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「青春ジャック2」明日6(土)~公開です。

若松孝二監督が亡くなって、もう12年だ。あの厳つい顔のダミ声で連絡がないのも寂しくもあるが、若松プロに在籍した井上淳一が、見事な青春映画として、若松監督に揉まれたあの時代の空気を映画化したのが明日4/6(土)~公開する「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」だ。
 地方のミニシアター第一号が1892年の名古屋シネマテーク(昨年7月に閉館になったが、名古屋キネマノイとして再オープンした)。それに続いて翌年に若松監督がシネマスコーレをオープンさせる。ちなみにシアターキノはその10年後の1992年オープンでした。井上淳一は、そのスコーレと高校生の時に出会って映画の道へと歩んでいく。映画ファンなら多くの方が通過したであろう、青春期の映画との出会いは、特に居場所がなかった者にとって、映画は社会への突破口だった。その時代性と青春を上手くかみ合わせた秀作になっている。


 なんといっても、木全支配人を演じた東出昌大さんが抜群にいい。あの飄々としたちょっと猫背気味の木全さんが当時のままいるような気がして(決してそっくりさんという意味ではなく、その醸し出す空気感が)ぐっとくる。井浦新さんの若松は、相変わらずのちょっとオーバー気味が嫌味ではなく、楽しませてくれるし、数々のゲスト出演の皆さんも楽しんでいる感じが伝わってくる。80年代にまだあった日本映画のプログラムピクチャ―的な面も入れて、映画ファンには共感できるものに仕上がっていると思う。一部、井上監督の思い入れが出すぎているところもあるが、まあそれは天国の若松さんへのラブレターなのだとしておこう。
 ということで、キノロビーの古本コーナーにも若松監督の著作や研究本が少しですが、登場しましたので、映画と共にお楽しみください。


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