太宰治『冬の花火』・加藤道夫『なよたけ』

担当:松本一歩(『冬の花火』)・川口典成(『なよたけ』)

『冬の花火』

【基本情報 戯曲冒頭より】登場人物
数枝 二十九歳
睦子 数枝の娘、六歳。
伝兵衛 数枝の父、五十四歳。
あさ 伝兵衛の後妻、数枝の継母、四十五歳。
金谷清蔵 村の人、三十四歳。
その他
栄一(伝兵衛とあさの子、未帰還)
島田哲郎(睦子の実父、未帰還)
いずれも登場せず。

+鈴木 数枝の新しい恋人 数枝より10歳年下 絵描き?

所。
津軽地方の或る部落。(→浪岡? この作品を執筆した疎開先の金木より約30キロ)
時。
昭和二十一年一月末頃より二月にかけて。

【初出・初演】
初出 『展望』昭和二十一年六月号
初演 新生新派の主事をしていた川口松太郎から申込みがあり、母親を花柳章太郎、数枝を水谷八重子という配役で東劇で上演されることが決まったが、1946年12月上旬、GHQから上演中止を命じられた。( 長部日出雄 『桜桃とキリスト もう一つの太宰治伝』文藝春秋、2002年3月30日、312頁。)
Wikipediaより https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%AC%E3%81%AE%E8%8A%B1%E7%81%AB

【上演履歴】
京都南座(1985年 京都南座 演出:日向須津子)
劇団芸協(1987年 武蔵の芸能劇場 演出:あずさ欣平)
シンクロナイズ・プロデュース(2000年、2002年 銀座小劇場 演出:久次米健次郎)
Theater Ort-d.d『冬の花火、春の枯葉』(2006年 にしすがも創造舎 太宰治原作 構成・演出:倉迫康史) 
早稲田大学演劇上演データベースより 

【『冬の花火』 一言で言うと】
大好きな継母を慕って青森へ帰ってきた娘が、すったもんだの挙句その継母の秘密に触れてどこまでも落ちるべく再び東京へ飛び出していくまでの話。

【あらすじ】
◆第一幕 父(伝兵衛)と娘(数枝)の口喧嘩 午後三時

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