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明日13(土)~続々素敵な作品が登場

★カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞し、アカデミーでは脚本賞を受賞した「落下の解剖学」、見事な傑作です。ある雪山の山荘で、男が転落死、事故と思われていたのが、妻のベストセラー作家が殺人容疑で起訴される。だが、現場に居合わせたのは、視覚障害のある11歳の息子だけ。後半の法廷劇の言葉の応酬は、まさにサスペンスフル。映画ならではの面白さに152分があっという間です。

★「ゴッド・ランド」は、デンマークの植民地だったアイスランドに赴任した若き宣教師。異文化との出会いの中で、生死を行き来し、極限を迎え、狂気が漂い始める。こちらも143分と長いですが、さすがにアイスランド、北海道よりも厳寒の冬の風景が静かな美しさに彩られ、春も曇天気味、村人たちの信仰と宣教師はやがて・・・となるわけです。



★日本の作品に戻ります。障がい者福祉施設に集う、愛すべき人々の日常を豊かに描いたドキュメンタリーとは、チラシの宣伝文句ですが、まさに言い当てていて、富士山をバックに道を歩いていくだけでも画になり、とっても小さな何気ない日常が、本当に素敵なんですね。実は青柳監督のお母さんが働いている職場でもあるのですね。青柳さんは大好きな、この施設の友人たちの素敵さを素直に写していて、それが伝わってきます。
※明日13(土)には、青柳監督がお越しになって、舞台挨拶とトークもありますので、こちらも是非。



★素敵な作品が多くて、紹介する私も驚いていいますが、真打は札幌出身の三宅唱監督の「夜明けのすべて」です。これはまた今年の日本映画の賞レースをまたにぎわすことになるでしょう。「ケイコ目を澄ませて」に続いて、今回も16ミリフィルムで撮影していますが、デジタルのくっきりしすぎる画面ではなく、そのフィルム的空気感が、この作品が持つ優しさを見事に伝えてくれています。とにかく主人公の二人の役者が素晴らしい。実は先月お越しいただいた是枝監督がアンケートに、「最近見た映画でお気に入りは」での問にお応えになったのが、この「夜明けのすべて」なんですねhttps://www.theaterkino.net/?visit2=visit2-9823。それで是枝さんに聞いてみると「とにかく役者がいい」と、めちゃほめていました。そのことを三宅監督にお伝えすると、一番うれしい感想ですと。三宅さんはいつも監督が褒められるより、役者が褒められることの方が何よりうれしいとおっしゃっていましたので、本当に嬉しかったのだと思います。未見の方はもちろん、すでにご覧になった方も是非もう一度キノのスクリーンでご覧ください。お待ちしております。

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