『夕鶴』(松本一歩)、『春情鳩の街』(日比野啓)、『胎内』(日置貴之)、『人間製本』(川口典成)

木下順二『夕鶴』
初出 『婦人公論』1949年1月号
初演 ぶどうの会 1949年10月27日、28日 丹波市天理教講堂
人物 与ひょう つう 惣ど 運ず 子供たち
キャスト  つう/山本安英 与ひょう/桑山 正一 惣ど/久米明 運ず/小沢重雄 鶴の声 /北京子

あらすじ
つうは与ひょうと暮らしている。
与ひょうはかつてはそれなりに働き者だったが、今では主に寝て遊んでばかりいる。
つうが織ってくれた布が高く売れ、ひと儲けしたのが原因であるらしい。
そこにつけこもうとする村人の運ずと惣どにそそのかされ、与ひょうはつうにさらに布を織るよう求める。
つうは頼まれるままに布を織るが、運ず、惣ど、与ひょうはその姿を覗いてしまう。
鶴が己の羽を織り込んで布を織っていた。
つうはいよいよやせ細り、与ひょうに布を二枚織って渡すが、それと引き換えに飛び立ってしまう。

ここから先は

12,495字

¥ 240

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?