『今日子の話』

「今日子の話」

～オープニングアクト、シルエットの男女が部屋を徘徊しながらナニヤラブツブツと一人言を呟いている、男は真ん中でしゃがみこんでいる、男女の声は次第に騒音のようにボリュームが上がって行く、よく聞くと皆それぞれに

「1994年」「行方不明」「男性A」「友人と約束」「同級生と会う」「落ち着きのない様子だった」「子供を残していなくなるなんて」「出産の為実家に帰省」「裏切られた」「ゴメンね」「僕が刑務所に入る」「缶ジュースを二つ」「山を捜査」「何も見つからない」

といったワードを口ずさんでいる、

いつしか舞台前には真っ赤な口紅を塗り口だけがひどく強調されている女が口をパクパクしながらサスを浴びている、しゃがみこんでいた男は叫び声をあげて立ち上がり壁に一枚の紙を張り付ける、全員止まる、紙には「今日子の話は信じるな」と書かれている、曲が盛り上がっていき暗転