

第1回のゲストである渋谷のカレーコミュニティ「6curry」の新井一平さんのみ、辻の友達でした。
その後、新井さんにご紹介いただいた愛知県瀬戸市の南慎太郎さん以降、ゲストにゲストをガチで紹介していただきながら、ここまで来ましたおかげさまで全国に「いいとも」を介して「弱いつながり」ができました。
これもひとえに、素敵なゲストの皆さんと、ご視聴くださっているみなさんのおかげでした。ありがとうございましました!

1周年を前に改めて原点を思い出すすべく、20年5月30日に配信した「HELLO, NEW NORMAL」の「つながっていいとも!」の中から、生みの親とも言える金言を授けてくださった入山章栄先生のパートをnote誌上で振り返ることにします。

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入山先生からみたコロナ禍

ー入山先生からみたコロナ禍は?

コロナ禍によってリモートワークになり「家族と仲良くなる」人もいれば、「そりが合わなく」人もいると聞く。我が家は一緒に料理したり、トランプしたり、キャッチボールしたりと、在宅生活で家族と接する時間が増えて、仲良くなった。少し落ち着いてきて、オンラインでの取材や登壇が増えてきた。そうした中で、アフターコロナやウイズコロナの時代に、どう仕事し、どうつながるかを、経営理論から考える時間を意図的に作っている。

ー経営理論的に考えるこの状況と、新たなつながり方とは?

方向性は変わらない。
コロナ前とコロナ後で、社会が「変化」を目指すスピード感が増すだけ
「変化」していかないと仕方ない。不確実性が高まる中、デジタルやAIが普及し、イノベーションが進む。コロナになって、不確実性がさらに高まったので、「変化」のスピード感が上がり、働き方改革やイノベーションがさらに進む。

ー変化という方向性のために対応するには?

多様性が必要。
そのためには、多様な知と知の組み合わせが必要なので「人の多様性」が必要。多様な人がいるから、リモートワークなどの「多様な働き方」も必要。
今できることは、今までは「やらなきゃ」と思われていたが「しがらみ」でできなかったこと。しかし、今は強制され、やってみると意外にできることに気づいた。大手企業の経営者と話していると「元には戻らない」という声が多い。また、感度のいい経営者は、コロナの前から変えている。

そのために、デジタルの力を使う。
デジタルは目的では無い。ツールである。B2B向けのデジタルビジネスが伸びてる。なぜなら必要だから。外食系では「ウーバーイーツ」をはじめとするリモートワークでの生活に必要なビジネスの他、中堅企業向けのデジタル化ビジネスが伸びている。これは、社員も「俺たち満員電車に乗っていく必要あるの?」ということに気づいてしまったからだ。

今後の経営者に求められること

今後は、腹落ちが大切。
これもコロナ前から大切と伝えてきたこと。変化が求められる中、自分たちの存在意義や、我が社や商品は何のためにあるのか、といったパーパスの腹落ちが大切。仕事で腹落ちができない。ずっとパソコンに向かってると「何のために仕事?」という疑問が生じる。企業によっては朝と夕方にミーティングして、目的を見失わないようにする工夫をするところもある。

前からリモートワークが進んでいる会社は、経営者のビジョンがはっきりしているという特徴がある。
例えばGMOであれば熊谷さんのビジョンが、ミスルトゥであれば孫泰造さんのビジョンがはっきりしていて、社員に腹落ち感がある。今後のリーダーに求められる資質は社員への「腹落ち感」。これが加速する。そうしないと社員が辞めてしまう。

「つながり」と「雑談」

ー「つながり」が必要な理由

このトークのテーマである「つながり」はイノベーションに必須
世界標準の経営理論」に書いた通り、弱いつながり、弱い人脈が大事。

コロナになって弱いつながりが無くなると言われることもあるが、リアルの弱いつながりはなくなっただけで、デジタル上で意外につながっている。Zoomで会え、人脈増えている人も多い。活かすか活かさないか、だけだ。デジタルを上手く使って、いろんな人とつながる、は有り得る。

シリコンバレーのVCの方と話すと、コロナ前からそうなっているらしい。
スタートアップとの一回目の面談は、コロナ前からZoomが増えていたらしい。1回目は目を見て会うものと思っていたが、Zoomであれば距離が離れていても会えるし、断りやすいとのこと。

直接会うとせっかくなので1時間はということになるが、オンラインなら10分で切ることもできるし続けることもできる。オンラインで弱いつながりを10分で作り、いざ投資決定前には直接あって腹落ちするという流れ。

ーオンライン時代につながりを作るきっかけ

(新たに弱いつながりを作るきっかけは?)シリコンバレーには「オンラインアゴラ」的なZoom広場がある。特定の時間にそのZoomに行くと、大学教授やVCや起業家やいろんな人が集まっていて、雑談できる仕組み。

それを日本でやっている人がいる。それはフィラメントの角勝さん
毎週1回か2回「公式雑談会」と称し、ノーテーマ、ノーイシューで集まった人とおしゃべりしている。そこにふっとゲストとして呼ばれて、おしゃべりしてきた。

角さんと「雑談は未来のかたまり」と話している。雑談は「あれ面白い」「あれいい」と未来の前向きな話をする。一般的なZoomでのミーティングでは目的が決まっていることが多いが、ここは「雑談」。お呼ばれしてふっと言ったことが、プロジェクトに立ち上がることになった。

場所の意味

ーシリコンバレーやかつてに渋谷のように、近くに関係する人が集まっているからイノベーションが起きるのではないか?

ビジネスの本質、ビジネスの素は「移動と多様性と集積」だと思う。
移動するから知の探索ができ、組織に多様な人材や知見があるから多様な需要のある市場に貢献でき、かつての寺社の門前町のように関係する人が集まって、ビジネスが生まれる。

いい経営者は移動し、多様性ある人に囲まれ、シリコンバレーのようにオンラインでも必要なものが集積する場に身を置く。

アバターがこれからくると思う。すでに「集まれどうぶつの森」や「フォートナイト」が流行っている。米国ではラッパーがフォートナイトでライブし、参加者はアバターでライブを聞くことができる。

このように、ある程度はデジタルで代替できようになる。しかし、腹落ちのためにリアルは必要だと思う。よって「会社」は「腹落ちする場所」になる。

ーここで次のゲストである島田由香さんが登場!

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入山先生のお話は肯くことばかり!
「リアル」の意味が変わると思う。
「リアル」とは、実際に会う、会わない、ではなく、関係性がリアルかどうか。リアルとは本物、ということ。リアルとリモート、オンラインだけではない。腹落ちは、リモートでできるようになるかもしれない。しかし、リアルに会うことで、つながりがさらに強化されることになると思う。

…とこの後も楽しいおしゃべりが続きました。が、今日はここまで!

MC後記

おしゃべり時間は約18分。今のつながっていいともと、ほぼ同じ尺です。
その間に繰り出された金言の数々。痛快でした!

コロナの前後で「変化」するという方向性は変わらない。変わるのはスピード。変化が求められる中、自分たちの存在意義や、我が社や商品は何のためにあるのか、といったパーパスの腹落ちが大切。今後のリーダーに求められる資質は社員への「腹落ち感」。

…この流れの折に、入山先生と話をしそびれましたが、この「腹落ち感」を醸成するためにも「おしゃべり」が大事、だと思います。日常の会社経営に必須の「イノベーション」に求められる「弱いつながり」も、ちょっとしたおしゃべりから始まるためです。それをシリコンバレーのオンラインアゴラや、角さんの「公開雑談会」をきっかけに出会った人とやれるようになれば「未来」につながります。

そうしてオンラインで深めた関係を、島田さんがおっしゃるように「リアル」にするために「直接会う」機会の意味がより高まると思います。

気兼ねなく会えるようになるその日まで、僕は「辻」=交差点という名の通り、人と人、人と事とが出会う「おしゃべりの機会」を幹事します。なぜなら、おしゃべりは未来の可能性のかたまりだから、です。

毎週木曜日12時30分から「コミュラボ」Facebookページで、お待ちしています!毎週このPeatixページで告知しています。ぜひ、フォローを!
1周年に向けて、皆さんとご一緒できる機会を準備しています!こうご期待!


【The Community Lab. #コミュラボ】 コミュラボは、コミュニティが生まれる・動く「きっかけ」の場所です。関心の度合いに応じて①ゼミ、②ラボのラボ、③チアの三層構造となっています。その活動をおすそわけします。