見出し画像

ど真ん中を、こころの中と真実に臆せず~「プロミストランド」飯島将史監督と河崎秋子さん

徒然に 624

「禁猟令が出ていても、年長者に咎められても、
若者二人が敢えて
『熊を撃(ぶ)つ』。
雪山を歩く音や勢子としての咆哮、そして無音の眼差しによってこそ雄弁に語る姿に圧倒された。
彼らが得たものは人間の秤で量ることができず、
きっと熊の色をしている。」    
         ―河崎秋子(作家 第170回直木賞受賞「ともぐい」)

「プロミストランド」パンフレットの冒頭に寄せられたコメントです。
言葉深くスクリーンで観る映像が染み入ってくるようです。

初日8月17日(土)飯島将史監督のゲストトークがありました。

台風の影響で前日入りは不可能と、監督は3日前から札幌入りして下さったとのこと、大感謝です。
長く阪本順治監督の助監督をされていて
満を持してのデビュー作となりました。


春の東北、マタギの伝統を受け継ぐ山間の町。
ある日、役所から今年の熊狩りを禁止する通達が届く。
違反すれば密漁となり、マタギとして生きる道は閉ざされる。
若い二人はその通達が不服で、たったふたりで禁じられた熊狩りに挑むことに・・・

「雪山での撮影が大変だった以上に、準備の中で山を、
ロケ場所を探すことが 本当に大変だった。
機材をもってどこまで山に入ってゆくことが出来るか、
スタッフの安全性も含めて
1日の時間の中の山の貌、
決めるまでが大変だった」と。

この映画は雪山を歩いているシーンが多く、監督は

「歩いているシーンが長いです。でも僕にとってはあれが重要でした。
山をふたりで歩くという行為と、周囲を注意深く見るという行為が」

と語っていますが冒頭の河崎秋子さんの言葉と重なってきますね。
実はこの日、

「コメントを書かせていただいた河崎ですが
監督とお話がしたくて」と映画を観にいらしたのですね。

私たちはびっくり、監督もびっくり、嬉しいお申し出に
せっかくなので急遽トークに参加していただきました。

トークの最後には

「マタギの世界、冒頭から 地に足の着いた、
その地域の人が根ざしてる
空気のおそろしさのようなものが伝わってきました」

「熊の小説など書かれたもの、そして現実の熊のことなどいろいろありますが、
ど真ん中を、こころの中と真実に臆せず向かってゆく
稀有な作品かと思う」

というようなお話をしていただきました。(正確ではありませんのでご容赦ください)

上映後のロビーではパンフレットに飯島将史監督と河崎秋子さんの
サインという、貴重なプレゼントになりました。

壮大な自然の中で本気で生きる。

「プロミストランド」8月23日までの上映です。

※飯島監督のサインは坂本順二監督の「人類資金」のところに。
なんとこの作品が阪本監督の助監督に着いた初めての作品だったそうです。ご縁ですね・・
監督は「阪本監督と李相日監督に挟まれて凄すぎる・・」と。

河崎さんは「学生の時、キノで映画見てたんですよ」とおっしゃっていただけたのも嬉しい一言でした。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?